自分の売り方を考える時代
自己啓発本がたくさんありますが(私も書きましたが)、それって結局、自分の売り方を考えましょうね、ということを書いているわけです。
売り方
である以上
買ってくれる人
がいるわけです。
「自分」を売買する市場の事を「労働市場」と言ったりするのですが、そもそも論でいえば、あなたは売り買いされたいのか?ということにもなります。
で、売り買いされたくなければ、どうすればいいのか。
それは簡単なことで、自給自足の生活を送ればいいわけです。
自給自足の本質を一言でいえば、通貨からはなれることです。
通貨を用いる限り、世の中のルールに縛られます。
世の中のルールは他人が作ったものであり、それに縛られるということは、その中で生きるすべを見つけなければいけません。でもそれはとても難しい。
だから一番手っ取り早い方法=自分を売る、ことで人は生活するわけです。
私は結構しつこく通貨とは何か?金利とは何か?と言うことをこのブログで書いていますが、それはふたつのきっかけによります。
第一に、人事のコンサルタントとして活動する中で、どうしてもお金とはなにか?と言うことを考えざるを得なかったこと。
第二に、第一の疑問を解消するために入った早稲田大学大学院ファイナンス研究科で出会った金融のプロたちが、ほぼ全員、通貨とは信用である、ということを当たり前のように語っていたことです。
第二のポイントは当たり前のようで、当時の私にとってはショックでした。
なぜなら、通貨、と言うものを疑うなんて思いもしなかったからです。
でも、金融のプロたちは、通貨をかけらも信じていませんでした。ただそこに信用の裏付けがあるから流通しているだけのもの、という説明を、何度も何度もされました。
ああ、だからお金を商品として売り買いできるんだな、とも理解しました。
これ、簡単なようでとても理解が難しいです。
日々当たり前に使っているお金を、ただの紙切れとか金属片にすぎない、とまで思えるのは、なかなか勇気が必要です。
でも、そこまで理解できれば、開けて見えるものもあるわけです。
そうして自分の生活にまで立ち戻ってみれば、自給自足の人生を選ばないのであれば、やはり通貨の呪縛の中で生活せざるを得ません。
そして一番通貨に替えやすいもの。それが自分の労働力なわけです。
売るものがそれだけなのであれば、なるべく高く買ってほしい。
なるほど、自己啓発本が売れるわけです。
ただ、自分の労働力を買ってもらう以上、相手を気にしなくてはいけません。
採用を目指すのなら、採用担当者。
昇給を目指すのなら、上司。
賞与なりの利益配分を目指すのであれば、経営層。
いずれにせよ、限りある自分の労働力を売る以上、その効率を考える必要があります。
先日、とある方から面白い企画をいただきました。
昨年出した本よりも、もう少し実用的な内容で、具体的な労働力の売り方をご紹介できる機会をいただけそうです。
平康慶浩(ひらやすよしひろ)