あしたの人事の話をしよう

人事コンサルタント 平康慶浩(ひらやすよしひろ)のブログです。これからの人事の仕組みについて提言したり、人事の仕組みを作る立場から見た、仕組みの乗りこなし方を書いています。

まじめな話と、雑感(よしなしごと)とがまじっているので、 カテゴリー別に読んでいただいた方が良いかもしれません。 検索エンジンから来られた方で、目当ての記事が見当たらない場合 左下の検索窓をご活用ください。

人事制度

年収の天井を抜け出すために

前回記事はこちら。 この章の最後に、結論として言いたい。 あなたの未来に希望はある。 あなたの給与は、増やすことができる。 この本を通じてそのことを伝えたいからこそ、私は今キーボードを前にしている。 しかしこれまでにしつこく書いているように、誰…

あなたの代わりはモンゴルやインドにいる

前回記事はこちら 商品を購入したお客様からの質問やクレームなどを受け付けるコールセンターが、どこにあるのかご存知だろうか。 東京や大阪といった都心にないことは想像がつくだろう。では、日本のどこか田舎にあるのだろうか。 もちろんそういう会社も数…

人事制度改革はまだ見ぬ若者を犠牲にして行われた

前回記事はこちら。 給与に天井を定めるレンジレートの仕組みの中で、今すでにもらっている給与がレンジレートの上限を超えている人たちについては、調整給で現在の給与を維持する仕組みが導入された。 例えばレンジレートの上限が三十五万円で、実際にもら…

人事制度を変えても、組織風土まで変えることはできなかった

※前回の記事はこちら。 ここまで説明してきたレンジレートだが、実はもう少し厳しい人事制度の導入も多くの企業が検討していた。それは職務給だ。 職務給というのは日本以外の世界標準的な仕組みだが、簡単に言えば仕事で給与を決める、というものだ。性別や…

昇給をコントロールする人事制度の仕組み

※前回の記事の続きです。 コストとしての給与、相場に見合った給与、という二つの理由からあなたの給与は増えにくくなった、と書いた。 ということは、給与を決める仕組みがそういうコントロールが出来るように変わったということでもある。その仕組みと運用…

高齢化が阻む昇給

※前回の記事の続きです。 将来仮に景気が回復すればこれらの二つの理由(人件費がコストとして管理されるようになったから、人を相場の給与で入れ替えられるようになったから)は解消されるのか。私はその可能性は極めて低いと考えている。 多くの企業では事…

なぜ給与は頭打ちで増えなくなってしまうのか

年功序列の時代なら、どんな業界であってもどんな人でも給与は自然に増えた、と思われるかもしれない。会社の規模などによって意外とそうではないのだけれど、少なくとも統計上の平均額では今の三倍以上昇給しているので、とりあえずはそう考えておくことに…

君は、一生年収500万円を超えない会社で働いていないか?

ここ数年、給与がなかなか増えない、と思うことはないだろうか。 もしそう思っているのなら、その感覚は正しいし、それはあなただけじゃない。日本中にその傾向が広まっている。 例えばあなたが今働いている会社について、次の十の質問に答えてみてほしい。 …

女性が働きやすい会社をつくるための論点(1)

2015年の後半から、「なぜ日本企業で女性は出世しづらいのか」ということを研究している。 その理由にはさまざまなものがあるが、人事制度という会社の仕組みによるものもある。 しかし、だからといってすぐに改善することが難しいものでもある。 あなたなら…

人はきっと変化を受け入れられる

変革というのは、適性がもともとあった人たちに受け入れさせるものであって、適性がない人たちを適性がある人に変えるわけじゃない、と概ね考えられてきたんじゃないだろうか。 そんなことを、20年ちょいの人事コンサルタント生活で実感してきた。 でも、さ…

新刊の没小説を掲載してみる

先日にも書いたけれど、11月10日(11日じゃなかった)に新しい本が出る。 しかし、今回の本、実は小説パートがない。 本当は書いていたのだけれど、読者ターゲットとずれる、ということで途中で書くのをやめてしまったのだ。あとページが多くなりすぎたとい…

人事では、制度と運用のどちらが大事なのか

■ 人事の仕組みと運用は補完的 人事制度は、仕組みそのものよりも運用が重要だ、と言うことをよく言われる。 たとえばこんな場合だ。 ・どんな仕組みをつくっても、評価者がダメだったら、制度はうまく機能しない ・精緻な仕組みをつくっても、そもそも使わ…

同一労働・同一賃金という危険な考え方

最近、人事改革に関するニュースの取り上げられ方が、浅くて一面的な気がしている。 たとえばユニクロのこの記事だと、制度の目的が「正社員のつなぎとめ」だと書いている。 ファストリ、週休3日制導入 地方の正社員1万人対象 しかし、実態としては単なる…

ライフイベントと収入のギャップをどう埋めるべきか

報酬制度がライフイベントと関係なくなって久しい。 新卒採用で終身雇用という会社では、会社側がライフイベントを意識した人事の仕組みを用意していた。 多くの人が結婚する年齢あたりで役職に就く。役職に就くと給与が増える。 結婚すると家族手当が出る。…

