キャリア・パラダイムという考え方
「ああいう人になりたい」と思える先輩が減った。
優秀な人が減った、ということじゃない。
自分自身が考える成功と、先輩が実現している成功とがずれていることが増えた。
その理由は、環境変化が各世代に求める働き方が異なってきたからだ、と僕は考えている。
バブル崩壊を機に変化した人事制度に対応しない世代、できなかった世代が今の50代以上には多い。人事リストラクチャリングを最も強く適用されながらも、彼らはまだ成長の余禄で老後を過ごすことができる。
40代は変化をわがものにしながらも、過去の成長の余禄を受け取ることはできない。能力を発揮し、成果を生み出すことが彼らには求められてきて、それに対応できたかどうかが今の40代のキャリアを決めている。
30代は変化のあとに社会に出ている。将来への希望が薄れていたからこそ、30代からは多くの起業家が輩出されてきている。また、対面/オンラインいずれにおいても学習の場が数多く設けられることで、意欲あるものの能力と行動は高まっている。
そして20代の若者は暗い将来のみを提示されながら、どのようなキャリアを作っていくべきか、指針を失っているのではないだろうか。
そこで同じ場所で働く労働者間のパラダイムの変化がキャリア構築にどのような影響を与えるのかを考察していくことが、今僕にできることじゃないか、と思うようになった。
すべての働く人にとって、環境変化による自分自身のキャリアへの影響を客観的に把握し、よりよい人生を構築できるようになるために。
年末の所感を記すにはまだ早いけれど、来年からそのための取り組みを進めてみようと思う。
平康慶浩(ひらやすよしひろ)