あなたの代わりはモンゴルやインドにいる
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商品を購入したお客様からの質問やクレームなどを受け付けるコールセンターが、どこにあるのかご存知だろうか。
東京や大阪といった都心にないことは想像がつくだろう。では、日本のどこか田舎にあるのだろうか。
もちろんそういう会社も数多くある。
しかし実はかなりの数が海外にある。そしてこれは決して珍しいことではなくなっている。
あなたがもし大企業に勤めているとすれば、さらに驚くべき事実もご存じかもしれない。
例えば給与計算事務を行なったり、経理入力処理を行っている部署すら、今や国内から海外に移転しつつあるのだ。
もちろん移転に係るコストなどを考えれば、従業員数が数千名以上の企業でないと採算があわないのだが。
しかし今後の海外への事務アウトソーシングが進めば、中小企業向けのサービスが出てこないとも言えない。
IT産業やコンテンツ産業ではその傾向はもっと顕著だ。
今や大規模システムのシステム開発を日本人が行っていることは一般的ではない。
海外のIT企業に発注し、日本からはプロジェクトマネジャーとしてSEやプログラマのマネジメントを行うことが当たり前になっている。オフショア開発と言う手法だ。
だからIT業界では海外移住率が極めて高い。英語が話せるプロジェクトマネジャーは気楽に海外に移住してしまっている。
コンテンツ産業の代表としてはアニメーション作成がある。
もともと低賃金長時間労働として知られていたアニメーション作成だが、製作者の名前が流れるエンディングテロップが日本名だけだということはほとんどなくなっている。
一昔前なら、工場の海外移転による産業空洞化が非難されていた。
その考え方すらもはや古い。箱もの行政的な発想だ。
箱としての建物や設備が海外に設置されなくとも、日本国内の職は失われ、人件費の安い海外に流出していくのだ。
そしてその流出先にいるのは、実は海外に移住したり留学している日本人だったりする。
平康慶浩(ひらやすよしひろ)