あしたの人事の話をしよう

セレクションアンドバリエーション株式会社 代表取締役 兼 グロービス経営大学院HRM担当准教授の平康慶浩(ひらやすよしひろ)のブログです。これからの人事の仕組みについて提言したり、人事の仕組みを作る立場から見た、仕組みの乗りこなし方を書いています。

まじめな話と、雑感(よしなしごと)とがまじっているので、 カテゴリー別に読んでいただいた方が良いかもしれません。 検索エンジンから来られた方で、目当ての記事が見当たらない場合 左下の検索窓をご活用ください。

ホンネの就職活動指導の一例

先日、親しい方からの依頼で、大学3年生のお嬢さんの就職活動の相談にのりました。

その時にいただいた感想が、「大学のキャリアセンターで聞いた話と全然違いますね」というものでした。

多少なりとも役にたったかどうかは、彼女が納得のいく就職ができるかどうかで判断するしかないのでまだわかりませんが、その時話したことの中から二つほどご紹介。

 

 

■ 最初の会社は28歳までに卒業する

 やめるとか転職ではなく、卒業です。

 28歳は、22歳で入社してからだと6年。

 6年あれば、自分がその会社に合っているかどうかわかります。合わないんだったら別の道を選べばいいわけです。28歳までなら、転職なんて余裕でできます。

 もちろん1年で卒業してもいいし、3年で卒業してもいい。人によっては8年や10年かかる人もいるでしょう。

 じゃあ卒業までの期間、なにをすべきかというと、いろいろありますが、とりあえずひとつあげるとすれば、一緒に働きたい人を探す、ということです。

 

 

■ 一緒に働きたい人を探す

 自分の価値を高めてくれるのは他人だ、という当たり前の事実に気づかなくてはいけません。

 そのためには、どれだけ素晴らしい他人と出会えるかが勝負です。

 最初の会社の6年間で、あなたは、素晴らしい他人を探し続けなければいけない。

 それは、就職の面接からスタートしています。面接官は人事部門以外だと、現場の管理職が担当することが多い。そしてその中でも仕事ができる人が選ばれます。

 だから面接のときには、目の前のその人と仕事をしたいと思えるかどうかを考えましょう。

 会社に入ってからは、まず同期達。次に先輩、上司。

 そうして、あなたにとって素晴らしいと思える人たちとのつながりを作ってゆきましょう

 

 

■ 会社を選ぶ

 ここで紹介した二つの考え方は実はそれ自体が目的ではありません。

 最初の会社は28歳までの卒業する、一緒に働きたい人を探す、と考えることで、就職をゴールだと考えずに済むようになる、ということが本当の目的です。

 若者は今も昔も3年で30%やめるという統計もありますが、実際のところ、まだまだ日本での転職は一般的ではないので、最初の会社を卒業せずに勤め上げる人も多い。

 だから本当に卒業しなくてもいい。

 ただ、就職活動中であれば、最初に入った会社からの卒業を視野に入れて、一緒に働きたい人を探すと考えることで、自分自身にとって最高の会社がみつかりやすくなります。

 

 

 

平康慶浩(ひらやすよしひろ)