独立に向いている資質を書いてみた
日経スタイルの記事の更新だ。
出世のカラクリ、と題しているけれど、今回は社外に出て出世するパターンとして、
独立をテーマにしてみた。
万人に進められることではないけれど、独立は十分に選択肢になると思う。
それに、最近独立してまた就職するタイプのキャリアも見るようになった。
直近で知り合った方は、独立して2千万円の売り上げまでは実現したけれど、そこからなかなか伸びないので、年収1500万円くらいで再就職するということだった。
それはそれで十分ありだと思う。
独立を経験すると、自分自身をかなり客観的に見られるようになる。
不安とは隣りあわせだけれど、それを心地よく思えるかどうか。
重ねて、万人に勧めることはできない。
けれども、組織の中で閉塞感を感じているのなら、選択肢として考えてみてはいかがだろうか。
平康慶浩(ひらやすよしひろ)
選抜が早くなって、使えない人が増えてしまった
経産省が最近、ゴリゴリと動いている。
僕が理事を務める高度人材養成機構の取り組み(※)もその一環になるのだろうけれど、とにかく、あまっている「使えない」(と思われている)人たちを、どうやって再活性化させるかに必死だ。
※ちなみに取り組みというのは、2017年11月20日に開催する無料セミナーだ。
興味のある方々はぜひ下記リンクから申し込んでほしい。
リンク先の下の方にグーグルフォームでの申込リンクがある。
たしかまだ席に余裕はあるはず。
そもそもなぜ「使えない」人が生まれてくるのか。
日経スタイルに書いたこの記事で、「手を動かさない」から使えなくなる、ということを書いた。
けれども、人事の仕組みを設計する側からもう少しシビアな話をしてしまおう。
選抜が早くなっていること。
それが仕組みとして「使えない」人を生み出している原因だ。
細かいデータは割愛するが、かつての日本企業では、従業員の年次管理を基本として、ゆるやかに選抜を進めていた。
選抜とは「誰を幹部にするのか」ということだ。
そしてかつてのゆるやかな選抜では、幹部に選ばれない人もそれなりに活躍する場を与えられた。
しかし今は違う。
だいたい30才前後で選抜は終わっている。
40才になる頃には、幹部候補の役割とそうでない役割とは区分されている。
たとえば幹部候補はどんどん研修にも行かせてもらえるし、チャレンジングな仕事を担当させてもらえる。
もちろん逆転はある。
選ばれた人たちが必ずしも順風満帆に進むわけではないからだ。
むしろ若いころに失敗し続けた人の方が、努力の価値を信じられるようになっているだけ、晩成しやすい(このあたりのことは本にも書いた)。
けれども、逆転はあるが、少数であることもまた事実だ。
人の成長は学習やチャレンジングな仕事や、新たな出会いによって実現される。
それらは選抜された人たちに優先的に与えられる。
そうでない人たちは、学習を求められず、日々同じ仕事を繰り返し、同じメンバー同士の生活を送る。
そうして、使えない人、が生まれる。
対応する手段は多分二つしかない。
第一の手段は、選ばれなかった、と気づいた時点でさっさと選ばれそうな会社へ転職すること。大企業で選ばれなかったとしても、中堅や中小企業でなら活躍の場があるかもしれない。あるいは、都心で敗れても、地方に戻れば勝てたりする。経産省もこのあたりに力を注ごうとしている。
第二の手段は、自分から進んで、学習を求め、チャレンジを求め、新たな出会いを求め続けること。それがたびたび伝えているリカレント教育だ。あるいは副業や複業など。
共通しているのはただ一点。
会社は選ばなかった人たちになにもしてくれない。自分でなんとかするしかない。
平康慶浩(ひらやすよしひろ)