自分の常識を変えてゆけるか
日経スタイルの今週の記事は、ここ3年ほどの中で吸い上げてきた若者からの意見を反映したものだ。
今経営者の平均年齢は59才を超えた。多分来年は60才を超えるんじゃないだろうか。
今60才くらいの人たちの常識は、いわゆる昭和の常識だ。
それはそれで一時代を作ってきた考え方なり価値観なわけで、決して否定すべきものではない。
ただ、彼らが社会に出てから40年ほどが立つ間に、常識は大きく変わってしまった。
核家族どころか単身世帯が標準になり、同質性より多様性が尊重されるようになった。
我慢することよりも素早く行動することが重視される中で、既に仕組みを作った側にとって都合の良い常識を強いることはもう不可能だ。
だからこそ、僕は50代からあらためて学ぶことが大事だと感じている。
ちょうど来年、僕も50才になる。
こんな本も読んだことだし、僕自身の常識も少し考え直してみる必要があるだろう。
平康慶浩(ひらやすよしひろ)
残業代を歩合からさっぴいても有効という判決
ちょうど1年前の今日、こんな記事を書いた。
簡単にいえば、タクシー運転手に対して、残業代は払う。
けれども歩合給から残業を差し引く。
それを違法だと訴えたのがドライバーで、違法じゃない、と反論したのが会社。
2015年1月、地裁でドライバー勝訴 ⇒ 会社側控訴
2015年7月 高裁でドライバー勝訴 ⇒ 会社側控訴
2017年2月 最高裁で、高裁への差し戻し
僕は人事コンサルタントとして、脱法ギリギリかもしれないけれど、その旨をしっかり公表して周知していればありだろう、と書いた。
気が付けば1年が過ぎていたが、今年2018年2月に高裁の判決が出ていた。
それがこちら。
2018年2月 高裁で会社側勝訴 ⇒ ドライバー控訴(いまここ)
判決についてはリンク記事を読んでいただければと思うけれど、人事制度を作る立場からのポイントは簡単だ。
【 ポイント 】
・残業代は全額払うべき
・残業代の支払いを免れる意図で制度をつくってはいけない
・ただし、生産性を意識させるための仕組みは有効。
(この場合だと、歩合給のような賞与的性格のものから残業代を差し引くこと)
……これ、歩合給だからこういう判決がでたのかも。
既得権的な夏冬賞与、からの差引は多分ダメなんだろう。
となると、業績連動型賞与を導入するとともに、残業代控除の仕組みをセットにする、ということは広がりそう。
まあそのことが会社側と従業員側にそれぞれどういう影響を与えるのかは、設計時に慎重に判断しないといけない。
ともあれ、ドライバー側が控訴した最高裁の結果は引き続きフォローしたい。
とはいえ、最高裁だから結果が出るのは2020年くらいになるのだろうか。
平康慶浩(ひらやすよしひろ)