(再掲)レモンマーケット論(1):65歳まで雇用する会社と、即解雇会社に二分される日本
今朝の日経新聞の社説が、ちょうど前回までのこのブログ記事と論調の一部が一緒だったので、熟読してみました。
ちなみにブログ記事はこちらです。
日経新聞2013年4月8日の社説タイトルは「元気な社会へ新たな雇用ルールを」。
論旨はこんな感じです。引用は「」、私の補足は()です。
① 企業の新陳代謝(適切な解雇)による雇用の流動化は企業活力生成に一部貢献する。
② 解雇規制の緩和は雇用の流動化を促進する。
③ しかし「企業は社員に長期雇用を約束するのと引き換えに転勤や残業を強いてきた」
④ 「こうした日本的な経営は見直しを迫られる」
⑤ 「欧米企業は一般に職務内容をあらかじめ決めて雇用契約を結ぶ」
⑥ 「日本の正社員は会社の指示通りに部署を移り、『なんでもやる』使い勝手の良い労働力」
⑦ 再就職支援体制も整備しなくてはいけないが、官から民への移行も必要
⑧ 「大切なのは、別の仕事に柔軟に移れる労働市場を育てることだ」
⑨ 「社員が一つの会社に定年まで勤めることを前提に成り立ってきた社会を変えていこうとすれば、さまざまな面できしみが生じる」
労働市場の形成は必須です。
ただ、そのために、再就職支援をする、とか、「準正社員」形態をつくる、とか、そもそも解雇をしやすくする、とかはあくまでも供給サイドの話です。
(「準正社員」についてはこちらを参照してください
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS13038_T10C13A3MM8000/ )
大事なことは、上記の⑥の部分をどう変えるか、という点にあります。
労働市場の需要側である、企業内での人材の活用方法を変えないと、再就職支援をして、「準正社員」を許容して、解雇をしやすくする、ということはこんな状態を生み出します。
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とりあえず「準正社員」で安く雇って、なんでもやらせて、すぐに使えない人は解雇。
官民ともに次の仕事をすぐに紹介しようとするけれども、紹介できる先はどれもこれも「準正社員」か固定賃金の低年収な仕事。
今まで通りの新卒一括採用時に優良企業に勤務することができた人たちは労働市場にはあまり出てこないので、
労働市場はレモンマーケット化する。
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(レモンマーケットの意味はまたググってみてください)
繰り返しますが、需要サイドの変革が最も重要です。
供給量を変えれば市場が形成されるなんて、そんな前時代的な発想はどこかへやってしまうべきでしょう。
続きます。
平康慶浩(ひらやすよしひろ)
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2013年の記事ですが、なんとなく再掲してみました。