あしたの人事の話をしよう

セレクションアンドバリエーション株式会社 代表取締役 兼 グロービス経営大学院HRM担当准教授の平康慶浩(ひらやすよしひろ)のブログです。これからの人事の仕組みについて提言したり、人事の仕組みを作る立場から見た、仕組みの乗りこなし方を書いています。

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読書家になる二つの方法

先日書いたこの記事ですが、難しいとの声が。

40歳からの稼ぎ方 - あしたの人事の話をしよう

まあ、40歳でやってない人にはできないですよね。そりゃそうだ。

8月31日に焦っている人に、夏休みの宿題を計画的にやりましょう、ってなもんですから。

 

でも大半の人ができないからといって、それを認めればいいのか、というとなかなかそういうわけにもいかないかなぁ、と。

それに今日がその人にとっての8月31日ってわけでもないし。

 

で、今日は私が新人たちによく話す、読書家になるための方法を書いてみます。

ちゃんと読書ができれば勉強もできるようになる、と思うからです。

そのための方法は二つです。

ちなみに、先人たちは素晴らしいもので、私が独自に編み出したと思っていたこれらの方法にも、ちゃんと固有名詞があるのですよね。

ということで、固有名詞での紹介。

 

第一の方法:拾い読みする

私が新人たちにまず話す読書の方法がこれです。

良く考えると、これって拾い読みだよな、と理解したのはつい先日。なかなか自分のことはわからないものです。

 

で、方法は簡単です。

 

① 本を手に取る。

② 目次を開く。

③ 目次の中で、気になったページを開き、気になったところだけ読む。

④ また目次に戻る。

⑤ ③~④を繰り返す。

 

本を読む習慣がない人は、まずこれから始めましょう、ということを話します。

それだけで十分だ、と言う言葉を添えて。

その理由はのちほど。

 

第二の方法:流し読みをする

第一の方法、拾い読みをしたあとでもまだ本を開いておく気になるのなら、この方法を勧めます。

この方法は、第一の方法よりも、手順としてはもっと簡単。

時間はかかりますが。

 

① ページを開く。

② ざっとながめる。

③ 次のページを開く。

④ ①~③を最後のページになるまでくりかえす。

 

200ページくらいの本だったら、5分もあれば最後まで行きます。

そうして、一冊読み終えた気分になれる。なんてお得なんでしょう。

 

 

この類の話は、大学生への講義のときにも話します。

そのとき、必ずこう申し添えます。ここで申し添える言葉が、拾い読みを勧める理由でもあります。

 

「本を読むということは、知識を得る、ということが目的です。

 でも、それよりも大事なことがあります。

 それは、自分の中の気づきを得ることです。

 私が勧める方法では、知識は得られません。

 でも、君の心にささる一文に目を留めることができるようになります。

 その一文が君の人生を変えることもあります。

 その一文は、友人との会話の中では決して得られない一文だったりします。

 また、本のページを最後まで繰ることにも意味があります。

 読書を高尚なこととは思わないでください。

 ただの暇つぶしでかまいません。

 まず一冊、今日プレゼントした本を、最後のページまで繰ってみてください。

 それが君の自信になりますから。」

 

買ったままの本を放置しておられるかたがいれば、ぜひ試してみてください。

 

 

平康慶浩(ひらやすよしひろ)