あしたの人事の話をしよう

セレクションアンドバリエーション株式会社 代表取締役 兼 グロービス経営大学院HRM担当准教授の平康慶浩(ひらやすよしひろ)のブログです。これからの人事の仕組みについて提言したり、人事の仕組みを作る立場から見た、仕組みの乗りこなし方を書いています。

まじめな話と、雑感(よしなしごと)とがまじっているので、 カテゴリー別に読んでいただいた方が良いかもしれません。 検索エンジンから来られた方で、目当ての記事が見当たらない場合 左下の検索窓をご活用ください。

人事部門改革

ジョブ型人事導入講座2:職務等級制度を導入しても「ジョブ型」にならないことは多々あります

メンバーシップ型人事の本質は年次管理と年功序列 職務等級制度に変えたけれど年功が残ってしまった例も多い 数千円の昇給差にショックを受けてきた今の50代以上世代 メンバーシップ型人事の本質は年次管理と年功序列 中途採用の目的が変わっているから、人…

セレクションアンドバリエーションの人事コンサルティングについて

私が経営している、人事コンサルティングファームのセレクションアンドバリエーションについて質問を受けることが多いんですが、ホームページに記載している内容がわかりづらいっぽいので、そちらを修正する間、こちらに記載しておこうと思いました。 人事コ…

マネジャーの役割は波風を立てること

「弊社はプレイングマネジャーしかいないので改善したいと思っています」 そんな問合せを受けるときがあるのですが、そこで「では管理職教育をしましょう」とか「管理職に対する期待と責任を明確にする仕組みを導入しましょう」とかの答えはしません。 「な…

人事部の将来について

日本人材マネジメント協会という、「日本におけるHRMプロフェッショナリズムの確立」を趣旨とした組織がある。 JSRHM そこで発行している「インサイト」という雑誌の2017年7月号に、私のインタビューが掲載された。 まだWEB上でオープンにできないので、…

人はきっと変化を受け入れられる

変革というのは、適性がもともとあった人たちに受け入れさせるものであって、適性がない人たちを適性がある人に変えるわけじゃない、と概ね考えられてきたんじゃないだろうか。 そんなことを、20年ちょいの人事コンサルタント生活で実感してきた。 でも、さ…

【人件費の近未来1-4】 高まった生産性の分だけベースアップする

(当記事は、月刊人事マネジメント2014年3月号から1年にわたって連載した記事を、2015年の現状にあわせて加筆修正したものです。) 前回記事はこちら。 【人件費の近未来1-3】 いくらベースアップすればいいのか - あしたの人事の話をしよう 2015年度対応は…

【人件費の近未来1-3】 いくらベースアップすればいいのか

他社よりも先んじてベースアップを実施すれば、労働市場では優位に立ちやすくなる。 しかし他社がまったく対応しない状況で、自社だけが対応するとすれば、利益率を若干押し下げてしまう。 ベアを実施したところで、社内のモチベーションが中長期的にプラス…

【人件費の近未来1-2】 ベースアップを取り巻く要因

ベースアップは行うべきなのか。 消費税10%への再引き上げは延期されたが、5%から8%への引き上げ影響は意外なほどに大きかった。 2014年のベースアップ平均は約2%だったが(連合発表)

【人件費の近未来1-1】 人件費には4つの性質がある

(当記事は、月刊人事マネジメント2014年3月号から1年にわたって連載した記事を加筆修正したものです) 今回からの連載では、人事部門に直面する人件費についての課題を、4つの性質を踏まえて解きほぐしていく。 可能な限り、人事部門がとるべき選択肢も具…

【6-2】従業員の声はまず管理職から

前回記事はこちらから【6-1】風通しのよい一枚岩の組織をつくる - あしたの人事の話をしよう ■ 従業員の声はまず管理職から 情報公開が進めば、そこから発生した従業員の声をどのように集めるのか、ということが次の課題になる。 そのためにアンケートや匿名…

【6-1】風通しのよい一枚岩の組織をつくる

前回記事【5-3】退職を卒業に変えれば、スモールワールドネットワークが生まれる - あしたの人事の話をしよう ■ 意外に伝わらない経営の思い 年初や半期ごとに全社集会を開催したり、あるいは社内報を発行したりすることで経営層メッセージを発信している会…

僕が考える人事制度の本質(2014年10月13日版)

「変化の時には本質に手の届く人が出世する」 と言う言葉を本に書いた。 出世する人は人事評価を気にしない (日経プレミアシリーズ) 作者: 平康慶浩 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社 発売日: 2014/10/09 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る じ…

社員が少ないからと言って人事制度設計は簡単じゃない

100人以下の会社で人事制度設計を頼まれることがあるが、僕はコンサルティングにかかる費用を値引きすることはない。 なぜかといえば、人数が少ないからこそ、制度設計が大変なことが多いからだ。 たとえば100人の会社と1000人の会社があるとしよう。 人事制…

