あしたの人事の話をしよう

人事コンサルタント 平康慶浩(ひらやすよしひろ)のブログです。これからの人事の仕組みについて提言したり、人事の仕組みを作る立場から見た、仕組みの乗りこなし方を書いています。

まじめな話と、雑感(よしなしごと)とがまじっているので、 カテゴリー別に読んでいただいた方が良いかもしれません。 検索エンジンから来られた方で、目当ての記事が見当たらない場合 左下の検索窓をご活用ください。

リスク選好の反対語はリスク回避であって「ゆでがえる」ではない

日経スタイルの連載は「出世」というしばりがあって、だからわりと書きやすい。

自由に書いていい、なんて言われたら多分何も書けなくなるから。

で、今回は転職判断時期をどうするか、ということを書いた。

人事制度設計者とのしてのポジショントークもちりばめながら。

 

style.nikkei.com

 

ただ、この記事はあくまでも、リスクを選んででももっと良くなりたい、と思う人向けだ。

もしあなたが、今いる場所でこつこつとがんばりたい、とか、この会社には良くないところもあるけれど、私が改善してゆきたい、と思うのなら刺さるところはないだろう。

結局僕が書いている内容は、リスク選好型の人向けなんだなぁ、とあらためて思った。

 

 

ちなみにリスク選好の反対語はリスク回避だ。

 

リスクを許容してでもより大きなリターンを目指すか、リターンは小さくてもリスクを避けるか、という行動の選択肢だ。

 

つまり、どちらもリスクは理解しているということが前提となる。

 

リスクそのものを理解していないと、結果として何も選択できない。

 

それを「ゆでがえる」という。

 

リスク選好でもリスク回避でもどちらでもいいけれど、ゆでがえるにはならないように、いろいろ知った方がいいと思う。

 

 

平康慶浩(ひらやすよしひろ)

 

 

副業は、市場ではなく相対(あいたい)で得ることを目指す

今週の日経スタイル記事は、副業の選び方。

タイトルにスキルアップ、とあるけれど、どちらかといえば経験の積み方というか、他流試合で経験を手に入れる、みたいなお話だ。

ただ、最後の方に別の視点でも書いている。

副業をどのように見つければよいのか、という話だ。

style.nikkei.com

 

ちなみに、弊社のインターンの二人に副業についてのレポートをまとめてもらったので、HPのオフィシャルレポート欄にアップした。

 

www.sele-vari.co.jp

 

内容は1枚で示すとこういうことだ。

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で、この続き的な内容が、今回の日経スタイルの記事だ。

 

それは市場取引と相対取引の関係。

 

詳細は読んでもらえればよいけれど、その派生から少し書いてみたい。

 

職をるための労働市場は今、市場取引と相対取引、二つの選択肢がより明確になりはじめている。

ちなみに相対(そうたい)ではなく相対(あいたい)取引だ。

新卒が就職する時点で言えば、人材紹介会社とか会社主催の説明会に登録して、エントリーシートとか書いて面接を受けたりするのが市場取引。

一方で、知り合いのおじさんを通じて「こいつよろしく」なんて感じで入社するのが相対取引

 

報酬面で言えば、「弊社の初任年俸は〇〇万円です」という値段が先に示されたうえで、比較されながら選ばれるのが市場取引。

一方、「君には年俸〇〇万円だすからうちに来てほしい」、と個別に値決めされるのが相対取引だ。

 

 

市場取引は効率的なのだけれど、売り手にとっては決定的な欠点がある。

比較されて買いたたかれる可能性がある、ということだ。

市場に並べる商品が「モノ」であるのなら、買いたたかれたとしても、それは市場価格なのだから仕方がない、とあきらめがつくだろう。

 

けれども、労働市場で並べる商品は、あなた自身だ。

あなた自身の意志、能力、経験などを他者と比較されて、場合によっては「これだけでよければうちで働いてみる?」というような値決めをされる。

 

労働市場で転職しようとする時が典型的だ。

たとえば年を取って転職する時とか、労働市場はとても冷たい。

過去の経験に意味がない、と否定されてしまうことがある。能力はレベルが足りない。そもそも働く意思が低いとまで断定されたりもする。

 

本業でいきなりそんな風に断言されてしまうと、もう選択肢がなくなってしまう。

自分を買いたたかれたとしても、食べていかなければいけないから。

 

だからこそ、僕は先に副業で他流試合をしておいた方が良いと思う。

それが前にも書いた、スキルや経験の翻訳、につながるわけだ。

そしてその副業こそ、まず、相対取引で手に入れることを目指してほしい。

方法は一様には言えない。

けれども、あなたを知ってくれていて、あなたの価値を認めてくれる人を増やすことが、少なくともその一歩にはなる。

 

 

平康慶浩(ひらやすよしひろ)