あしたの人事の話をしよう

人事コンサルタント 平康慶浩(ひらやすよしひろ)のブログです。これからの人事の仕組みについて提言したり、人事の仕組みを作る立場から見た、仕組みの乗りこなし方を書いています。

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部長以上の役割は課長とどう違う?

 

以前、「担当者」「係長」「課長」それぞれの役職に違いがあるという話をしました。

hirayasu.hatenablog.com


今回はその上の部長とか役員についてもそんな「一言でいうと」どうなるのか、ということを整理してみたいと思います。

 

ちなみに前回、

「担当者」は「いわれたことができる人」。
「係長」は「決まっていることができる人」。
「課長」は「決められる人」。

という記事を読んでもやもやした人もいるのではないでしょうか。

 

実際にお声がけいただいた方からは、こんなことを聞きました。

 

「係長っていつも言われたことしかやっていないような……」
「うちの課長は決まっていることしかやってないんだけれど」
「そもそもうちの会社に『決められる人』なんていないよ」

 

おっしゃるように、実態としては会社によって役職ごとの役割はばらばらです。
同じ会社の同じポジションの人でも、役割に違いがあることは普通。
けれども、それは本来の組織の形ではありません。
人によって役割が違うとなると、肩書に意味がなくなってしまいます。
そして肩書に意味がなくなる、ということは、組織の形がいいかげんなものになってしまうということです。
VUCAの時代と言われるときに、誰か決めて誰か実行するかもはっきりしていない組織では、勝ち抜くことはむずかしいでしょう。

 

さて、そんな時代の「部長」の役割を一言でいうと

 

「多くの人を巻き込める人」

 

です。

 

課長と部長との役割の違いとは、部署や機能部門など、今まで率いてきた組織の枠の中で活躍するか、それを超えるか、という違いです。
そして自分の部署に対してであれば、課長は命令ができます。しかし別の部署に対してはそれができません。タコつぼ化現象などともいわれますね。
しかし、そういう組織の枠を超えた巻き込みが期待される役割。
それこそが部長なのです。

 

課長までは自分の担当領域でしっかり戦ってくれればいいのです。
けれども部長になるとそのうえの仕事をしてもらわないと困ります。

 

それこそが「巻き込み」です。

 

これは事前調整などと似ていますが、もちろんそれだけではありません。
むしろ時に大ぼらを吹いたり、夢を描いたり、そして時には現実的な着地点を決めながら、参画する多くの人たちが気が付けば自分の役割を持って動いている状態をつくりあげること。

 

あなたの会社には、そんな部長が何人くらいいるでしょう?

 

 

平康慶浩(ひらやすよしひろ)

役職が違うことの意味(ヒラ・係長・課長編)

役職の違いによって役割が違う、ということはあたりまえなんですが、じゃあ何が違うのか、ということについてはなかなか難しいわけです。

 

たとえば新卒一年目の社員が入ってくると、2年目の先輩とかって超できる人に見えたりしますよね。3年目の先輩とかってまじかっこいい、みたいな。

 

けれども、会社からしてみればまったく同じ役割で、習熟度が違うだけ、だったりします。

 

できる一年目社員とかはそのあたりをすぐに察して、先輩を立てつつもさくさくと仕事を進めたりします。

で、気が付けばそっちのほうが先に主任とか係長とかの役付きになったりするんですが、先輩からすれば「あいつ育てたの俺だから」なんてまだ余裕を持っていられる。

正直それくらいの逆転だったらまだ取り返せるんですが、余裕を持っている、という時点で大間違いなわけです。

会社からすれば「教えた(と思っている)先輩<(自分で育った)後輩」という図式が成立しているので、先輩はたぶんずっと後輩の部下になること確定、ってことになりかねない。

まあこの場合、先輩に選べるのはさっさと異動するか転職を選んで、自分より優秀な後輩と直接戦わないフィールドに進むことがベターだとは思います。

 

このあたりのことについて、自分で気づけよ、というのはずいぶんと不親切なわけで、もしせっかく雇った人たちを無駄にしないでおこうとするなら、そういった事情も全部先に説明しておいたほうが良いのは当然です。

たとえば平社員、というか業務の「担当者」に期待する行動はどういうもので、その上の「係長」に期待するのはどんな行動なのか、ということぐらいは示しておくほうがよいでしょう。

 

ただ、じゃあ何の違いがあるのか、ってまじめに検討を進めたとしてもややこしいキーワードが並ぶだけだったりします。

 

リーダーシップレベルが……チームワークは……課題遂行、課題管理、課題監督………

 

人事の評価基準設計を本気で行うならそれも大事なんですが、さくっと伝えるにはわかりにくい。

 

今日はそんな現場のニーズにこたえるために、あっさり伝えられる役職の特徴=違いを示したいと思います。

 

まず「担当者」。

これは簡単ですね。

 

「いわれたことができる人」
です。


誰でもできそうですが、ここでまず大きな差がつきます。

「いや、こういうことだと思ってたんで」

というような勘違いならまだいいですね。

「先輩が言うことよりもこっちのほうがいいと思ってたんで」

も、まだそいつが優秀なら、ふーん、って思える。

 

「あ、やりなおします……(めんどくさいからそうしなかっただけなんだよな)」

というのが一定割合いたりするから結構面倒です。

 

 

次に「係長」

会社によってリーダーだったり主任だったりしますが、まあ担当レベルを超えて出世した段階です。

 

この段階は
「決まっていることができる人」
ですね。

 

ルーチンワークがちゃんとできる。

もちろん必須のマナーも守れる。

そのうえで、報連相もきっちりできる。

 

ビジネスパーソンとしては極めてあたりまえのレベルですが、ここまで来ることはなかなか難しい。

 

で、実は大半のビジネスパーソンはここどまりです。

決まっていることならできる。

そしてそこでの品質を高めていける。素早くもできる。

 

けれどもそれらはすべて「決まっている」ことなんで、品質を高めようが素早くしようが、付加価値を高める割合はせいぜい数%だったりします。

 

それでも2010年くらいまではそれでもなんとかみとめられて、40才過ぎたからそろそろ課長に、なんて昇進させてもらえる場合もありました。

 

けれども今は大きく変化していて、それが「課長」クラスの役割にあらわれています。

 

課長、というよりは、管理職、と言ってもいいかもしれません。

最近だと名ばかり管理職も減ってきているので、実質的な管理職のお話です。

 

その段階は
「決められる人」
です。

 

あいまいだったり、前例がなかったり、みんなが違う意見を言っていたり、誰も責任をとろうとしないややこしいことだったり。

そんなことについて「私が責任とるからこうしよう」と言う人です。

さらに、そのまま社内調整もちゃんとして、利害関係者の合意もとって、係長や担当者がそれらを「決まったこと」として作業できる状態に持っていける人。

 

それが今の課長です。

 

ではその上の部長は?

 

もちろんちゃんとした定義があります。
そのあたりの詳細はまた次回に。

 

 

平康慶浩(ひらやすよしひろ) 

 

 

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