あしたの人事の話をしよう

セレクションアンドバリエーション株式会社 代表取締役 兼 グロービス経営大学院HRM担当准教授の平康慶浩(ひらやすよしひろ)のブログです。これからの人事の仕組みについて提言したり、人事の仕組みを作る立場から見た、仕組みの乗りこなし方を書いています。

まじめな話と、雑感(よしなしごと)とがまじっているので、 カテゴリー別に読んでいただいた方が良いかもしれません。 検索エンジンから来られた方で、目当ての記事が見当たらない場合 左下の検索窓をご活用ください。

人事制度

デキない上司との付き合い方

今週も日経スタイルの記事が無事更新された。 まあ、無事もなにも、原稿を僕がちゃんと書きさえすれば更新されるわけで、より正確に言えば「無事、締切に間に合うように、書き上げることができた」ということなのだけれど。 style.nikkei.com 今回から少し毛…

年功序列崩壊と同一労働同一賃金は、実は同じことを言っている

面白い本を読んだ。 知人の大室正志さんが紹介していた本。大室さんは産業医として活躍されながら、ニュースピックスでもプロピッカーとして活躍されている。 僕がこの本に惹かれた理由は、実は大室さんの紹介文だ。 Facebookの友人・知人向けに書かれた紹介…

レアキャラ価値と同様に、給与もレア度で逓増する

style.nikkei.com 今週の日経スタイルも無事更新された。 人事の仕組みが変化しつつある中で、多くの人に関係する給与の話だ。 評価結果に応じて一万円や二万円の昇給で処遇する時代は変わりつつある。 大事なことは、レアかどうかだ。 ぜひ一読してみてほし…

年収2000万円を稼ぐためのまっとうな方法

以前は年収1000万円が高額所得の基準的に言われていたりしたけれど、最近そのハードルが上がっている気がする。 たとえば人材紹介会社の広告でも1500万円、2000万円、といった数字がおどる。 特に東京ではその傾向が強い気がするのだけれど、そ…

人事の新潮流についてのページを公開

最近のセミナーで話す内容のひとつに、2010年以降とそれ以前とで、人事の考え方が大きく変わってきているというものがある。 その一部を、弊社ホームページで公開してみた。 www.sele-vari.co.jp マンガでわかる いまどきの「出世学」にはより詳しく書いてあ…

アントレプレナー向けの人事セミナー(無料)

起業と人事、というと直接的なつながりを想像しづらいのではないだろうか。 起業に必要なものはまずビジョンであり、ビジネスモデルだ。 その上で確実に売上を上げていくべきだし、前提としての資金調達が必要だ。 「カネさえあれば人はいくらでも集まります…

たまにはセミナー告知をしてみる

年明け1月から早速セミナーに登壇する。 長らくお付き合いのある、SMBCコンサルティングのセミナーだ。 場所は東京の八重洲口を出て数分のところにある、SMBCコンサルティング本社のセミナー会場。 午前は「人事評価報酬制度の基本」、午後は「管理…

その勉強は今のためか将来のためか

マネジメントスクールや研修などで多くのビジネスパーソンに、マネジメントやリーダーシップのあり方について教えている(とはいえ僕の本業は、業績を上げるために人事の仕組みをどう設計するか、ということなのだけれど)。 そこで気づいたことがある。 僕…

あなたはスペシャリストとゼネラリストのどちらになりたい?

style.nikkei.com 日経スタイルの連載が更新された。 今回は、スペシャリストとゼネラリスト、それぞれの生き方が出世にどう関係するのかという話だ。 会社の中で出世していくと、次第にゼネラリストにならないといけなくなる。 社内の人間関係をたくさん構…

三井住友銀行の実務シリーズを執筆しました

************************************ 「これからの経営とは、過去の成功体験に基づいた『完成されたビジネスを維持する』ことではなくなります。そして経営幹部に求められる力もまた『過去の成功体験の繰り返し』では…

滅私奉公でないと役員になれないのは当然?

今週も日経スタイルの連載が更新された。 style.nikkei.com タイトルはごく当たり前っぽく書いているけれど、滅私奉公の構造的な理由と問題点について書いてみた。 そもそも本質は、「自分の会社に滅私奉公しない経営者」、についてくる人はいないだろうとい…

『女性活躍に向けた企業の戦略的対応』(労政時報2016年8月12日発行記事)

労政時報の3914号(2016年8月12日発行)に、こんな記事を書いた。 『女性活躍に向けた企業の戦略的対応』――共働き時代において会社も個人も互いに自律的になるための視点と取り組み WEB労政時報から見ることもできるけれど、こちらはそもそも労政時報を購…

人事評価をAIがする時代:日立のニュースリリースから読み解いてみる

このスマホ画面がなにかわかるだろうか。 ※日立のプレスリリースより引用。 http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2016/06/0627.html ニュースリリースを時系列で読み解くと、興味深いことがわかる。 2006年 日立製作所の中央研究所でウェアラブルセン…

日経スタイルの連載が更新されました

style.nikkei.com 一週あいてしまったけれど、日経スタイルの連載を更新した。 出世することについて、少し客観的に見た内容だ。 一度ぜひ読んでみていただきたい。 平康慶浩(ひらやすよしひろ)

