あしたの人事の話をしよう

セレクションアンドバリエーション株式会社 代表取締役 兼 グロービス経営大学院HRM担当准教授の平康慶浩(ひらやすよしひろ)のブログです。これからの人事の仕組みについて提言したり、人事の仕組みを作る立場から見た、仕組みの乗りこなし方を書いています。

まじめな話と、雑感(よしなしごと)とがまじっているので、 カテゴリー別に読んでいただいた方が良いかもしれません。 検索エンジンから来られた方で、目当ての記事が見当たらない場合 左下の検索窓をご活用ください。

2013-01-01から1年間の記事一覧

降格制度は必要なのか

私の今年の仕事納めは今日なんですが、年内に仕事が納まるわけもなく、ただ大晦日から正月に向けて家族や両親とのだんらんに時間をとるので、できるところまで区切りをつける日、ということになります。 一応納めてることになるのか。 でまあ、ブログ記事も…

年収1500万円以上稼ぐ人たち

年収1500万円以上の人って、どれくらいの割合でいると思いますか? 仮に1万人のサラリーマンがいたとして、その中に何人いるでしょう。 一桁? 二桁? 答は100人です。 日本では、給与をもらって暮らしている100人に1人、年収1500万円以上の人がいます。 も…

読書家になる二つの方法

先日書いたこの記事ですが、難しいとの声が。 40歳からの稼ぎ方 - あしたの人事の話をしよう まあ、40歳でやってない人にはできないですよね。そりゃそうだ。 8月31日に焦っている人に、夏休みの宿題を計画的にやりましょう、ってなもんですから。 でも大…

40歳からの稼ぎ方

若いうちに勉強とか人付き合いとかネットワークとかつくりなさい、的な自己啓発本は星の数ほどあるのですが、年齢が上がると、その類の本は激減します。 みつかったとしても、「定年に向けて準備しましょう」的なものが大半。 それってつまり、今の会社にし…

お金とか経営とか労働とかを知るのに良いマンガの紹介

キンドルでマンガをダウンロードすることを覚えて、サルのようにいろんなマンガを読んでます。 うそです。そんなに読んでません。 でもとりあえずハンターハンター全巻読み終えて(連載全部読んでたんですが)、なんかないかなぁ、ワンピースは今はまるとま…

平均年収は増やせるのだけれど、そうしたら雇用は減るかもしれない

hatenaから、私のブログ記事が誰かに引用されたよ、とメッセージがきました。 見に行ってみたら、こちらのブログにたどりつきました。 年収300万円の先にある未来 - ぼくら社Blog 安田 佳生さんという方が書かれていて、はて、どっかで見たお名前だな、と…

年収300万円以下の人を減らすために人事制度でできること

以前ブログネタにしようと思っていた年収についてのグラフが出てきたので、のせてみます。 300万円以下の年収の人がどんどん増えていて、500万円~1000万円の年収の人がどんどん減っている、ってことが読み取れますね。 赤い線がわかりやすすぎます(笑) 非…

ヒューマンキャピタルに対する小考察

会社の中で人を育てようとするとき、ほとんどの場合、教育と言う手段がとられます。 職場での教育はOJT(オンザジョブトレーニング)といわれたりします。 OJTに対してOff-JTがありますが、これは集合研修や外部研修などのように、教育だけの場を設けて実施…

月給100万円を目指す方法(2)

**************************** 2013年10月30日に書いた記事の続きです。 前回記事はこちら。 月給100万円を目指す方法(1) **************************** 最初に、このグラフはなんの利率をあら…

育休って、ダイバーシティと何も関係ないよね

ダイバーシティっていうと女性の活躍。 女性の活躍っていうと育休、ってつなげて考える人が多いですよね。 まったく関係ないと思うんですけど、そう思いませんか? 以前のブログで、「制約社員」って言葉が気に食わない、って書きました。 まるで滅私奉公社…

今の日本の人事制度の状況はパソコンOSに似ている

ビジネスパブリッシングと言う出版社の人事マネジメントという人事専門月刊誌に連載している関係で、編集長とお会いしてきました。 ちなみにビジネスパブリッシングのホームページはこちら http://www.busi-pub.com/ 雑談まじりでいろいろと最近の人事トレン…

給与が増えないのはメニューコストのせいでもある

最近、低い給与でも充実して暮らせるよ、みたいな「プア充」と言う言葉を提唱されている方もいらっしゃいますね。 これはとても矛盾している提言ということを、どれだけの人が理解しているのでしょうか。 280円で牛丼が食べられる。100円でビデオが見られる…

月給100万円を目指す方法(1)

平均年収が下がっています。ここ2年くらいは410万円をきるくらいです。 月給にすれば、25万円~28万円くらい。手取りだと20万円ちょっとくらいですね。 ちなみにデータにはいろいろとトリックがあります。例えば、平均年収っていうデータは、1年以上勤続者の…

自分の売り方を考える時代

自己啓発本がたくさんありますが(私も書きましたが)、それって結局、自分の売り方を考えましょうね、ということを書いているわけです。 売り方 である以上 買ってくれる人 がいるわけです。 「自分」を売買する市場の事を「労働市場」と言ったりするのです…

