あしたの人事の話をしよう

セレクションアンドバリエーション株式会社 代表取締役 兼 グロービス経営大学院HRM担当准教授の平康慶浩(ひらやすよしひろ)のブログです。これからの人事の仕組みについて提言したり、人事の仕組みを作る立場から見た、仕組みの乗りこなし方を書いています。

まじめな話と、雑感(よしなしごと)とがまじっているので、 カテゴリー別に読んでいただいた方が良いかもしれません。 検索エンジンから来られた方で、目当ての記事が見当たらない場合 左下の検索窓をご活用ください。

月給100万円を目指す方法(1)

平均年収が下がっています。ここ2年くらいは410万円をきるくらいです。
月給にすれば、25万円~28万円くらい。手取りだと20万円ちょっとくらいですね。

ちなみにデータにはいろいろとトリックがあります。
例えば、平均年収っていうデータは、1年以上勤続者の数値をもとにしています。
1年以上勤続者って意味がよくわかりませんが、統計データをつくっている国税庁の方針だから仕方がありません。所得税額算定の根拠数値として集めている統計なんで、勤続年数とかいちいち知る必要もありませんしね。
ともあれ、要はこの平均額には、アルバイトも派遣社員も含まれている、ということです。
いわゆる「正社員」と言われる人たちの平均額はさすがにもう少し多いです。
はっきりした統計はとれませんが、感覚的に550万円くらいでしょうか。
多少幅をもたせるなら、500万円から700万円の間くらい。
サラリーマンの実感としては、このあたりが妥当なところでしょう。
月給でいうと30万円台から40万円台です。

現実問題、この金額で子育てができるか?と言われると厳しいです。
都会なら家賃で15万円くらいさっぴかれて、食費で6万円くらいは消えます。
その他の生活に必要な費用で、30万円台の給与ならあっぷあっぷになります。
40万円台でなんとか子どもを塾に行かせることができるくらいでしょうか。
男性がフルタイム正社員であっても、奥さんも何らかの仕事をしていないと厳しいですね。

実際どれくらいあれば余裕を持てるか、といえば、額面100万円くらいです。
賞与がないとしても、年収1200万円。賞与があれば1500万円くらい。
このくらいあれば貯金もしつつ、余裕ある生活ができるようになります。

もちろん、月収100万円は、今の日本ではとても難しい金額です。
たとえば年収700万円以上のサラリーマンは、全体の12%くらい。
アルバイト等を省いたとしても20%くらいです。
年収700万円のサラリーマン(正社員男性)が、年収300万円のサラリーマン(派遣社員女性)と同居していてやっと1000万円です。
1200万円には足りないですね。

でも、年収1000万円以上のサラリーマンは、実は(アルバイト・パートを除いて)6.6%います。
15人に1人。
これを「無理な目標」ととらえるか、「いけるじゃん」ととらえるかは気持ち次第です。
私個人的には、十分可能なレベルだと考えます。
もちろん、25歳で年収400万円の人が5年後に1000万円、というと現実味がないでしょう。
統計データのトリックはこのあたりにもあります。
統計データには、働く人の全年齢が含まれています。仮に平均年齢45歳で1000万円、とすれば25歳の人ならあと20年あります。
その間に400万円から1000万円に給与を増やす可能性なら十分にあります。
20年間で、14人に勝てばいいわけです。

そうすれば15人の中の1人になれます。

そうすれば、年収1000万円です。

もしかするともう少し上に行けるかもしれません。


1000万円以上の年収の人のうち、4人に1人は1500万円以上の年収です。
1000万円を達成したあとは、3人に勝つだけで1500万円の年収を目指せるわけです。

20年間で14人に勝つ。
そのあと、3人に勝つ。
そうすればあなたは年収1500万円。額面月給100万円を達成できます。

会社の中の仕組み=人事制度をもとにしながら、どうすれば45歳で年収1000万円になれるか。
とびとびにはなると思いますが、紹介してゆきたいと思います。


平康慶浩(ひらやすよしひろ)