古き良き日本的経営の終焉がくる~定期昇給はどうなるのか
昨年末から経団連の「経営労働政策委員会報告 2013年版」が話題になっています。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL210KN_R20C13A1000000/
「定期昇給の廃止」まで視野に入れた表現は削除されました。
それでも
「制度自体の今日的意義や将来的な持続可能性などについて労使で議論を尽くし、合理的かつ従業員の納得性のあるものへと見直していくべきだ」
という表現は残ったようです。
「うっかり一生年収300万円の会社に入ってしまった君へ」にも書きましたが、日本企業の定期昇給と言う慣習は、世界でもあまり例を見ない、独特のものです。
一言で言えば、定期昇給と言う概念は、戦時中の国家総動員法に基づく賃金統制令から普及しはじめたものだ、ということです。
戦争中の全体主義の必要性から生じた年齢給が、定期昇給の正体です。
そして戦後復興のタイミングでそのまま運用が継続された。
職能等級の仕組みとかも、あくまでも年齢給の割合を低めたものにすぎません。
(もちろん学説としての異論はあります。)
一方世界の「あたりまえ」は職務給です。
同じ仕事をしている限り、給与は一緒。
新しい仕事をまかされたり、権限範囲が広くなったりすると、給与が増える。
そんな、世界の「あたりまえ」の仕組みが今後の日本でも広まっていく。
これは決して変わりません。
では、日本企業の過去を活かしながら、定期昇給に変わる新たな仕組みはどう作ればいいのか。
このあたりについては、人事マネジメント3月号(http://www.busi-pub.com/)に、HRショートメッセージとして書かせていただきます。
平康慶浩(ひらやすよしひろ)