人事改革はやっぱり権力構造に関係してしまう

新しい人事制度を検討するとき。 新しい人事制度が決まりかけて、事前に役員や管理職たちに説明するとき。 そのあとで全社員に説明会を開催するとき。 そのいずれのタイミングでも「素晴らしい改革ですね。がんばりましょう!」と言ってくれた人たちが、1年…

年収が市場価値で決まり始めると人事評価の意味が減ってゆく

2015年の夏頃から、名だたる欧米の企業で年次業績評価制度を廃止した、という報道がされている。 僕が昔在籍していたアクセンチュアもその中に含まれているので、実際にどんな改革を進めたのかを聞いてみたりもした。 また、他の会社での改革についての調査…

転職のその先を考える

style.nikkei.com 隔週連載の最新記事が掲載された。 僕が書いてきた出世の話は、基本的には会社の中での話だ。 今回も会社の中の話だけれど、少しだけ外に出る話を書いた。それが転職だ。 2000年以降の働き方に変化を与えたものはいくつもあるけれど、その…

プレジデントオンラインで紹介されています

紹介が遅れたのだけれど、6月15日のプレジデントオンラインに本の紹介が掲載された。 内容は本の一部抜粋なのだけれど、要はこういうことだ。 「早く出世しても、足踏みしたらそこが天井になる」 突っ走るか、あるいは地力をためるか。 最適な判断のため…

売上を10倍にした人事戦略

僕の人事コンサルタントとしてのキャリアは、今年でだいたい20年になる。 その間、多くのクライアントを支援してきたけれど、中でも特に記憶に残る一社がある。 まだ外資系コンサルティングファームにいた頃。某都銀からの紹介案件がマネジャー会議に持ち込…

ファンにする経営が必要な時代(セミナーの紹介)

今年(2016年)の夏にかけて、経営層向けの限定セミナーの開催を計画している。 最初は本にしようと思っていたのだけれど、内容的にターゲットがそれほど多くはないだろう、と考えたためだ。 詳細は後日告知するけれど、概要は以下のようなもの。 興味のある…

査定に満足している若手なんていない

誰しも新入社員だった頃があります。 内定をもらって、入社式、新人研修を経て配属される。そうして学生時代とは異なる環境で、新しいステージで活躍を始めてきました。 やがて1年がすぎると、昇給、という人事の仕組みに出会います。1年目の額面給与額よ…

年収の天井を抜け出すために

前回記事はこちら。 この章の最後に、結論として言いたい。 あなたの未来に希望はある。 あなたの給与は、増やすことができる。 この本を通じてそのことを伝えたいからこそ、私は今キーボードを前にしている。 しかしこれまでにしつこく書いているように、誰…

あなたの代わりはモンゴルやインドにいる

前回記事はこちら 商品を購入したお客様からの質問やクレームなどを受け付けるコールセンターが、どこにあるのかご存知だろうか。 東京や大阪といった都心にないことは想像がつくだろう。では、日本のどこか田舎にあるのだろうか。 もちろんそういう会社も数…

人事制度改革はまだ見ぬ若者を犠牲にして行われた

前回記事はこちら。 給与に天井を定めるレンジレートの仕組みの中で、今すでにもらっている給与がレンジレートの上限を超えている人たちについては、調整給で現在の給与を維持する仕組みが導入された。 例えばレンジレートの上限が三十五万円で、実際にもら…

人事制度を変えても、組織風土まで変えることはできなかった

※前回の記事はこちら。 ここまで説明してきたレンジレートだが、実はもう少し厳しい人事制度の導入も多くの企業が検討していた。それは職務給だ。 職務給というのは日本以外の世界標準的な仕組みだが、簡単に言えば仕事で給与を決める、というものだ。性別や…

昇給をコントロールする人事制度の仕組み

※前回の記事の続きです。 コストとしての給与、相場に見合った給与、という二つの理由からあなたの給与は増えにくくなった、と書いた。 ということは、給与を決める仕組みがそういうコントロールが出来るように変わったということでもある。その仕組みと運用…

高齢化が阻む昇給

※前回の記事の続きです。 将来仮に景気が回復すればこれらの二つの理由(人件費がコストとして管理されるようになったから、人を相場の給与で入れ替えられるようになったから)は解消されるのか。私はその可能性は極めて低いと考えている。 多くの企業では事…

なぜ給与は頭打ちで増えなくなってしまうのか

年功序列の時代なら、どんな業界であってもどんな人でも給与は自然に増えた、と思われるかもしれない。会社の規模などによって意外とそうではないのだけれど、少なくとも統計上の平均額では今の三倍以上昇給しているので、とりあえずはそう考えておくことに…

君は、一生年収500万円を超えない会社で働いていないか?

ここ数年、給与がなかなか増えない、と思うことはないだろうか。 もしそう思っているのなら、その感覚は正しいし、それはあなただけじゃない。日本中にその傾向が広まっている。 例えばあなたが今働いている会社について、次の十の質問に答えてみてほしい。 …

女性が働きやすい会社をつくるための論点(1)

2015年の後半から、「なぜ日本企業で女性は出世しづらいのか」ということを研究している。 その理由にはさまざまなものがあるが、人事制度という会社の仕組みによるものもある。 しかし、だからといってすぐに改善することが難しいものでもある。 あなたなら…