書店員に左利きが多いのはなぜか

もしかすると私だけなのかもしれませんが、書店の方に左利きの人が多いような気がしています。 で、数えてみました。 2013年8月1日~9月30日限定です。 左利きの確認方法は、領収書のあて名書きです。 書店で領収書をもらった回数は9回。 内、左利きの人は5…

できるサラリーマンは自分ルールを持っている

会社の中でできる人になりたい、と思うときに、最初に何を読むべきでしょう。 私はそれは、就業規則と給与規定であると考えています。 なぜなら、就業規則と給与規定に、会社の中での評価と出世のルールが書かれているからです。 サラリーマンの働き方はゲー…

テンポラリー・シャットイン(一時的引きこもり)の勧め

今日の記事を一言でいえば、疲れたら一日くらい引きこもってもいいんじゃない?、と言う内容です。 一日くらい ・・・ テンポラリー ひきこもり ・・・ シャットイン って勝手に言葉を作ってみました。 別にひきこもらなくても、自分の好きなことをする日を…

10分で人の本質を見抜く方法

就職の面接や、毎年の評価の面接で、その人のいったい何がわかるのか? そんな疑問を持つ人も多いことでしょう。 私自身多くの面接を担当してきました。 その個人的な結論ではありますが、「10分話せばわかる」と考えています。 もちろん極めてまれに、そ…

労働時間の切り売りから抜け出そう

仕事の合間にヤフーニュースを見たら、弁護士ドットコムのこんな記事が、トップに出ていました。 若者が「ブラック企業」を見抜くポイント http://www.bengo4.com/topics/853/ 書かれている内容は一言でいえば、「法律的な知識を踏まえて会社の本質を見抜こ…

適材適所をうみだすターンオーバーマネジメント

アクセンチュアの先輩であり、今仕事でもご一緒させていただいている、舞田竜宣さんの連載記事を読んで、そのわかりやすさに感動しました。 問いかけに対する回答をまとめる形での連載なのですが、賛否両論を併記したうえで結論を導いているので、とても説得…

大半の目標管理制度が機能していない理由

今日は10月9日です。 3月決算の会社であれば、半期が終わって1週間と少しですね。 多くの会社で、目標管理制度の半期分の評価が始まるころです。 大変ですよね。 特に上司のみなさん。 4月に目標をたてさせて、面接をして、6か月がたってみて、さて目標が機…

「金塊ロジック」で「景気が良くなる方法」を考えてみた(3)

前回の続きです。 「金塊ロジック」で「景気が良くなる方法」を考えてみた(1) 「金塊ロジック」で「景気が良くなる方法」を考えてみた(2) 経済学を学ばれた方は、ここまで私が前回書いた内容が、金本位制に基づく重商主義のロジックだと気付かれたかも…

「金塊ロジック」で「景気が良くなる方法」を考えてみた(2)

前回の続きです。http://hirayasu.hatenablog.com/entry/2013/10/05/221558 景気≒実質GDPだとして、景気を良くする≒実質GDPを増やす方法を考えてみます。 消費が増えるか 投資が増えるか 政府(通貨を発行している主体)からの支出が増えるか 貿易で黒…

「金塊ロジック」で「景気が良くなる方法」を考えてみた(1)

景気がよくなる、ってよくわからなくないですか? そもそも景気ってなんでしょう? 実は景気を正確に説明できる人はいません。 そもそも景気動向、って海外にはない単語です。 例えばアメリカでは個人消費、雇用統計、住宅市場、といった個別の具体的な指標…

「金塊ロジック」で「お金の量」を考えてみた

自分の頭の整理のために、「金塊ロジック」(by平康)でいろいろと考えてみます。 今回はマネーサプライ(あるいはマネーストック)についてです。 「金塊ロジック」(by平康)とは、2013年9月28日のこの記事に書いた内容を、単純にネーミングしたものです。…

お金のカラクリがやっとわかってきた……気がする

お金、というか通貨がなぜ存在することができているのか、ずっと疑問に思っていました。 もちろん、理屈はわかってはいるのですが、なんというか実感がわきませんでした。 それが、ひょんなことから「通貨の本質とはこれか!」と気づいたので、書いてみます…

「上から目線スタンス」と「謙虚なスタンス」のどちらが得なのか

初対面の人と出会った時のスタンスには、大きく2種類ありますよね。 上から目線のスタンス と 謙虚なスタンス こうして書くと、「謙虚なスタンス」をとる人の方が良い人のようですが、実はそうでもなかったりします。 ちなみに私はどちらかと言えば、「謙虚…

ワンランク上をめざすビジネスパーソンにお勧めの本

「うっかり一生年収300万円の会社に入ってしまった君へ」 という拙著の紹介が、意外なところに掲載されていました。 アカデミーヒルズの小林麻実さんが著された本の中に掲載されていたのです。 その本はこちら。 ワンランク上をめざすビジネスパーソンの独習…

半分が管理職になれない、って良いことじゃないの?

管理職になれない50代が55%になったそうです。 NHKのニュースにありますね。 管理職ではない中高年増加 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130912/k10014473171000.html でもよく考えると、この報道、おかしい。 まず第一に、「この20年で8ポイント余り…

企業系職業人(ビジネスプロフェッショナル)という定義

労働者が生産者(プロデューサー)になるだろう、という話を、ある大学教授との雑談で出してみました。 それってどういう意味?というご質問をいただいたので、被用者として付加価値の配分を受け取れない労働者という立場から、自身が付加価値を生み出す存在…