年収1500万円以上稼ぐ人たち
年収1500万円以上の人って、どれくらいの割合でいると思いますか?
仮に1万人のサラリーマンがいたとして、その中に何人いるでしょう。
一桁?
二桁?
答は100人です。
日本では、給与をもらって暮らしている100人に1人、年収1500万円以上の人がいます。
もっと具体的に数字で説明すると、平成23年時点で給与をもらって暮らしている人の数は約4500万人です。そして年収1500万円以上を給与(役員報酬を含みます)としてもらっている人は約45万人いるわけです。
ところで、日本に上場企業の数はおよそ3400社あります。それ以外の大企業が約8600社。合計すれば1万2千社になります。
それらの会社に仮に平均して4人の取締役やそれに近い経営ポジションの人がいるとして、ざっと48万人。おそらくこれくらいの人は、年収1500万円以上でしょう。
中小企業の経営者はおそらく節税対策とかで給与は抑えていたりするでしょうから、日本の年収1500万円以上の人の大半は上記に含まれるのではないでしょうか。
(もちろんファンドマネジャーとかの一部の限定された職種の人もいるでしょうが)
上記を踏まえると、やっぱりたくさんの年収をもらおうと思えば、有名大学を出て、有名企業に入社し、そこでキャリアを積み重ねて経営層に名を連ねる、というのが一番現実的なキャリア戦略になるのでしょう。
じゃあそれ以外の選択肢はどんなものがあるのか、ということを確認しようと、こんなグラフも作ってみました。
(国税庁の平成23年度申告所得税標本調査より平康作成)
ちなみにこのグラフ。母数がなぜか45万人より少ないでの不思議なんですが、その辺調べると時間がかかりそうなんで、とりあえず割合だけでつくってみました。
このグラフからわかることは、年収1500万円以上を目指そうとするなら、だいたい5つのルートがある、ということです。
ルートその1:高い給与をもらえるようになる。
これが上記で書いた、一流企業の経営層を目指すルートです。一番わかりやすいのですが、到達できる年齢は50歳前後からでしょうか。
最近は企業のグローバル化も進み始めているので、30代でこの水準に到達することも決して夢ではありません。ただ、30代でこの水準に到達するには少なくとも、海外でMBAをとっていなきゃいけないでしょうし、ゆったりした自分の時間を持つ、ということとは無縁の世界に覚悟しなければいけないでしょう(それでもグローバルプロフェッショナルは無理やり自分の時間をとってたりしますが)。
しかしこのルート1の割合は、全体の55%しかありません。
じゃあどんなルートがあるのでしょう。
ルートその2:自分でビジネスをはじめる
事業所得者がここに区分されます。要は自分の時間でかせぐのではなく、人を使って稼ぐ方法です。士業の先生とかフリーランスとかの個人事業主もここに入るので、このルートは、①起業家、②専門性の高いプロフェッショナル(客を持っていることが前提)、という2つのルートの細分化されることになります。
ルートその3:不動産を持つ
先祖から受け継いだ不動産を持っている人たちや、こつこつと不動産投資をしているような人たちがここに含まれます。ただ、1500万円の所得をかせぐためには、実際の利回りに近いキャップレートを5%として考えると、約3億円分の資産が必要です。さすがにそれだけの資産を、自分で一から作り上げるのはとても難しそうです。実際には、給与としてある程度稼いでおいて、不動産所得をそこに積み増す、というのが現実的な方法なんでしょうね。
ルートその4:金融資産を持つ
実は上記のグラフには、株式配当などの金融資産からの所得は含まれていません。元データが国税庁のものなので、そこでは個人の申告所得に、金融資産からの所得を含めていないからです。だから実態はなかなか把握できませんが、このルートがあるのも事実です。
ルートその5:それ以外
上記のグラフでの「それ以外の分類者」です。事業でもなく不動産でもなく金融資産でもない、とすれば……なんでしょうね?調べてみたところ、代表的なものは印税とかのようです。作家さんとか漫画家さんとかも含まれるのかもしれません。
いずれにせよ、この社会がロールプレイングゲームの舞台であって、ゲームキャラクターの成功の一つが高い収入であるとすれば、ゲームの攻略のためにはこのうちのどれかのルートに特化してまい進するか、あるいは複数のルートを併用しながらゲームを進めることが攻略法だ、ということになりそうです。
でも、ゲームのエンディングが一つでないように、別の成功パターンもあるかもしれません。その成功パターンに向けての分析も、今度書いてみます。
今日はオチのない記事を書いてみました。
平康慶浩(ひらやすよしひろ)