人事評価制度改革についての個別無料相談会を実施しています

セレクションアンドバリエーションでは、毎月2日間にわたって、人事評価制度についての個別無料相談会を実施しています。 開催場所は大阪北ヤードにある、グランフロント北館7階、ナレッジサロンにて。 1社につき1時間をフルに使って、様々なご相談にお…

【5-3】退職を卒業に変えれば、スモールワールドネットワークが生まれる

Photo by HotDuckZ creative commons 前回記事【5-1】わが社の定年退職者を幸せにするために ■ アルムナイ(卒業生)を組織する ハッピーな退職の仕組みをつくるための、小手先でない第2 の方法を説明する。 それは、アルムナイのネットワーク化だ。 アルム…

【5-2】わが社の定年退職者を幸せにするために

前回記事【5-1】定年制度とは城か檻か -ハッピーな退職のためへの思考と仕組み Photo by hapal creative commons ■ 退職が不幸になる理由 かつて定年退職がハッピーであったのは、潤沢な退職金や年金が保証されていたからだ。 土地神話も存続していたので、…

【4-3】経営者が知りたい「優秀さ」とは

前回記事【4-2】まず新人からはじめよう ■ 知りたいのは「成長する人材」 前回記事に記載したように新人だけを可視化しても,対象人数はわずかだ。 社歴の長い会社であれば在籍している従業員は,60歳定年としても38年次にわたる。65才定年であれば、43年次…

【4-2】まず新人からはじめよう

前回記事【4-1】誰が優秀なのか、なんてわかりきってる ■ 新人の自己紹介よりも、人事が新人紹介をする 最初の答えは,新人情報の可視化だ。 それも社内報に掲載されるような自己紹介などではない。 人事の目線で,どんなスキルを持ち,どんな行動をし,中途…

【4-1】誰が優秀なのか、なんてわかりきってる

前回記事【3-3】課題を解決するだけでは二流 前回,「経営者に気づきを与える存在こそが経営ブレインだ」と書いた。 今回紹介する記事ははその“気づき”の最たるものであり,まさに人事担当者の醍醐味でもある。 第1 回で書いたこの連載の趣旨は,「企業を成…

課題を解決するだけでは二流

前回記事【3-2】経営企画や財務経理じゃなくて、人事部門だけが持つ強みがある 人事部門のあなたに対して,社長が与える課題を思い出してみよう。 まず,きれいな課題ならこうだろう。 「優秀な人材を採用したい」 「いち早く従業員を育てたい」 「社員を自…

経営企画や財務経理じゃなくて、人事部門だけが持つ強みがある

前回記事【3-1】人事部門が儲けの仕組みに貢献する方法 ■ 分析後対応こそが人事の強み 人事部門の圧倒的な強みはなにか? それは適正配置を提言できるということだ。 前回の例では,分析後2 種類の対応を提案した。 「拠点別・部門別生産性分析」で判明した…

人事部門が儲けの仕組みに貢献する方法

前回記事【2-3】役員を育てる人事機能とは まず理屈や必要性よりも先に、人事部門が儲けの仕組みに貢献する方法を説明しよう。 それは生産性についての分析資料を作成し,提示することから始まる。 ■ 生産性分析資料の作り方 「生産性の分析」というと付加価…

役員を育てる人事機能とは

前回記事【2-2】「新しい役員」の3つの役割 では人事として,どのように役員を育てる機能を持つのか。 もちろん,人事担当役員や人事部長が役員を教育するという意味ではない。 人事が役員を育てるために持つべき機能は,日々の活動のなかにこそある。 ここ…

「新しい役員」の3つの役割

前回記事【2-1】旧き良き役員は不要になる へ ビジネス最前線での指揮官としての役員の役割は3 つある。 1 つ目は,そのなかでも最も重要な「意思決定」だ。 「持ち帰って検討します」と答える役員に存在価値はない。 YES-NOをはっきりと自己責任で答えるこ…

旧き良き役員は不要になる

前回記事【1-2】人事にしかできない仕事とは へ 長らくの間,役員とはキャリアのゴールだった。 長い会社員生活のなかで培った社内外の人間関係をもとに,社内や取引先との調整を円滑に進める立場。 そうして役員退任後は理事になったりもした。 しかし今や…

人事にしかできない仕事とは

前回記事【1-1】「できる人事」の条件とは へ 経営者側の目線に立って一言でいえば,経営企画の仕事は「経営の道筋を示すこと」だし,財務経理なら「損をさせないこと」だ。 では,人事の場合,人事制度を改定したり,人材を教育したりして,それが経営にど…

「できる人事」の条件とは?

【連載1-1】 あなたはルーチン業務に忙殺されていないだろうか。 勤怠を集計して給与計算を行ったり,入退社に合わせて社会保険手続きを行ったり。 半年毎,あるいは年次単位での定期的な評価の運営も大変だ。 評価スケジュールを周知して,結果を回収し,提…