あしたの人事の話をしよう

人事コンサルタント 平康慶浩(ひらやすよしひろ)のブログです。これからの人事の仕組みについて提言したり、人事の仕組みを作る立場から見た、仕組みの乗りこなし方を書いています。

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宝くじの売れ行きからわかる、今年の景気動向

ふと興味を持って、宝くじの構造を調べました。
ソースは、総務省の宝くじ活性化検討会報告書(平成23年)です。

年間の売上高は約1兆円前後

へー、こんなに売れてるんだ、って思ったわけです。

じゃ、どれくらいが当選金として、買った人に戻っているのか。

そのうちの約46%。1兆円だったら4600億円です。
宝くじは最悪のギャンブルだ、ということがよくわかります。

テレビでじゃんじゃん流れている広告費用が約3%で300億円。
印刷費用が4.5%で450億円。
宝くじ売り場の人の人件費が7.5%で750億円。
あとは地方公共団体の収益として計上されます。約39%なので3900億円ですね。

1兆円の売り上げの内、宝くじ別の割合でいうと、48.5%がジャンボです。
次はナンバーズやロトなどの数字選択くじ。40%です。
残る11.5%がもろもろのくじです。

宝くじを買っている人の、年間購入額は、最近減っているけど、だいたい年間3万円。
平均個人年収が437万円(平成19年)から406万円(平成21年)にまで減った結果、宝くじ購入平均額も大きく減っているようです。

興味深いのがこんなグラフでした。
宝くじ 

このグラフだけ見ると、年収と宝くじはあんまし相関しないんだな、と思いますよね。
相関係数0.850というのは、高い有意性は持っているけれども、見た目的にはまあそんなもんかな、くらい。

でも実は、このグラフの青線=宝くじの売上額と、とても高い相関性を持つ数字があります。
これは総務省の報告書では分析されなかったようですが、ちょっと考えてみればわかるものです。

まずグラフだけ載せてみましょう。
所定内給与 
(とあるデータをもとに平康作成)

 上の青いグラフとかなり一致することがわかります。
相関係数でいうと0.95です。

これ、実は「所定内給与の推移」という厚生労働省が発表しているデータです。
宝くじグラフと同じように、昭和54年~平成21年で出してみました。

所定内給与というのは、わかりやすくいえば、残業代を含めない、月給のことです。

だからグラフから単純に読み取れる仮説は、こうなります。

「月給が増えるにつれて、宝くじを買う人や買う金額が増える」

これは逆にこうも言えます。

「賞与が増えても、宝くじを買う傾向にはあまり影響しない」

これは、宝くじ購入が刹那的な衝動によるものだと考えられます。
年間の教養娯楽費などは年収に比例しやすいのですが、宝くじはなぜか上記のようなデータになる。

同じように、刹那的な動機で消費されるものに
「レジャー」
「外食」
があります。

今年度はアベノミクスによる賃金改善が志向されていますが、多くの企業は賞与ベースでの対応を考えています。
来年の2014年には月例給与への影響も出てくる可能性がありますが、逆に言えば、今年は月給が増えない、ということでもあります。

景気が回復したな、とみんなが思う時はどんなときでしょう?

私はそれを、「ムダ金を使っているな」と後悔せずに思える時だと考えています。
そしてムダ金を使う頻度は、月例給与に比例する。

庶民が感じられる景気回復はまだ遠そうです。



平康慶浩(ひらやすよしひろ)