月給100万円を目指す方法(2)
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2013年10月30日に書いた記事の続きです。
前回記事はこちら。
月給100万円を目指す方法(1)
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最初に、このグラフはなんの利率をあらわしているかわかりますか?
年齢が横軸にありますが、51歳でマイナスに転じています。
この利率を計算した元データは、平成24年賃金構造基本統計調査です。
ちょっといじっていろいろ計算して、この数式が出てきました。
(数式自体は線形近似で出しているので、本来はもう少しでこぼこしています。)
この利率。
実は1000人以上の会社における、サラリーマンの給与が増える率をあらわしています。
若いころはたくさん増えていくけれど、年を取るとどんどん増え方が減ってゆき、51歳を超えると平均的に下がり始めるということです。
もとの賃金カーブはこれです。
なんとなく見覚えがある人もいるでしょう。
この利率を平均すると、年間1.9%です。
つまり、1000人以上の会社に勤めるサラリーマンの給与を金融資産だと考えると、運用利率1.9%だということです。
この単純化したモデルから、いろいろなことが仮定できます。
キャッチーな言葉でおきかえてみるとこんな感じ。
メッセージ1
「あなたの生涯所得は1年目の年収の58倍」
メッセージ2
「20代で差をつければ勝てる!」
とか、まあいろいろと。
で、前回の記事の最後に、45歳で年収1500万円を目指すにはどうすればいいか、と言うことを書いて終わっていたので、その続きです。
上記の利率のグラフですが、45歳までで限定すると、もう少し利率が良くなります。
同じデータをもとにすると、3.4%ずつ給与が増えてゆく計算です。
利率で計算すると、この時の年収は712万円。実際のデータ平均では760万円です。
これを1500万円にするためには、どれくらいの利率が必要でしょうか。
賞与が年間3か月出るとして、年収は給与の15か月相当で見ます。
すると、以下のようになります。
利率3.4% 712万円
利率5.1% 1036万円
利率6.9% 1531万円
増え方を倍にすれば、45歳で1500万円達成です。
普通の利率よりも、3.5%、金利を上積みすれば1500万円達成です。
この3.5%をどう積むべきか、なんですが、もし人を会社のような「資本」の集まりだと考えるなら、代表的な方法があります。
それは、投資をすることです。
会社で考えてみると、翌年の売上を増やすためには、今年の売上から一定の割合で投資をしなければいけません。その分だけ、売上の成長が期待できます。
人に置き換えてみると、年収のうち、一定割合で自分に投資をすればいいわけです。
その割合が年収の3.5%。
年収300万円だったら10万5千円。
年収500万円だったら17万5千円。
そうすれば翌年、それだけの収入を増やせる期待が高まる、という理屈です。
この考え方、実は「人的資本」というまじめな経済学の理論です。
高校を卒業した人よりも、大学を卒業した人の方が給与が高い。大学院だともっと高い。
毎日、本を読んで勉強している人の方が、読んでいない人よりも給与が増えやすい。
学校に通って資格を取った人の方が、資格のない人よりも給与が高い。
そんな自分への投資をしないかぎり、給与が増えるのは運任せになる、ということです。
もちろん、自分への投資はお金だけでなくて、時間もあります。
本当なら給与をもらえるはずの時間を、勉強に費やすことも十分な投資です。
とりあえず今回は、自分への投資なくして給与は増やせない、と言うことを結論にします。
次に書くときには、年収1500万円をもらえる仕事にどんなものがあるのか、そのあたりの実例から、自分への投資方法を書いてみたいと思います。
余談
上記に「資格」を自己投資として書いたんですが、実は転職をする場合には、資格はプラスにならない、という統計結果も出ていたりします。
資格を持っていると書類審査は通りやすくなるのだけれど、なぜか面接では落ちやすくなる、という結果です。
つまり、資格を取ってキャリアアップ転職!、というのはとてもとても難しいということなんですが、それもまたいずれ。
平康慶浩(ひらやすよしひろ)