あしたの人事の話をしよう

セレクションアンドバリエーション株式会社 代表取締役 兼 グロービス経営大学院HRM担当准教授の平康慶浩(ひらやすよしひろ)のブログです。これからの人事の仕組みについて提言したり、人事の仕組みを作る立場から見た、仕組みの乗りこなし方を書いています。

まじめな話と、雑感(よしなしごと)とがまじっているので、 カテゴリー別に読んでいただいた方が良いかもしれません。 検索エンジンから来られた方で、目当ての記事が見当たらない場合 左下の検索窓をご活用ください。

人材開発

労働分配率を下げる人事改革のポイント

労働分配率を人事改革の指標にする事情 決してやってはいけないこと 1つ目の方法は、人件費を「薄める」こと 2つ目の方法は、活躍を「早める」採用と育成 ジョブ型になると根本から変わる可能性も 労働分配率を人事改革の指標にする事情 弊社、セレクション…

「優秀に見えないのに出世した人」に学ぶ出世術

卒業基準と入学基準 「出世の判断基準」と「働き方の変化」 職場の「半径数メートル以内の視点」 「優秀な人」という誤解 入学基準を満たすために必要な行動 「仕事に人をあてがう」傾向 次に求められる仕事を考える 「出世の判断基準」と「働き方の変化」 …

資産運用会社全体での人事のありかた

■人事の基本 【人事要素全体像】 ■資産運用会社の組織図の特徴 ■資産運用会社人事の基本は「職種別」 ■専門性と成果の評価が作り出す労働市場 ■成功している資産運用会社の人事の特徴 【人事要素全体像における、8つの特徴配分】 組織は戦略に従うといいま…

プレイングマネジャーの行動変革について講演しました

HRカンファレンス2021年秋がスタートしています。 私も今日登壇したのですが、おかげさまで、受講者の皆様から高い評価をいただきました。 絶賛いただいた方々からは以下のようなご感想が。 「会社がマネージャーに何を期待するかによって人事として対応すべ…

育て上手な会社になるための教育のコツ

※当記事は三井住友銀行経営懇話会向けの会報誌Netpress(ネットプレス)からの依頼で平康慶浩が執筆した内容を転記したものです。 当記事のポイント======= 1.新入社員のハズレ社員化は、現場丸投げと、社内に多数存在するあきらめ社員が原因です。…

ダメ出しから始めるよりも良い育て方はある

旧いタイプの教え方に、まず自分なりの方法でやらせてみる、というものがあります。 そして結果がダメだったら修正しながら教えるというやり方です。 比較的年配の方にこの方法をとられる人が多いのではないでしょうか。 この方法は、教える側にメリットがあ…

新人育成プログラム、はじめました

人事制度を設計した会社の方から、従業員教育もお願いされることがあります。 弊社ではそのための知見を蓄積していて、今までは主に4タイプの研修を実施していました。 ・経営層/経営幹部候補向け研修 ・リーダー/マネジメント層向け研修 ・プロフェッショナ…

「未来の教室」をつくります

昨年末から進めてきた取り組みが、一つの形になりました。 経済産業省が中心になって進めている、人生100年時代の新しい教育の実践としての「未来の教室」プロジェクトを、弊社、セレクションアンドバリエーションもご支援することになりました。 提言の中心…

やるべきことを足すよりもやらないことを引く方がいい

思いつくたびに部下に仕事を指示する上司がいます。 でもしばらくしてみてもなにもできていない。 説教しても後の祭りです。 多分、若いうちはいいんですよね。特に部下側が20代とか新人の場合なら。 だとすると仕事はすぐに終わることばかりなので、思いつ…

これからの教育トレンドは「大人の性格教育」だと思ってる

僕は本業以外にもいくつかの活動をやっている。そのひとつが、一般社団法人高度人材養成機構というものだ。 で、この組織で先日、こんな提言を発表した。 人生100年時代における人材流動性を高める取り組みについての提言 www.koudojinzai.com リンクの先に…

決断力は育てられる

今週の日経スタイルでは、いつでもだれでも鍛えることができる「決断力」について書いた。 style.nikkei.com 内容は一言で言えば、常に説明責任を意識して仕事をしよう、ということだ。 要はこのあたりは、以前書いたスキルの汎用化とつながるお話なわけで、…

人材の二極化が進む会社

以前お手伝いしていた会社の人事責任者が変わられたということで、久しぶりに顔を出してきた。 そして、弊社が人事制度設計を行ったときと今との違いをいろいろと伺っていたのだけれど、懸念されていた二極化が進んでいて、それが5年後くらいに問題になるん…

教育研修サービスの一覧をつくってみた

僕が経営しているセレクションアンドバリエーション株式会社は、基本的には人事制度を設計することを主な事業としている。 しかし、制度を作ったあと、評価者への教育が求められることが大半だ。 また、そもそもの制度改革の目的である、マネジメントレベル…

育て上手な会社になるための教育のコツ

SMBCコンサルティングから、三井住友銀行の経営懇話会メンバー向けに「従業員教育の重要性を示すようなコラムを書いてほしい」という依頼を受けた。 それを書き上げたのが4月中ごろで、今回WEB上でも公表された。 それが以下のpdfだ。 「育て上手…

