あしたの人事の話をしよう

人事コンサルタント 平康慶浩(ひらやすよしひろ)のブログです。これからの人事の仕組みについて提言したり、人事の仕組みを作る立場から見た、仕組みの乗りこなし方を書いています。

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40才新人採用の仕組みなんてどうでしょう

女性の働き方とか(個人目線)、女性活用の方法とか(会社目線)をわかりやすく整理してほしい、という依頼を受けたのでいろいろと考えている。

そんな中、どこの会社でも使えそうな施策を思いついたので紹介してみる。

題して、「40才新人採用制度」だ。

女性活用、で考えていたけれど、よく考えてみれば、NEETとかフリーターとかにも適用できるんじゃないか。

 

メリットはいくつかある。

 

 

■ 40才新人採用のメリット

 

メリット1:ライフイベントが減る年代なので安定的に教育できる(会社の目線)

 

女性に関して言えば、40才以上で出産する割合は、出産した人の中で25%前後だ(2014年厚生労働省発表データによる)。

言い換えると、出産する女性の75%は40才までに子どもを産んでいる。

ちなみに30才までだと37%くらい。実は30代での出産割合が一番多くなっているのだよね。

で、会社側の視点からいえば、出産とか育児での休職は、そこまで投資した教育費用が無駄になる、というイメージを持ちやすい。もちろん完全に無駄になるわけではないのだけれど、1年とか2年のブランクがあいてしまうと、やっぱり忘れることも多いし、なによりも周囲との感覚の違いにとまどったりもする。

そういったイベントが減ってくる年代に新しい会社に入り、それから教育を受ければ、継続的に成長することができる。会社も積極的に教育や経験を積ませやすいし、なにより本人の側が成長を実感しやすくなる。

 

もちろん40代と20代とを比べると、人間の知能や体力は40代の方が衰えていることは否めない。しかしそれが実務上特別に問題になるレベルかといえばそうでもない。

問題があるとすればそれなりに人生経験を積んできたというプライドからくる「素直じゃない言動」の方だろう。が、まあこれもちゃんとした心構えがあれば、むしろ新卒よりも問題にはならないだろう。若くても素直じゃない人はたくさんいるしね。

 

 

メリット2:多くを期待されないので働き方を選びやすい(両方の目線)

 

中途採用は即戦力であることを求められるけれど、新人はそうじゃない。

だから、あえて40才「新人」として、多くを期待せずに教育する対象として雇う。

新人であれば3年くらいの成長の猶予期間がある。その間に会社側も個人側も適性を判断できるだろう。

 

 

 

メリット3:抜擢の仕組みとあわせれば再チャレンジが容易になる(個人の目線)

 

転職のリスクのひとつに「会社側が期待していたほど仕事ができない」というものがある。その原因は個人側にも会社側にもあるのだけれど、40才新人として横並びで入るとなると、給与も新入社員としてだし期待も大きくないので、低い評価は受けづらくなる。

一方で、仕事ができるのならさっさと昇進できるようにすれば、無駄な経験を積ませる必要もなくなる。

 

実際僕の友人知人で、転職後に役員になっている人は何人もいるのだけれど、彼らの多くは管理職として転職している。前職で執行役員だったけれど、まず部長から、次長からという転職だ。そして実際に仕事ができる、となれば1年とたたずに役員になったりする。

 

まあ、最初の給与が安い、と言うことは個人にとって大きなリスクになるので、本当に公正な抜擢の仕組みがないと大分つらいかもしれないけれど。

 

 

■ 「年上の部下は使いづらい」という風潮はなくなってきてますよね?

 

最近、クライアント先で上司と部下の年齢逆転をよく見るようになった。

そのことをやりづらい、とする風潮も感じなくなっている。

そりゃ、昔の上司を部下にするとなるとやりにくいだろう。でも違う部署で見ず知らずの人であれば、気に留めることは減っている。

 

スキルで人を処遇し、職務で人を処遇するようになることは、とても納得性が高い公正なものだ。

もちろん、「正社員」として働いてきた人が、40才新人として他業種に転職するとなると、給与も激減するし、プライドも邪魔するかもしれない。

しかし、正社員経験がなかったり、あってもずいぶん前の経験でしかない人だったらどうだろう。

未経験であることをハンデとして感じることなく働ける仕組みが、40才新人採用制度だ

 

40才定年の仕組みもいいんだけれど、40才でハンデなく採用する仕組みの方が、実は機能するんじゃないかと提言してみる。

(今年中にどっかのセミナーで話すかも)

 

なお、厳密に40才にだけチャンスを与えようと言っているわけではなく、例えば、の基準年齢だから誤解のなきよう。別に年齢を問わずチャンスを与える仕組みができるならそれに越したことはない。

けれどまあ、基準はあった方が導入しやすいかもね。

 

 

 

平康慶浩(ひらやすよしひろ)