意思決定のために空間を共有する
個人的な話ですが、大阪と東京を行き来する生活スタイルが復活しつつあります。
それはコンサルタントとして、クライアントの意思決定を支援する場面が増えたためです。
コンサルタントの仕事は論理的なことばかりだと思われがちですが、決してそうではありません。
たしかに、事実を積み上げ、要点を解きほぐし、課題を整理する分析フェイズの間は論理的な活動が大半です。
だから、リモートでのミーティングでも全く問題ありません。
むしろ限られた時間で、目の前の画面との対話に集中することが、議論の生産性を高める場合もあります。
分析フェイズでは、リモートミーティングの方が有効なのです。
しかしフェイズはやがて意思決定にうつります。
どのような対応策を選択するか。
その際のメリット、デメリットをどのような優先順位で判断し、最終選択をするか。
このタイミングでは、思考の拡散や意思決定の逡巡、人の感情への配慮などが入り混じります。
そのため、同じ空間にいて、同じものを見、同じ音を聞くことが有効です。
その時求められるのは生産性ではありません。
断固たる覚悟であり、そのために、人の呼吸や体温を感じる必要があります。
コロナショックはまだ終わりが見えていませんが、多くの企業で、意思決定のフェイズにうつりつつあります。
リアルな会議は、これからどんどん増えそうな予感がしています。
平康慶浩(ひらやすよしひろ)
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