企業の成長戦略とはお金の使い方を決めること
人事制度とは人事戦略を実現するための仕掛けであり、人事戦略とは経営戦略を実現するための要素です。
だから長くお付き合いさせていただいているクライアントからは、経営戦略策定のファシリテーションとかワークショップを依頼されるようになることもあります。
逆に、その会社のことをしっかり理解していないとやっても効果を出せないので、あえて弊社のサービスラインには載せていません。でも毎年何社かはお手伝いしていたりします。
先日もちょいとお声がけいただいて、半日ほどお手伝いしてきました。
こちらのクライアントはかなり親しくお付き合いさせていただいていて、経営幹部クラスの皆様とはほぼ全員お知り合い状態です。
で、5年後くらいにむけた経営戦略策定のワークショップをお手伝いしました。
ワークショップといっても、研修ではありません。
ガチの幹部を集めての、リアルな経営戦略策定です。
そして今回は取締役は一人も呼んでいません。
取締役手前層たちによって、取締役が卒業した後の中期計画を作ってもらうからです。
さて、そうなると多少の知見があったところで、コンサルタントが示せるのは「方向性」や「気づき」くらいです。
それも、教科書を読んでわかるようなことを言っても刺さらないです。
長い話をしたら、うなずいてはくれるけれど、検討には反映されません。
各グループをうろうろしながら、何をどう示せばさらに良い戦略、そして実行計画になるだろうか、とずっと考えていました。
そんな時に役に立つのはその企業や業界に対する理解だけではありません。
他の業界の様々な企業がどうやって成功し、どうやって失敗したか、などの方が、方向性や気づきを与えることができたりします。
更にもう一つあるとしたら、それはやはり自分の経験だと感じています。
弊社はおかげさまで、一人でのんびりコンサルティングをしていた状態を卒業し、2017年からスタッフを雇用してファームになることを選択しました。
そうして、2016年から比べると、平均毎年56%の成長を実現しています。
たまたま多くの出会いをいただいているということもありますが、経営者として気を付けているのは、成長のためにお金を使うことでした。
必要になってから何かを買う(雇う)のではなく、使う状況を作るために買う(雇う)。
到達したいゴールのために、いくら使うのか≒ドブに捨てるかを覚悟する。
捨ててしまうことになったお金に価値を生むために、失敗を言語化する。
そうしてきた経験から、「お金を使わない成長戦略はないので、何にお金を使うのかを決めてください。ゴールにたどり着くために必要な金額を、自信をもって経営層に要求してください」、ということを伝えたりしました。
短時間でもとても疲れるので、たくさんは請けられない、戦略策定支援のコンサルティング。けれども、自分自身にも跳ね返ってくる、とても刺激的な取り組みなので、また機会があればひょい、と進めてみようと思います。
平康慶浩(ひらやすよしひろ)