あしたの人事の話をしよう

セレクションアンドバリエーション株式会社 代表取締役 兼 グロービス経営大学院HRM担当准教授の平康慶浩(ひらやすよしひろ)のブログです。これからの人事の仕組みについて提言したり、人事の仕組みを作る立場から見た、仕組みの乗りこなし方を書いています。

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人事評価制度を設計するための実務本を書きました

意外と多くの会社で、自力で人事評価制度をつくっておられます。多くの中小企業と、あと大企業でも多いようです。

中小企業だと、「わざわざ人事コンサルタントに頼むほどでもない」とか「誰に頼めばよいかわからない」「何のために総務とか人事とかがいるんだ」という理由から、自力で作ることが多いようです。

また、大企業の場合だと社内に優秀な人材が数多くいるので、「社内の人事部を育てる」とか「人事部に任せておけば大丈夫」という考えから自力で作るようです。最近お手伝いしている大企業でも、人事評価制度の根幹部分(等級制度、報酬制度、評価制度)については弊社に依頼されましたが、定年再雇用の制度やパートタイマーの制度などは、根幹部分の制度をアレンジして自力で作られました。

 

で、そんな時に、人事部がマニュアルとして使える本があればいいんじゃないかなぁ、と思っていたところ。明日香出版から「うちで書いてみませんか?」というお誘いをいただきまして、2月14日に無事発売されました。

 

7日で作る新・人事考課」という本です。

 

7日で作る新・人事考課 CD-ROM付 (Asuka business & language book)

7日で作る新・人事考課 CD-ROM付 (Asuka business & language book)

 

 添付しているCD-ROMの中のエクセルファイルやワードファイル、パワーポイントのファイルを使えば、本当に自力で人事評価制度を作り上げることができます

 

この本を書くときに気を付けたことは2点あります。

 

第一に、本当に使えるマニュアル本にすること。

だからサンプルとしてのさまざまなファイルは本気のものを入れています。

また、各項目を講義編と実務編にわけて、実務編だけ読んでも使えるようにこころがけました。

あるいは、評価制度だけ、とか報酬制度だけ、という使い方もできるようにしました。

 

第二に、今風の人事評価制度を作る本にすること。

そこで職能型とや役割型とかではなく、ハイブリッド型という人事評価制度のつくり方を説明しました。

ハイブリッド型人事評価制度というとなじみが薄いかもしれませんが、ヤマト運輸第一三共製薬など、多くの大企業で導入されています。

具体的には、コンピテンシーと職務、それぞれを等級に変えて、併用しながら人財を活性化させて成果に結びつける仕組み。

世界最大級の人事コンサルティング会社のひとつ、ヒューイットアソシエイツ(現在はエーオン・ヒューイット)の元日本社長で現在多摩大教授兼HRビジネスパートナー代表の舞田竜宣さんもお勧めされている仕組みです。

 

で、実はこの本の使い方はもう一つあります

 

ハイブリッド型の人事評価制度を作る方法を紹介しているということはですね……

 

実は、コンピテンシー評価制度だけ、とか、職務等級制度(ジョブグレード)だけ、をつくるマニュアルとしても使えてしまうんですね

 

添付ファイルとして用意している「行動評価指標一覧」は、要は「コンピテンシーディクショナリ」です。(人事部門の方ならわかりますよね。)

これを出した時、明日香出版の編集の方から「これ、掲載しても構わないんですか?ノウハウの塊じゃないんでしょうか」とも言われました。

 

行動等級定義(コンピテンシーディクショナリ)をサンプル画像で掲載してみるとこんな感じです。

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また、「職務測定票」はジョブグレードを測定するための具体的指標であり、公開されているものは皆無です。これを掲載してしまっています。

 

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編集部につけていただいたキャッチコピー

「CD-ROMだけでも数百万円分の人事コンサルの価値があります!」

<一例>現在の社員データをコピー&ペーストし、自社に合った数値を入力するだけで、ハイブリッド型の人事考課制度の報酬シミュレーションができるシート

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というのはかなりマジです。

 

 

ぜひ書店にて手に取ってみてください

 

 

平康慶浩(ひらやすよしひろ)