都市論から学ぶ、組織人事のあり方
最近、意識してやっているわけではないのだけれど、インプットの方が多くてなかなかアウトプットができていない。
そんな中でも、ぜひ紹介したい本がある。
- 作者: 蓑原敬,藤村龍至,饗庭伸,姥浦道生,中島直人,野澤千絵,日埜直彦,村上暁信
- 出版社/メーカー: 学芸出版社
- 発売日: 2014/05/26
- メディア: 単行本
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1930年代生まれの都市計画家と、1970年代生まれの都市計画家・研究者たちのディスカッションが掲載されている。
その中で特筆すべきは、時代の編成と都市計画とのかかわりがわかりやすく示されていることだ。
いくつも語りたい点はあるのだけれど、一番心に刺さった一文がある。
要約するとこういうことだ。
「私たちの社会は、成長する国家のための都市計画を作ってくることだけを考えてきた。しかし成熟国家のための都市計画の作り方は、まだ誰も知らない」
振り返って組織の中の人事を見てみれば、これはやはりフォーディズムから本格的に形成されたロジックで成り立っている。
それは工業化にともなう高度成長のための仕組みだ。
私たちは、成熟した組織のための人事の仕組みを知らない。
成長しないことを選んだ組織のための、人事の仕組みは一体どのようなものであるべきなのか。
さらにいえば、衰退することを定められた組織のための人事の仕組みは、どのように設計すべきなのか。
成長する一個人と、成長しない組織との間の関係をどのように設計すればいいのか。
その答えは、組織論や経済学、経営学の中にではなく、都市開発論や生物学、物理学の中にヒントがあるのかもしれない。
やっぱりもう少しインプットを増やさなきゃ。
平康慶浩(ひらやすよしひろ)
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2014年10月9日に日経プレミアから新書を発売します。
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