顧客第一は社風にならないと機能しない

セレクションアンドバリエーションが提供する研修のひとつに、プロフェッショナル・ワークショップというものがある。 簡単に言ってしまえば、以下のような研修だ。 ・言われたことを言われたとおりに実行するのはただの専門家(エキスパート)だということ…

サイバーエージェントの福利厚生からダイバーシティ改革の本質を考えてみた

最近ダイバーシティについて新しい見解を提示しなきゃいけないので、基本に戻って各社の福利厚生を調べている。 そうして目に留まったのが、斬新な人事の仕組みで知られるサイバーエージェントなんだけれど……本当にすごい! 多くの人事マンは当然のこととし…

サラリーマンの限界が見えた

先日、青春出版社のビッグトゥモローの取材を受けた。 その記事が掲載された9月号が発売されたのだけれど、すでにご覧になった方もいるだろうか。 「会社をやめても困らない3段階式人生プラン」という記事の最初に、人事に関する現状を示す役割として取材…

管理職がどれくらい減ったかをグラフで確認してみた

課長になれる人が減っている、ということは良く言われるし、データでも確認されている。 名ばかり管理職のような、名目的な管理職が減るのはいいことだ。 でも実際のところでいえば、やっぱり年功「昇格」が減っていることが大きな原因だろう。 年功「昇給」…

年功昇給がどれくらい減ったかをグラフで確認してみた

年功昇給といわれるものがなくなりつつある、と言う話は僕たち人事業界の人間にとってはあたりまえのことなんだけれど、それを示す公的なデータがないものかと考えてみた。 で、困ったときの賃金構造基本統計調査、ということで、2001年~2014年までの全デー…

ビジネスにつながる人事制度の本質は報酬制度じゃない

先日、SMBCコンサルティング東京で、「人事評価・報酬制度の基礎」というセミナーで登壇をした。 このセミナーのさわりで話した内容が、受講した人たちの心にずいぶんとヒットしたようなので紹介してみたい。 僕は最初にこう質問した。 「今から会社をつ…

早期選抜の上手な進め方

僕が早期選抜の重要性を強く感じはじめたのは、一昨年からだ。 その頃、とある大手メーカーの人事制度改革を担当していた僕は、海外から招へいされたマーケティング担当役員と話す中で、あることに気付かされた。 第一に、海外のエグゼクティブは若い、とい…

人事制度改革のマニュアル本

昨年2月に上梓した、人事制度改革のマニュアル本が、また増刷されたという連絡があった。 この本だ。 7日で作る 新・人事考課 CD-ROM付 (Asuka business & language book) 作者: 平康慶浩 出版社/メーカー: 明日香出版社 発売日: 2014/02/14 メディア: 単行…

洗い替え方式の給与制度は意外に多い?

最近人事制度改定を受託した会社で、立て続けに「洗い替え方式」の給与制度を見た。 もちろん、それを変えてほしい、と言う依頼なのだけれど、不思議だなぁと思う。 そもそもなんでこんな仕組みを設計したんだろう、って。 洗い替え方式の給与制度とは、評価…

キャリアの「道草」を認められますか?

僕は道草が好きだ。 それは速度を下げるということだ。 赤信号で自転車をとめる。そうして目指す方向とは違うあたりに目を向ける。 たくさんの人が信号を待っている。老若男女なんてことばは、こんな時のためにあるようだ。杖を突いている老人もいれば、元気…

大学って教育機関じゃなくて就職先になっていたりしない?

以前、どなたかの著書で、「大卒の就職率が下がったというけれど、就職している人数はたいして変わっていない」とか書いていたなぁ、とふと思い出した。 要は大学生が増えすぎているんだ、というお話だった。 その時は別に何とも思わなかったけれど、時系列…

雑感 企業と人材マネジメントとコンサルタント 

企業と人材マネジメントの本質について、いつも考えてしまう。 なぜなら、「典型的な日本企業」というものがなかなか描けないことが多いからだ。 例えば、最初はこういう風に思っていたとしよう。 「最近お付き合いする企業はいずれも職務給を導入しようとし…

40才新人採用の仕組みなんてどうでしょう

女性の働き方とか(個人目線)、女性活用の方法とか(会社目線)をわかりやすく整理してほしい、という依頼を受けたのでいろいろと考えている。 そんな中、どこの会社でも使えそうな施策を思いついたので紹介してみる。 題して、「40才新人採用制度」だ。 …

【人件費の近未来2-4】 職務給導入時のポイント

(当記事は、月刊人事マネジメント2014年3月号から1年にわたって連載した記事を、2015年の現状にあわせて加筆修正したものです。) 前回記事はこちら。 【人件費の近未来2-3】 職務給の課題は運用面にある ************************…

【人件費の近未来2-3】 職務給の課題は運用面にある

(当記事は、月刊人事マネジメント2014年3月号から1年にわたって連載した記事を、2015年の現状にあわせて加筆修正したものです。) 前回記事はこちら。 【人件費の近未来2-2】 職務給導入のニーズは2つに絞れる *********************…

【人件費の近未来2-2】 職務給導入のニーズは2つに絞れる

■職務給導入 第一のニーズは採用力 職務給を導入した理由を企業に確認してみると、主なニーズは二つだ。第一のニーズは、「優秀な外国人を採用するため」というものだ。似たような答えとして……