あしたの人事の話をしよう

人事コンサルタント 平康慶浩(ひらやすよしひろ)のブログです。これからの人事の仕組みについて提言したり、人事の仕組みを作る立場から見た、仕組みの乗りこなし方を書いています。

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独立に向いている資質を書いてみた

日経スタイルの記事の更新だ。

style.nikkei.com

 

出世のカラクリ、と題しているけれど、今回は社外に出て出世するパターンとして、

独立をテーマにしてみた。

 

万人に進められることではないけれど、独立は十分に選択肢になると思う。

それに、最近独立してまた就職するタイプのキャリアも見るようになった。

直近で知り合った方は、独立して2千万円の売り上げまでは実現したけれど、そこからなかなか伸びないので、年収1500万円くらいで再就職するということだった。

それはそれで十分ありだと思う。

 

独立を経験すると、自分自身をかなり客観的に見られるようになる。

不安とは隣りあわせだけれど、それを心地よく思えるかどうか。

 

重ねて、万人に勧めることはできない。

 

けれども、組織の中で閉塞感を感じているのなら、選択肢として考えてみてはいかがだろうか。

 

 

平康慶浩(ひらやすよしひろ)

 

 

 

人材の二極化が進む会社

以前お手伝いしていた会社の人事責任者が変わられたということで、久しぶりに顔を出してきた。

そして、弊社が人事制度設計を行ったときと今との違いをいろいろと伺っていたのだけれど、懸念されていた二極化が進んでいて、それが5年後くらいに問題になるんじゃないか、という話になった。

 

それは人材の二極化だ。

基本的に多くの人たちは第一の極に集まっている。

新卒、あるいはそれに近い形で会社に参画する。

そして与えられる仕事に取り組みながら経験を積み、自分自身の年収もあげていく。その速度は、弊社が制度設計するまではずいぶんと遅かったのだけれど、制度改定で早くした。それはちゃんと生きている。

 

しかしその会社は、とにかく成長速度が速い。

だから責任のあるポストは多いのだけれど、そこに人が足りない。

だから外から連れてくる。その人たちが第二の極だ。

高レベルの経歴を持ち、高い年収で入ってくる。

 

問題となるのは、第一の極の人の中から、第二の極の人が担うようなポストにつく人が少なくなっている、ということだった。

その理由は、教育制度が整備されていないからじゃない。教育制度は、少々足りないけれども整備されつつある。

ストレッチした経験も与えられるし、信賞必罰の仕組みもある。

そもそも成長している企業の中で活躍できているのだから、意欲も高くスキルも伸び、成果も出している人に育つ。

それでもなお、新設される課長ポストを任せるには、社内でそだった32才よりも、社外から連れてくる29才の方が向いていたりすることが多いそうだ。

 

 

かつて、人事制度設計時にコンピテンシーサーベイとして、行動や志向についての調査を行った。

その結果は極端だった。

第一の極の人たちは、会社のブランドに共感し、ワークライフバランスを重視し、できればずっと同じ会社で働き続けたいと思っている。

第二の極の人たちは、会社のブランドへの共感はあるが、出世とかチャレンジとかを重視し、最長でも5年くらいで次の会社へ行こうと思っている。

 

会社としても、第一の極の人たちは「仲間」として扱うが、第二の極の人たちに対しては「傭兵」的に扱う。

だから何らかのミスがあった場合、第一の極の人たちは評価が下がる場合もあるが、再チャレンジの場も用意される。

しかし第二の極の人たちは、「鳴り物入りで来たのになんだよ」的に扱われてすぐに退出する。

 

結果として今起きているのは、第二の極の人たちのすさまじい高レベル化だ。

どんどん入ってきてどんどん退出する厳しい環境の中で、残っている第二の極の人たちは、高い経歴を持ちながら、周囲に対して腰が低く、決して驕りたかぶることがない人たちだ。そしてしっかりと結果を出す。出さなければ退出しなければいけないし。

また、彼らは最初から短距離走だと理解している。だから転職してきたその日から全力で走れるように準備をしてきている。

 

第一の極から、そのような第二の極のレベルにまで育つことが、とても難しくなっているのだ。

 

第一の極の人たちにとって良い会社を作りたい、という思いと、第二の極の人たちに対しての信賞必罰と入れ替えを徹底したい、という思いの両方を満たすための人事制度を構築した。

それはその通りになった。

会社も成長している。

 

けれども、結果として新卒たちが昇進できない会社になっている。

多分この会社の新卒が出世するためには、一度別の会社に転職して経験を積み、そして戻ってきた方がよい。

 

僕やその会社の人事の責任者はそのようなキャリアの積み方はとても素晴らしいことだろうと合意したのだけれど、実際に新卒たちがそう思えるかどうかは難しいだろうとも話し合った。

でも、そんな会社は多分、今後どんどん増える。

 

平康慶浩(ひらやすよしひろ)