あしたの人事の話をしよう

セレクションアンドバリエーション株式会社 代表取締役 兼 グロービス経営大学院HRM担当准教授の平康慶浩(ひらやすよしひろ)のブログです。これからの人事の仕組みについて提言したり、人事の仕組みを作る立場から見た、仕組みの乗りこなし方を書いています。

まじめな話と、雑感(よしなしごと)とがまじっているので、 カテゴリー別に読んでいただいた方が良いかもしれません。 検索エンジンから来られた方で、目当ての記事が見当たらない場合 左下の検索窓をご活用ください。

人事の本質

自分の常識を変えてゆけるか

日経スタイルの今週の記事は、ここ3年ほどの中で吸い上げてきた若者からの意見を反映したものだ。 style.nikkei.com 今経営者の平均年齢は59才を超えた。多分来年は60才を超えるんじゃないだろうか。 今60才くらいの人たちの常識は、いわゆる昭和の常識だ。 …

とんでもない上司がスタンダードだ

日経スタイルの連載記事。今回はとんでも上司への対応方法だ。 style.nikkei.com とんでもない上司というのは実はとても多い。 でも認識を変えてみれば、その理由が見えてくる。 たとえばできる人が出世して上司になる。 すると、できる自分を基準に物事を考…

新卒で入った会社で社長を目指せなくなる時代が来る

大企業側に就職することはゆでがえるを生むかもしれない、という記事を書いた。 style.nikkei.com 「同じ会社で一生活躍しよう」という考え方が今後少数派になるだろう。 それは特に、出世を目指す人の中で顕著になると考えている。 かつては日本企業の経営…

成長のためには、協調より選別(セレクション)を優先する

SMBC経営懇話会の会員向けに、ほぼ毎月、人事に関する無料相談を実施している。 まあ無料といっても経営懇話会の会費(年額5万円~10万円)は必要だし、そもそも経営懇話会にどうやって入れるのかが若干よくわかっていない。 入りたい企業はとりあえ…

「高度人材」というキーワードのむずかしさ

今日も日経スタイルの連載記事がアップされた。 style.nikkei.com こうして多くの人の目に触れる記事を書いていて思うのは、キーワードの難しさだ。 今回の記事は、「高度人材」と「企業戦士」とを対比させている。 そのどちらがより優れている、ということ…

僕自身のキャリアもそろそろ見直す時期に来ている

日経スタイルの記事が更新された。 一応、これが年内最後だ。年明けは1月9日かららしい。 style.nikkei.com ざっくり要点を言えば、一生同じ会社に勤務するにしても、転職を繰り返すにしても、5年から10年おきくらいでキャリアの転換を考えた方が良い、…

人材の二極化が進む会社

以前お手伝いしていた会社の人事責任者が変わられたということで、久しぶりに顔を出してきた。 そして、弊社が人事制度設計を行ったときと今との違いをいろいろと伺っていたのだけれど、懸念されていた二極化が進んでいて、それが5年後くらいに問題になるん…

「手取りが減るから課長になりたくない」は死語になる

日経スタイルの連載で、大きな常識の変化を書いた。 style.nikkei.com 「手取りが減るから課長になりたくありません」という言葉が使われなくなっていくだろう、ということだ。 複数の省庁を巻き込んだ働き方改革の進み具合は素晴らしく、現実に残業は大きく…

選抜が早くなって、使えない人が増えてしまった

経産省が最近、ゴリゴリと動いている。 僕が理事を務める高度人材養成機構の取り組み(※)もその一環になるのだろうけれど、とにかく、あまっている「使えない」(と思われている)人たちを、どうやって再活性化させるかに必死だ。 ※ちなみに取り組みという…

人事の「自己評価」には百害あって一利なしだと主張する理由

昔の人事コンサルタントの中には、人事評価では自己評価が大事だ、という人たちがいる。 しかし、自己評価は大事じゃないし、むしろ害の方が大きい。 そんなことを話すことが多いのだけれど、そのたびに理由を聞かれるので、面倒だからここに書いとく。 人事…

原題は「上司からの評価にどう向き合うか」でした

今回の日経スタイルの連載は、書く側としては少し趣を変えてみた。 style.nikkei.com 読む側はあまり気づかれないかもしれないけれど、人事制度を設計する側としての「あたりまえ」をあらためて解きほぐしてみている。 実際のところ、人事制度を設計する側の…

人事部の将来について

日本人材マネジメント協会という、「日本におけるHRMプロフェッショナリズムの確立」を趣旨とした組織がある。 JSRHM そこで発行している「インサイト」という雑誌の2017年7月号に、私のインタビューが掲載された。 まだWEB上でオープンにできないので、…

働かせる会社と稼がせる会社は何が違うのか

意外に知られてないが、多くの会社で、給与と働き方の関係は2つに分けられる。 一般的なのは、「給与分は働いてください」という会社。 もう一方は「稼いだ分から給与を払いますよ」という会社。 どちらが良いのか、というと、何を求めて働くのか、というこ…

リーダーになるにはリーダーシップよりも重要なことがある

経営大学院で組織設計と人事マネジメントの基礎を教えている。 そんな中で、こんな意見を持つ受講生がいる。 「私は人事部門じゃないので、組織設計と人事マネジメントについては学問として興味はありますが、実際に使う機会がありません」 なら、人に関する…

ヒトの理屈とカネの理屈、両方理解することが大事

日経スタイルの今回の更新は、給与の決定ロジックを、資本のロジックだけで考えるとどうなるのか、という疑問へのさわりとして書いた。 style.nikkei.com 少し今までと毛色が違うけれど、次回もこんな感じで書いてみようと思う。 平康慶浩(ひらやすよしひろ…

残業時間削減にはとにかく行動から始める

最近は自社(セレクションアンドバリエーション)主催での無料経営相談を止めている。以前は毎月開催していて、そこから直接契約につながることもあった。けれども昨年後半くらいから、相談会を開く時間がとれなくなってしまった。 なのだけれど、実はSMB…

一人前の仕事にいくら払うべきか

同一労働同一賃金がスタンダードになっていく中で、給与水準というものはきっとなし崩し的に決まっていくのだろう。 それが市場メカニズムというものだし、それしかないとは思うのだけれど、専門家の立場としてはそこに理屈付けをしなければいけない。 なぜ…