目標管理制度の実体調査(3)
このページをご覧いただき、ありがとうございます。
セレクションアンドバリエーションの平康慶浩です。
前回と前々回記事はこちらです。
複数テーマを飛び飛びで書いていると、順序がわかりづらくなりますね。申し訳ないです。
さて目標管理制度についてのアンケート結果、最終回です。
目標管理シートに自己評価欄があるかどうか、と言うことについて聞いてみました。
結果、無回答を除くと100%、自己評価欄があル、と言う回答でした。
実はこの自己評価、別の問題を生じさせるのですが。
それは評価のアンカリングです。
その話はまたいずれ。
目標管理と言う仕組みは、目標に対する達成度を評価する仕組みとして設計されてきました。
そんな中、目標達成のための取り組みを評価しよう、という動きもありました。
それがアクションプランに対する評価です。
アンケートの結果、4社に3社がアクションプランを評価します。
一方で評価しない、あるいはそもそも書かない企業も4社に1社存在します。
最後に、評価結果のフィードバックですが、82%の企業でフィードバックがされています。
第1回から今回の第3回までのアンケート結果から、典型的な目標管理制度の運用状態を類推できます。
目標管理制度は2007年以前に導入
評価結果は、昇給、賞与、昇進などに複合的に反映している。
評価シートはA3サイズで1枚から複数枚使う
目標は定量と定性目標をバランスさせていて
組織目標との連動性を確保している
自己評価を実施したうえで
アクションプランについての評価も行う
そして本人に対して結果をフィードバックしている
教科書通りのしっかりとした運用がされている、ということがわかります。
ただ、あえてこの状態に一石を投じるとするならば、
「企業や事業の目標に対してみんなの行動を集中させる仕組み」
になっているかどうか。
目標管理制度とは「目標をたてて、その達成度を評価して、処遇に反映する」仕組みとして使われることが多いのですが、それは本来の目的ではありません。
あるべき目標管理制度では、事業目標の達成が第一の目的であり、次に自己管理による成長が第二の目的です。
目標管理制度はしっかりと運用しているんだけれど、どこかうまくいっていない気がする。
あるいは改善を考えたい、という企業では、目標管理の本来の目的に立ち戻って検討することをお勧めします。
平康慶浩(ひらやすよしひろ)