あしたの人事の話をしよう

セレクションアンドバリエーション株式会社 代表取締役 兼 グロービス経営大学院HRM担当准教授の平康慶浩(ひらやすよしひろ)のブログです。これからの人事の仕組みについて提言したり、人事の仕組みを作る立場から見た、仕組みの乗りこなし方を書いています。

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女性が働きやすい会社をつくるための論点(1)

2015年の後半から、「なぜ日本企業で女性は出世しづらいのか」ということを研究している。

その理由にはさまざまなものがあるが、人事制度という会社の仕組みによるものもある。

しかし、だからといってすぐに改善することが難しいものでもある。

 

あなたなら次のような企業側の言い分に対して、どう解決策を提示するだろう?

 

企業側の言い分:

「休んだ人とその間も活躍していた人を同列に扱うわけにはいかんでしょう」

 

 キャリア中断で評価がとぎれるため、昇進候補にあがらなくなる。これは出世の構造の本質の一つだが、改善が困難なものでもある。

 考えてみてほしい。

 あなたなら、表題にあげたような言葉を論破できるだろうか?

 具体的にはこういうことだ。

 

 休職していない通常勤務の人に対して、SからDまでの評価結果をつける。

 さて、評価対象期間のうち6カ月を休んだ人に対して、6カ月だけの結果に対して同じように評価をするか、あるいは自動的に低い評価とするか。

 

 もしあなたが、休職していない側の立場だったら、会社はどうすべきだと思うだろう?

 

 A:休職している間は働いていないんだから、評価はしないことが当然。
   キャリア中断や賞与減額も当然。

 B:結果さえ出していれば評価してもいいのでは。
   ただ、どうしても結果自体は小さくなるので、低い評価になるだろうけれど。
   その結果キャリアが中断するのも仕方ない。

 C:賞与減額は仕方ないとしても、キャリア中断はおかしいのでは。
   でも、だからといってどうすればいいかはわからないけれど……

 D:入社年次にあわせてしっかり昇格のチャンスを与えるべき。
   出産や育児は人間として当然のことなのだから、賞与も減らすべきではない。

 E:その他

 

 

※コメント欄にご意見を書いていただければ、後日集計して発表します。

 

 

平康慶浩(ひらやすよしひろ)