あしたの人事の話をしよう

人事コンサルタント 平康慶浩(ひらやすよしひろ)のブログです。これからの人事の仕組みについて提言したり、人事の仕組みを作る立場から見た、仕組みの乗りこなし方を書いています。

まじめな話と、雑感(よしなしごと)とがまじっているので、 カテゴリー別に読んでいただいた方が良いかもしれません。 検索エンジンから来られた方で、目当ての記事が見当たらない場合 左下の検索窓をご活用ください。

企業価値は誰のもの?

企業価値は誰のものか?

なんてことを、30代前半の頃はよく考えていました。

結論がわかっていても、その結論に納得するために考える、といった感じでした。

上場バブルみたいな時期でもありましたし。

最近はそんな馬鹿なことは考えなくなったのですが、やっと自分の中で折り合いがついたのかもしれません。

ただ先日、社会人になってから通った大学院時代のメモファイルがみつかって、懐かしく思い出しました。

私が通ったのは東京の日本橋にある、早稲田大学大学院ファイナンス研究科(NFSとかファイ研とか言われてますね)だったため、組織や人事のことばかり考えていた私にとっては、まったく違う視点からのものの考え方を教えていただき大変勉強になりました。

企業価値ということについても、先生がいろいろと面白い検討例を出してくれました。

例えばこんなんがありましたね。

例題は私なりに改定していますが、最後に頭の体操的な問題をいくつか書いてますので、興味のある方は考えてみてくださいな。

メールでもいただければ、私なりの考え方もご提示させていただきます。

【 企業価値が誰のものかを考えるための例題 】

あるところに、株式会社がありました。

経営者がいますが、経営者自身が出資したのではなく、出資者を募って会社を立ち上げたものです。

出資してくれた人々(株主)に対しては、毎年の利益にかかわらず、出資してくれた金額に応じた配当を定額で支払っていました。

ある年のことです。

MBA留学をさせていた従業員が戻り、新たな事業展開を提案しました。

経営者はその提案を受け、彼を責任者として新規事業を立ち上げました。

そのために必要な資金は、キャッシュフローの範囲でまかないました。

新しい事業展開の結果、なんと会社の業績は二倍になりました。

すると出資者たちがやってきてこう言いました。

増えた分の利益は出資者のものだから、配当としてそれを全部渡しなさい。

経営者は仕方なく出資者の言うとおりに、最低限の内部留保を残して、利益を出資者に還元しました。

しかし、MBA留学から戻って新規事業を立ち上げた従業員は、その事実にばかばかしくなってしまいました。

それからしばらくしてこの従業員は会社をやめて独立しました。

この従業員が、事業展開のノウハウもすべて持っていってしまったため、元の会社の売り上げは、また最初の金額に戻ってしまいました。

さて問題です。

問題1:この出資者の要求に対して、なぜ経営者は同意したのでしょう?

    (ヒント)それは彼にとってどんな効用を生み出したのでしょうか?

問題2:新規事業を立ち上げた従業員のとった行動は合理的でしょうか?

    (間違っているものの含めたキーワード)機会損失、創業者利益、株主価値、配当性向、無形資産

問題3:利益配当を受けて、その結果新規事業をつぶしてしまった出資者は、損をしたのでしょうか。得をしたのでしょうか?

    (ヒント)NPV、リスク

問題4:出資者と経営者はどのような契約をすれば、もっと得をしたでしょうか?

    (ヒント)契約の束、プリンシパル=エージェント

 

 

平康慶浩(ひらやすよしひろ)