あしたの人事の話をしよう

人事コンサルタント 平康慶浩(ひらやすよしひろ)のブログです。これからの人事の仕組みについて提言したり、人事の仕組みを作る立場から見た、仕組みの乗りこなし方を書いています。

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育休支援よりも、多様な働き方を認める取り組みをはじめよう

雑誌インタビューを受けた関係から派生して、というかまあ思考が拡散して、ぽちぽちとネットを散歩していました。そしたら面白いグラフがあったのですが、少々古い。
まあ、既存の公開されているグラフをいじっても面白くないので、その元データにまで行ってみました。そしたら最新データがありました。平成22年版ですが、次の調査は平成27年らしいので、しばらくは最新と言えるでしょう。

さらにはおんなじ切り口で分析してもしょうがないかな、と思い、データを見ながらいろいろと考えてみました。
その結果がこちらです。


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現在一人以上子供がいる女性について、学校を卒業した時点から始まって、結婚を決めた時点、結婚直後、そして現在(結婚してから15~19年経過)の就業状況を調べたグラフです。
元ネタは厚生労働省の出生動向基本調査ですが、そのまま上記のグラフが出てくるわけではなくて、少々いじっています。

いろいろな読み方ができますが、ひとつにはこんな風に読めます。

結婚して子供が生まれたら女性の約80%は正社員じゃなくなる

この読み方、実は間違いです。
母数はそれほど増えませんが、結婚して出産していない女性を含めたデータがこちら。

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ほとんど変りません。(母数は312人しか増えてませんが……)

つまり
結婚した女性の約80%は正社員じゃなくなる(いられなくなる?)

が正しい。

さらに結婚直後と現在とで比較すれば、
パートアルバイト・派遣などで職を得る割合は2.75倍に増えています

つまり、結婚した女性が働きたくないわけではない。
(あるいは、働かなくてもよいわけではない?)
しかし正社員としての職場がないから、仕方なく、パートや派遣で職を得ている、という可能性が読み取れます。

これらを解消するためには、やっぱり企業側の変革が必要です。
単純なところで言えば、ちゃんと夫婦の時間を持てる働き方をあたりまえにする、というところからの変革です。
終了時間がはっきりしない会議、漠然と残業し続ける雰囲気、などなどが解消されて、せめて定時+1時間程度で帰ることが当たり前の働き方にならなければいけないわけです。

また、気軽に転勤させることができる状況もおかしい。
今地域を限定した「準正社員」としての雇い方などが官邸で議論されているようですが、そもそも転勤を当たり前に指示できる、企業側の甘えの方が問題だと考えるべきなんですよね。
どうせつくるなら、転勤や異動を自由に指示できる「特別正社員」のような仕組みを作ったほうがいい。そして今の給与水準プラスアルファで彼らを処遇する、という考え方です。

もちろん総額人件費の問題がありますが、そこは生産性の向上でカバーする。

正社員として働けなくなる労働者側の状況を改善してあげよう

ではなくて

今の正社員のあり方を根本的に変えよう

と言う方が国の方向性としては夢があると思うんですけどどうでしょう。


 

 

平康慶浩(ひらやすよしひろ)