「サラリーマンは負け組」という意見に反論してみる
ノマド礼賛とか、経営者じゃない時点で負け組だとか。
そんな意見がネットでたくさん見られるようになりました。
私自身一応起業しているし、わりと自由に生きているので、その意見をおっしゃる方の気持ちがわからなくもないです。
ただ、ちょっとだけ反論してみます。
(本当はちゃんと書かなければいけない文章があるのですが、推敲を繰り返していて頭が煮詰まったので、こんな文章を書く、ということは内緒です)
ノマドを礼賛する人や、経営者になろう、と語る人は、一言でいえばサラリーマンは負け組だ、とおっしゃっているわけですよね。
でもね。
サラリーマンは負け組ではないです。
フリーランサーや起業家が勝ち組なのか、といえば違います。
まず大前提として、理解しなければいけないことがあります。
サラリーマンを否定したら、企業は弱くなります。
企業が弱くなると、地域社会が弱くなります。
地域社会が弱くなると、国家も弱くなります。
資本主義における個人の行動とはブラウン運動のようなもので、どんどん拡散してゆきます。
自由を認められているから、どんどん個人が自由に行動する。
ちなみに、旅行するとか引っ越すとかの移動の自由すら、近世にようやく認められたものであって、中世以前にはそんなものはありえなかったわけです。
で、ノマド(フリーランス化)だとか、個人起業だとかはその延長にあります。
もちろん、資本主義社会に生きる誰しもが自由を求めます。
その結果として、サラリーマンであるよりは、自由な生き方を求めて模索を繰り返します。
現代風の選択肢のひとつがノマドであったり、あるいは個人起業であったりもします。
ネットをうろちょろすれば、情報起業的な人のブログが星の数ほど見つかりますよね。
それも、個人起業の一環だと考えます。
で、その結果何が起きるか。
組織が弱くなります。
大事なことだから二回言いますね。
誰しもがフリーランスを目指したり、個人起業を目指すと、組織の力が弱くなります。
フリーランスを数年やってみればわかりますが、個人の力には限界があります。
じゃあ誰かとパートナーシップを組んで、と思うかもしれませんが、それは綺麗ごとであって、複数の人が集まれば序列が生まれます。
その序列に存在する人が、「いやいつでも俺はフリーだし」と思っていたらどうなるでしょう。
せっかくパートナーシップを組んでも、その目的が達成できなくなります。
フリーランスになる前にそれぞれの人が属していた組織と同じ現象が起きるわけです。
そして、フリーランサーはやがて、サラリーマンの集合体である組織に負けることになります。
今は良くても、必ず負けます。
この状態を解消するには、フリーランサーは組織を作るしかありません。
その際に、自分が嫌気を感じて脱出してきた組織の模倣をすることが大半です。
私は人事の仕組みを作る仕事をしていますが、そこで見てきたことは、ほぼ100%の独立経営者が、かつて自分が所属していた組織の人事制度を模倣する姿です。
自分が嫌気を感じた組織の仕組みを、もう一度自分が頂点となって作っているのです。
するとやはり、そこには元と同じような組織が生まれます。
そこにノウハウとか経験が蓄積される前に、どんどんと優秀な人が独立したらどうなるでしょう。
組織はやがて崩壊します。
そして、優秀な個人がフリーランサーとなります。
そしてフリーランサーはやがてまた組織を作ります。
決して強くなれない、弱い組織を。
大事なことは、組織を強くすることなのです。
そして、組織の一員であるサラリーマンは、決して負け組ではありません。
組織を強くすることができる、当たり前のようでいて当たり前でない存在がサラリーマンなのです。
だから、組織を飛び出すことを考えるよりも、組織の中でしかできないことを楽しめるように、組織階層をあがっていく=昇進するとか、あるいは面白い仕事ができるような立場を目指すことの方が、よほどチャレンジングで面白いのではないかと思います。
平康慶浩
(ひらやすよしひろ)
そんな意見がネットでたくさん見られるようになりました。
私自身一応起業しているし、わりと自由に生きているので、その意見をおっしゃる方の気持ちがわからなくもないです。
ただ、ちょっとだけ反論してみます。
(本当はちゃんと書かなければいけない文章があるのですが、推敲を繰り返していて頭が煮詰まったので、こんな文章を書く、ということは内緒です)
ノマドを礼賛する人や、経営者になろう、と語る人は、一言でいえばサラリーマンは負け組だ、とおっしゃっているわけですよね。
でもね。
サラリーマンは負け組ではないです。
フリーランサーや起業家が勝ち組なのか、といえば違います。
まず大前提として、理解しなければいけないことがあります。
サラリーマンを否定したら、企業は弱くなります。
企業が弱くなると、地域社会が弱くなります。
地域社会が弱くなると、国家も弱くなります。
資本主義における個人の行動とはブラウン運動のようなもので、どんどん拡散してゆきます。
自由を認められているから、どんどん個人が自由に行動する。
ちなみに、旅行するとか引っ越すとかの移動の自由すら、近世にようやく認められたものであって、中世以前にはそんなものはありえなかったわけです。
で、ノマド(フリーランス化)だとか、個人起業だとかはその延長にあります。
もちろん、資本主義社会に生きる誰しもが自由を求めます。
その結果として、サラリーマンであるよりは、自由な生き方を求めて模索を繰り返します。
現代風の選択肢のひとつがノマドであったり、あるいは個人起業であったりもします。
ネットをうろちょろすれば、情報起業的な人のブログが星の数ほど見つかりますよね。
それも、個人起業の一環だと考えます。
で、その結果何が起きるか。
組織が弱くなります。
大事なことだから二回言いますね。
誰しもがフリーランスを目指したり、個人起業を目指すと、組織の力が弱くなります。
フリーランスを数年やってみればわかりますが、個人の力には限界があります。
じゃあ誰かとパートナーシップを組んで、と思うかもしれませんが、それは綺麗ごとであって、複数の人が集まれば序列が生まれます。
その序列に存在する人が、「いやいつでも俺はフリーだし」と思っていたらどうなるでしょう。
せっかくパートナーシップを組んでも、その目的が達成できなくなります。
フリーランスになる前にそれぞれの人が属していた組織と同じ現象が起きるわけです。
そして、フリーランサーはやがて、サラリーマンの集合体である組織に負けることになります。
今は良くても、必ず負けます。
この状態を解消するには、フリーランサーは組織を作るしかありません。
その際に、自分が嫌気を感じて脱出してきた組織の模倣をすることが大半です。
私は人事の仕組みを作る仕事をしていますが、そこで見てきたことは、ほぼ100%の独立経営者が、かつて自分が所属していた組織の人事制度を模倣する姿です。
自分が嫌気を感じた組織の仕組みを、もう一度自分が頂点となって作っているのです。
するとやはり、そこには元と同じような組織が生まれます。
そこにノウハウとか経験が蓄積される前に、どんどんと優秀な人が独立したらどうなるでしょう。
組織はやがて崩壊します。
そして、優秀な個人がフリーランサーとなります。
そしてフリーランサーはやがてまた組織を作ります。
決して強くなれない、弱い組織を。
大事なことは、組織を強くすることなのです。
そして、組織の一員であるサラリーマンは、決して負け組ではありません。
組織を強くすることができる、当たり前のようでいて当たり前でない存在がサラリーマンなのです。
だから、組織を飛び出すことを考えるよりも、組織の中でしかできないことを楽しめるように、組織階層をあがっていく=昇進するとか、あるいは面白い仕事ができるような立場を目指すことの方が、よほどチャレンジングで面白いのではないかと思います。
平康慶浩
(ひらやすよしひろ)