あしたの人事の話をしよう

セレクションアンドバリエーション株式会社 代表取締役 兼 グロービス経営大学院HRM担当准教授の平康慶浩(ひらやすよしひろ)のブログです。これからの人事の仕組みについて提言したり、人事の仕組みを作る立場から見た、仕組みの乗りこなし方を書いています。

まじめな話と、雑感(よしなしごと)とがまじっているので、 カテゴリー別に読んでいただいた方が良いかもしれません。 検索エンジンから来られた方で、目当ての記事が見当たらない場合 左下の検索窓をご活用ください。

「東日本大震災」関連調査 「上場企業の被害状況」調査結果をもとにつれづれと

東京商工リサーチの調査によれば、上場企業の71%が震災で被害を受けたそうです。

http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/2011/1209629_1903.html

とはいえ、影響なしと影響軽微と回答された企業が約60%なので、震災地域はともかく、全国的な影響は小さい……でしょうか?

多くの方の献身的な活躍により、やがて震災の被害は復興していくことになります。

しかし将来において重要なことは、日本経済への影響です。

具体的には、①国内外の消費活動にどのような影響があるか、②その結果として生産活動にどのような影響を及ぼすか、ということです。

震災による直接的ライフライン破壊や生産設備損壊の影響よりも、消費活動の影響のほうが甚大です。

例えば友人の大学院準教授によれば、すでに風評被害が始まっているとのこと。それも食料品なのではなく、プラモデルのようなものについて、です。

http://ameblo.jp/fudosany/entry-10831781269.html

もちろん、食料品についてはすでに東北産が流通していないという状況もありますし、意外なところでは中国で塩が爆発的に売れているということなどもあります。例えば青島でも、3月26日1日の塩の販売で一財産築いた人もいるとか。

http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/disaster/2791206/6971192

これも塩が売れた、ということではなく、それだけ放射線被害に対する意識が強いということです。

また、日本に対する海外からの観光客も減少、というかまあ壊滅的に激減しています。

いまだにメディアにほとんど顔を出さない東京電力経営層に恨み言のひとつもいいたくなりますが、彼らも被災者の一人といえます。

たまたま東京電力福島第一原発張り付いていた東京電力の技術者の友人がいます。

現地ではすでに被爆うんぬんよりもなんとか復旧させるために、必死の努力が続いているそうです。

津波を受けたその直後から缶詰状態で、一日ビスケット3枚とわずかなペットボトルの水だけで復旧に努めてきたそうです。

彼の奥さんは夫のことを心配しすぎてぼろぼろです。

やがて彼らの、文字通り命がけの活躍で事態は沈静化するでしょう。

災害地にいない私たちは、その後の日本を再生させるために何ができるか考えなければいけません。

そのために、一社一社の企業がどのように成長するか、あらためて成長戦略が求められるのではないでしょうか。

 

 

平康慶浩(ひらやすよしひろ)