【4-2】まず新人からはじめよう
■ 新人の自己紹介よりも、人事が新人紹介をする
最初の答えは,新人情報の可視化だ。
それも社内報に掲載されるような自己紹介などではない。
人事の目線で,どんなスキルを持ち,どんな行動をし,中途採用者であればどんな成果を出してきた人物なのかを具体的に示すことだ。
人事が彼らを紹介することがポイントなのだ。
採用した当初,新人に対して興味があるのは採用した部門だけだ。
でも,他の部門は単に新人を採用したことを知らないだけ,ということもある。
知っていれば興味がないわけがない。
もちろん経営層もそうだ。
採用の最終判断をしたといっても,働き具合までは知らない。
興味はあるが,いちいち気にかけていられない。
そこで,人事部門が可視化するのだ。ポイントは以下の3 つ。
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1.目指すキャリア
新人が、何を目指してこの会社に入ってきたのか。
せっかく面談でいろいろと聞いているのだ。そこでアピールされた内容の一部でもいいので、紹介してみよう。
2.過去の実績
人事部には職務経歴書があるはずだ。
その中でも、採用にいたったポイントとなる実績を紹介しよう。
3.現在の職務と状況
最初に配属された部署では何をしてもらう予定なのかを紹介しよう。
新卒の新人ならそれほど重要ではないけれど、中途採用ならそこには期待感があるはずだから。
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これらの中で特に軽んじられやすいのが1 番の「目指すキャリア」だ。
若者の夢物語,あるいは社内を知らない中途採用者の意気込み,と断言することは誰にでもできる。
だからこそ人事部門は彼らの良い点を探したい。
また,現在の職務と状況も見えづらい。
正直なところ,新人を受け入れる現場は,歓迎30%,様子見40%,反感30%というところであり,公正な評価ができるのは人事部門しかない。
社内の掲示板などに、新卒や中途採用の自己紹介を書いてもらう取り組みは多い。
それだと、彼ら自身の良い点をアピールしきれない。
人事部門だからこそ、採用した新人たちの良い点を紹介しよう。
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平康慶浩(ひらやすよしひろ)
※当ブログ記事は、平康慶浩が月刊人事マネジメントで2013年9月~2014年2月にかけて連載していた「経営ブレインへの転換を図る5つの人事機能」から転載しています。