プログラミングスキル習得のためにHour of Codeをやってみたらとてもよかった
最近言われているようにプログラミングは必修化の方向にある。
文科省でも、まじめにその在り方を議論してきているくらいだ。
僕はもともとキャリアの最初でプログラミング(大規模システム開発プロジェクトでコーディングしたり仕様書を書いたりすること)に携わっていたし、振り返ってみれば小学六年の頃(1980年頃だ)からNECのPC-8001でBASICのプログラミングをしていたので、いわゆるプログラミングスキルはある方だと思う。
でも、自分はたまたま興味があってそういうスキルを身につけたけれど、自分の子どもに教えるとなるとなかなか難しいなぁ、と考えていた。
というのも、すでに完成されたアプリが多すぎるからだ。
僕が初めてPCに触れた1980年台といえば、もちろんwindowsなんかなくて、真っ黒な画面のコマンドプロンプトに各種指示をうちこまなければ何も動かなかった。
ソフトやマニュアルもほとんどないから、雑誌には読者が投稿してきたさまざまな(今思えばとても簡単な)コードが掲載されていて、それを手打ちしながら構造を学んだりもした。
休みのたびに電車に揺られて大阪の日本橋電気街に行き、デモ機の前で初対面のマニア同士で議論したり、テープレコーダーや5インチフロッピーでソースコードの交換をしたりもした(今から思えば、小学生から高校生くらいの子どもたちが商品を買うわけでもなく、店頭でそんな交流をしているのを店員さんたちも良く見逃してくれていたものだ)。
PCで遊ぶためには情報を集め、ネットワークをつくり、自力で学ばないとどうしようもなかった。
けれども今は、学ばなくても遊べてしまう。だから、どうしても自主的に学ぶことが難しい状況だと感じていた。
さて、どうしよう、と考えてこんなのに子どもを連れて行ってみた。
行ってみて思ったのは、まあ悪くはないのだけれど、なんか違う、という違和感。
プログラミングって、同じ進度で学ぶものじゃない、という思いが違和感の正体かもしれない。
わかるヒトはさっさと飛ばしてやっていけばいいし、わからないなら丁寧に学べばいい。でもやがてどっちの学び方でもどこかで行き詰ったりして、最終的には同じくらいの学習速度になったりするから、まあ好きなやり方でできる方がいいんじゃないか、ということ。
あと、やはり根本的に、何ができるのか、ということを段階的に理解していかないと行き詰まりが早くなるという実感もあった。
わかりやすいアプリを作る体験よりも、for~nextの構造とか、if文の条件設定とかを必要に応じて学んでいく方が良いように思ったのだ。
(僕が教えた方が早いんじゃないか、と思ったというのもある)
で、子どもと一緒にジュンク堂梅田店に行ってこんな本を見つけた。
プログラミング入門講座――基本と思考法と重要事項がきちんと学べる授業
- 作者: 米田昌悟
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2016/09/28
- メディア: 単行本
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この本はプログラミングを教える本じゃなくて、どこで学べるのか、というオンライン学習サイトの紹介だった。
けれども、この本が僕にはしっくりきた。
そして、この手の本の場合、多分一番最初に紹介しているサイトが一番いいんじゃないか、と考えてやってみた。というか一緒になってやらせてみた(今も目の前で娘がLENOVOのYOGA-BOOKを操作している)。
それがこのサイトだ。
実際の学習サイトはこちら。
まずはアナと雪の女王のキャラクターを使って、for~nextループの学習から。
そのあとは、minecraftをモチーフにして、もう少し複雑なコーディング。
これがわかりやすい。
実際にタイプする必要はなくて、論理構造を視覚的に理解できる。
たまに行き詰ることもあるけれど、わかっている大人が少しヒントを示しさえすればすぐにクリアできる。
最初はとても簡単だけれどだんだん難しくもなる。そうして基本を一通り学ぶのにはとても良い感じ。
大人がやっても面白いと思うので、ぜひみなさんにお勧めしたい。
平康慶浩(ひらやすよしひろ)
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