最近、良書にめぐまれている
この一週間でいい本に二冊巡り合った。
人生には、今このタイミングでこの本に出会えた喜び、というのがあると思う。
僕自身の昔のことでいえば、「遠い太鼓」と言う本に出会った時がそうだった。
もちろん、村上春樹さんの本を読み漁った上でたどりついたのだけれど、社会に出たての僕にとっては「こんな人生があるんだ」ということを教えてくれた。
それは決して遠い有名人の話ではなく、身近に感じられる=僕もそうなれる、という思いを与えてくれた。
あの時この本に出会えて、たしかに僕は道を与えられた気がする。
そんな、人生に影響を与える、というレベルではないかもしれないけれど、今回であった二冊の本は、どれも「今の僕」にとって最高の一冊だ。
この本は、今がまさに変革期であるということを気づかせてくれた。
今の僕は、この本の結論には賛同できない。
でも、それは僕自身が日本のバブル期から今に至るこの二十年ちょっとを社会人としてすごしているから、というだけの理由かもしれない。
かつて世界はもっとのんびりとした成長をしていたし、それは人口増加の割合に大きな影響を受けていることもわかっている。
でも、そんな「わかっている」と思っている自分への疑問を持つきっかけを与えてくれた本だ。
賛同できない結論の本に、大きな魅力を感じることは、おそらくこれが成長のきっかけなんだろうと思う。今までもそうだったように。
この本はまだ読んでいる途中。ちょうど半分くらい。
でも、ぐいぐいとひきこまれる。
外発的動機、内発的動機、なんて陳腐すぎると思っていたキーワードですら、新しい気づきを示してくれる。
そして、人生のすばらしさを改めて教えてくれる。
今年の10月に僕が出す予定の本も、そんなきっかけを与える内容にしたい。
そう思いながら、原稿を書き直すことについては、少しだけ、ため息が出るのだけれど。
平康慶浩(ひらやすよしひろ)