あしたの人事の話をしよう

セレクションアンドバリエーション株式会社 代表取締役 兼 グロービス経営大学院HRM担当准教授の平康慶浩(ひらやすよしひろ)のブログです。これからの人事の仕組みについて提言したり、人事の仕組みを作る立場から見た、仕組みの乗りこなし方を書いています。

まじめな話と、雑感(よしなしごと)とがまじっているので、 カテゴリー別に読んでいただいた方が良いかもしれません。 検索エンジンから来られた方で、目当ての記事が見当たらない場合 左下の検索窓をご活用ください。

あなたが朝起きる時間を決めているルールがあるって知っていますか?

今回の記事はクイズから。

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あなたの一生の大半をしばっているルールをご存じでしょうか

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私は会社のルールとしての人事制度、やわらかく言えば「人事の仕組み」が変わっている、ということをいつも書いています。
毎年給与が増える「年功昇給」や、解雇が難しい「終身雇用」があたりまえ、という仕組みが「旧い人事の仕組み」です。
しかし、「新しい人事の仕組み」では、給与は10年間据え置きということもあるし、今日いきなり首になるかもしれない。

20年位前から進んでいる「旧」から「新」への移行ですが、もう「変革のしきい値」を過ぎたかなという気がしています。

しきい値」というのはただの基準なんですが、「変革のしきい値」を横文字でいうと「ターニングポイント」になります。
そこを超えるともう後戻りができない基準を指していますが、人事の仕組みの変革も、もう後戻りできないところまで来ていると実感します。
もしあなたが大手企業で働いていたり、IT系などの先進企業で働いているのなら、私が書いている内容について「あたりまえだ」と思われることでしょう。
その「あたりまえだ」と思う人が、大企業や先進企業では大多数となり、中小企業にも波及して一定割合がそうなった状態。それが今だと感じています。

この「変革のしきい値」を超えた現在、強く感じることがあります。

それは、変わったことを頭で理解していても、身体、というか心で理解することが難しい人が多いのだなぁ、ということです。

考えてみれば、人事制度=人事の仕組み、ほど、重要な割に理解されていない仕組みはありません
どれくらい重要かと言えば、人生の50%から80%近くの生活を左右するほどです

22歳で大学を卒業して65歳まで働く43年間、会社で働く限り「人事の仕組み」があなたの生活を左右します
給与の増え方賞与の決まり方だけではありません。
あなたが朝起きる時間朝食にかけられる時間昼食の自由度夕食の場所と時間は、会社で働く限り、「人事の仕組み」で決められてしまいます。
子供を何人もてるかという経済的な側面だけでなく、出産の場に夫婦で立ち会えるかどうか。
子育ての時間子供との関係性は休日と深く関係します。
交友関係は自然と会社の同僚を主体としたものになります。そこにどんな人たちが集まるかを決めるのは、採用のルールです。
社外との交流においても、休日の問題や、担当する仕事の内容は関係してきます。

なのに、就業規則や賃金テーブル、評価規定を熟読して理解している人は極めて少数です。

なんとなくわかっている

そう感じているからこそ、人事の仕組みをあえて読み解かない人が多い。
でも、その「なんとなくわかっている」仕組みが変わっています。
もともと「なんとなく」しかわかっていないものが変わったとき、それが自分の人生にどのように関わってくるのか、どこまで理解できるものでしょうか

これから合間をみて、「人事の仕組みと●●」と題して、「旧い人事の仕組み」がどういうもので、それがどんな「新しい人事の仕組み」になっているのかを解きほぐしてみようと思います

予定としては以下のようなタイトルを考えています。
もし読みたいものがあれば、メッセージでもいただければ、そのメッセージが多い順に優先できるようにします。
読みたいタイトル案でも結構です。

「人事の仕組みと『食事』」
「人事の仕組みと『休日』」
「人事の仕組みと『服装』」
「人事の仕組みと『住居』」
「人事の仕組みと『お金』」
「人事の仕組みと『仲間』」
「人事の仕組みと『欲望』」
「人事の仕組みと『恋愛』」
「人事の仕組みと『愛する人』」
「人事の仕組みと『あなたの過去
「人事の仕組みと『自由な生き方』」


平康慶浩
(ひらやすよしひろ)