あしたの人事の話をしよう

セレクションアンドバリエーション株式会社 代表取締役 兼 グロービス経営大学院HRM担当准教授の平康慶浩(ひらやすよしひろ)のブログです。これからの人事の仕組みについて提言したり、人事の仕組みを作る立場から見た、仕組みの乗りこなし方を書いています。

まじめな話と、雑感(よしなしごと)とがまじっているので、 カテゴリー別に読んでいただいた方が良いかもしれません。 検索エンジンから来られた方で、目当ての記事が見当たらない場合 左下の検索窓をご活用ください。

震災後の日本企業の成長のために/企業を進化させる具体的な方法

企業の進化、ってなんでしょう。

私たちがそんなことを思うようになったきっかけはいくつかあります。

そのうちの一つに、弊社代表本人にとって親しい人の会社が倒産したことがあります。

もう10年以上前の話です。

倒産のきっかけそのものは売り上げの減少ですが、根本的な原因は環境変化でした。

市場そのものの、あまりに大きな変化ゆえに、そのことを予知できていなかった多くの同種企業が倒産しました。

私たちが状況を知り、こちらからお手伝いさせていただけるようお願いしたのはもうほとんどどうしようもない状況になってからでした。

気丈なその人は、心配をさせまいとその時点まで詳細を教えてくれなかったからです。

そして、私たちは当時も経営コンサルタントでありながら、その会社を助けることができませんでした。

事業計画を見直し、顧客別の営業行動を見直し、人員を整理し、銀行交渉に同行し、経理・総務などの事務処理を引き受け、それでもなお、倒産のその日が来てしまいました。

あれから月日が経ちました。

今の私たちなら、あの会社も救えるかもしれない。

そう考えるようになりました。

ぎりぎりのところで、キャッシュフローをなんとか維持させ、新たな領域・新たな市場・新たな事業で成長を実現させる。

当時の環境変化を生き残った、同じ業種の企業を二社お手伝いしていますが、そこでは今成長戦略の実現に向けてまさに多くの改革を進めています。

今度は、遅きに失することなく、前もって、適切な改革を進めていきます。

ふりかえってみれば、今、日本は未曾有の危機に襲われています。

さすがにどのメディアでもはっきりとは言いませんが、半年後の日本の状態を想像することが難しくなっています。

多くの環境変化はチャンスと捉えることで発想の転換ができますが、今のこの状態をチャンス、と捉えるには不謹慎であるだけでなく精神的葛藤もあり、抵抗感がとても強く感じられます。

だからあえてチャンスとは言いません。

しかし、生き残らなくてはいけない。

そのために、進化のきっかけにしなければいけない。

多くの生物や社会がそうであったように、企業の進化は環境変化によって引き起こされます。

そしてその進化は、生き残るために行うものです。

環境変化に対応するための、企業遺伝子の変化が進化の本質です

私たちがお手伝いする中で、企業の進化を促すために三つの原則を適用します。

今後このブログや、ホームページのトピックページで詳細をご紹介してゆきますが、

環境変化に耐えて生き残りを考えられる企業経営者の皆様はぜひ参考にしていただければと思います。

【 企業を進化させはじめるときの三つの原則 】

1.選ばれた小さい組織から始める

2.会社の辺縁に置く

  具体的には、例えば全社管理ルールの適用対象外とする

3.その組織だけで完結させる

  本当の意味での結果責任と権限を与える

詳細はまた後日。

 

 

平康慶浩(ひらやすよしひろ)