組織におけるアセスメント活用

労政時報に特集記事が掲載された。 2017年4月14日発行の、3928号だ。 本誌の特集記事なので、WEBでは、労政時報定期購読者しか読むことができない。 ので、とりあえずタイトルだけ貼ってみる。 www.rosei.jp 多分、現時点で、企業の中でのアセスメントを…

人材マネジメントはストック型からフロー型へむかう

エース証券が主催している、KANSAIアントレプレナーズクラブの勉強会で登壇してきた。 以下のページの真ん中くらいに、ピンクのネクタイとワインレッドのサスペンダーで、まるっとしているのが僕だ。 KANSAIアントレプレナーズクラブ 第九回勉強会|ス…

人を選ぶ基準は一言で言えば「失敗を許せる基準」だ

会社の中の人事制度を作っていて、昇格とか昇進とか任用とかの条件を作ることがある。 ちなみに今あげた3つの用語は、現場ではこういう意味の違いがある。 昇格:会社の中の等級をのぼること。 例)3等級から4等級に昇格した。 S3等級からM1等級に昇…

三井住友銀行の実務シリーズを執筆しました

************************************ 「これからの経営とは、過去の成功体験に基づいた『完成されたビジネスを維持する』ことではなくなります。そして経営幹部に求められる力もまた『過去の成功体験の繰り返し』では…

「決めようとしないのに決まる」経験がリーダーを壊す

組織のリーダーの要件はいろいろと言われているけれど、僕自身は「決めること」だと思っている。 なぜこういうことを言うかと言えば、リーダーの要件は「戦略を立てられること」だという人に出会ったからだ。 たとえば、ソフトバンクによるARM買収は、孫…

(再掲)レモンマーケット論(3):「使い勝手の良さ」が優秀さの証?

前回までの記事はこちら。 何度かに分けて書いていると、そもそもの論点がぶれやすいので、思い出してみます。そもそも、日経新聞2013年4月8日の社説「元気な社会へ新たな雇用ルールを」、についての感想から記事を書き始めました。だから、日本における新た…

年収が市場価値で決まり始めると人事評価の意味が減ってゆく

2015年の夏頃から、名だたる欧米の企業で年次業績評価制度を廃止した、という報道がされている。 僕が昔在籍していたアクセンチュアもその中に含まれているので、実際にどんな改革を進めたのかを聞いてみたりもした。 また、他の会社での改革についての調査…

ファンにする経営が必要な時代(セミナーの紹介)

今年(2016年)の夏にかけて、経営層向けの限定セミナーの開催を計画している。 最初は本にしようと思っていたのだけれど、内容的にターゲットがそれほど多くはないだろう、と考えたためだ。 詳細は後日告知するけれど、概要は以下のようなもの。 興味のある…

マネジメントアセスメント(多面評価)はじめました

セレクションアンドバリエーションとして、新しいサービスをリリースすることになった。 詳細は以下のリンクを見てほしい。 お伝えしたいことは上記のページにすべて記載しているのだけれど、要はこういうことだ。 管理職に、自発的に改善を促すためのツール…

人事では、制度と運用のどちらが大事なのか

■ 人事の仕組みと運用は補完的 人事制度は、仕組みそのものよりも運用が重要だ、と言うことをよく言われる。 たとえばこんな場合だ。 ・どんな仕組みをつくっても、評価者がダメだったら、制度はうまく機能しない ・精緻な仕組みをつくっても、そもそも使わ…

早期選抜の上手な進め方

僕が早期選抜の重要性を強く感じはじめたのは、一昨年からだ。 その頃、とある大手メーカーの人事制度改革を担当していた僕は、海外から招へいされたマーケティング担当役員と話す中で、あることに気付かされた。 第一に、海外のエグゼクティブは若い、とい…

人材育成は組織の弱みを引き下げ、強みを高めるために行う

セミナー講師をしている関係で、雑誌の取材を受けた。 SMBCマネジメント+(プラス)。 三井住友銀行系列の人材教育会社、SMBCコンサルティングが発行している月刊誌だ。 雑誌のHPはこちら。 SMBCマネジメント+(プラス) : Business Watch : SMB…

ソーシャルスキル育成の指針

今日紹介したい論文は、「ソーシャル・スキルの育成」(2012、松本有貴、山崎勝之)というものだ。 最初に断っておかないといけないが、この記事の最後にネタばらしをする。 ばらした内容を見て「なるほど」と思う人もいるだろうけれど、「なんだこれは」と…

OJTで部下を育てることは4つのことを思い出させること

部下に職務を与え、伸ばそうとすることはすべての管理職の役割だ。 昨日書いた記事でも少し言及したけれど、 経験には5段階の質がある【職務経験ラダーの紹介】 - あしたの人事の話をしよう部下育成は管理職にとって「心地よい習慣」になる。 特別に意識せ…

経験の質は5段階 ⇒職務経験ラダーという考え方

コンサルタントの仕事の一つに、学問的に研究されている内容を現実に適用してみる、いうものがある。 人事コンサルタントの世界にももちろんそれはあって、そもそもは目標管理とかコンピテンシーだってそういった活動の一環だった。 今僕が着目しているのは…

2050年に向けた新人研修

僕にしては珍しく、一般社員向けの研修を請け負った。 管理職手前、よりももうちょっと手前の層。 若い新卒がメインだけれど、中堅の女性一般職(元。この会社で人事制度を改革し、一般職は廃止したため)、再雇用のシニア社員などが含まれる。 この層に対す…