あしたの人事の話をしよう

セレクションアンドバリエーション株式会社 代表取締役 兼 グロービス経営大学院HRM担当准教授の平康慶浩(ひらやすよしひろ)のブログです。これからの人事の仕組みについて提言したり、人事の仕組みを作る立場から見た、仕組みの乗りこなし方を書いています。

まじめな話と、雑感(よしなしごと)とがまじっているので、 カテゴリー別に読んでいただいた方が良いかもしれません。 検索エンジンから来られた方で、目当ての記事が見当たらない場合 左下の検索窓をご活用ください。

人事戦略

ジョブ型人事導入講座3:ジョブ型人事は年功序列からリアルタイム制への転換です

ジョブ型人事の本質は労働市場とのタイムリーな関係性構築 職能等級型が年功運用の代名詞になってしまった2つの理由 ジョブ型人事が生きる4つの環境変化 人口減少社会では生産性の引き下げ圧力が強まる 新しい技術や知見を使いこなす人・組織が勝つように …

ジョブ型人事導入講座2:職務等級制度を導入しても「ジョブ型」にならないことは多々あります

メンバーシップ型人事の本質は年次管理と年功序列 職務等級制度に変えたけれど年功が残ってしまった例も多い 数千円の昇給差にショックを受けてきた今の50代以上世代 メンバーシップ型人事の本質は年次管理と年功序列 中途採用の目的が変わっているから、人…

令和になぜ「ゆるブラック企業」がクローズアップされるのか

「ゆるブラック企業」ってどんな会社 最初に改善されたのはブラック企業 バランスとアズライフの二極だった平成日本 ブラック企業とワークアズライフの違い 高齢化やインフレなどの将来不安が積もってゆく 経営者は成長の椅子を増やさなくてはならない 人事…

労働分配率を下げる人事改革のポイント

労働分配率を人事改革の指標にする事情 決してやってはいけないこと 1つ目の方法は、人件費を「薄める」こと 2つ目の方法は、活躍を「早める」採用と育成 ジョブ型になると根本から変わる可能性も 労働分配率を人事改革の指標にする事情 弊社、セレクション…

資産運用会社全体での人事のありかた

■人事の基本 【人事要素全体像】 ■資産運用会社の組織図の特徴 ■資産運用会社人事の基本は「職種別」 ■専門性と成果の評価が作り出す労働市場 ■成功している資産運用会社の人事の特徴 【人事要素全体像における、8つの特徴配分】 組織は戦略に従うといいま…

プレイングマネジャーの行動変革について講演しました

HRカンファレンス2021年秋がスタートしています。 私も今日登壇したのですが、おかげさまで、受講者の皆様から高い評価をいただきました。 絶賛いただいた方々からは以下のようなご感想が。 「会社がマネージャーに何を期待するかによって人事として対応すべ…

風変わりな従業員のための人事制度がイノベーションを起こす

イノベーションがこれからの必須課題となります、というお話をそこかしこでしています。 人生100年時代とかVUCAとかコロナショックとか、いろいろな理由はありますが、とにかく変化が激しくなっているからです。 弊社名であるところの、セレクション&バリエ…

経営者は従業員経験をつくる人になってゆく

エンプロイー・エクスペリエンス、という言葉があります。 EEと略すこの言葉は、従業員に経験を積ませることでいち早く成長させることができる、という人材育成の考え方です。 多くの人事関連有識者が示すように、これからの人材マネジメントの主流になって…

セレクションアンドバリエーションの人事コンサルティングについて

私が経営している、人事コンサルティングファームのセレクションアンドバリエーションについて質問を受けることが多いんですが、ホームページに記載している内容がわかりづらいっぽいので、そちらを修正する間、こちらに記載しておこうと思いました。 人事コ…

子会社が自立するための人事の仕組み

今日は会社の成長を実現するための人事改革のお話です。 子会社の人事制度を設計する際には、注意すべき前提がある、ということは常々理解していました。 これまでも外資系製薬会社の子会社とか、大手商社の子会社とか、ゼネコンの子会社とか、銀行の子会社…

従業員の成長と昇給とを連動させる仕組み

つい先日のことですが、長年顧問をさせていただいている会社から、新規事業向けの人事制度構築を依頼されました。 2020年の半ばから試行しはじめていているそのビジネスは、担当する従業員5名未満で、まだ単月黒字にもなっていません。 けれども、業界的には…

HR-PROでセミナー登壇します

日本最大級の人事ポータル、HRPROで、人事戦略策定、制度変革に向けたセミナーに登壇します。 www.hrpro.co.jp 似たようなテーマで、弊社内でセミナーをすることもあるのですが、これまでは基本的に1時間セミナーでした。 しかし、今回のセミナーは、13時~1…

新しいメンバーシップ型企業は20代と60代を活かして伸びる

今どきの高齢者は若い、と言われていましたが、自分が50歳を超えて実感したのは、やっぱりいろいろと衰えるよね、という事実でした。それでもなお、手塚治虫が描いた1974年の50代よりはずいぶんと若く見えるわけです。https://togetter.com/li/1232900 そし…

翻訳家としての人事コンサルタント

コンサルタントをしていると、1回だけのご縁のお客様と、長く続くお客様とに分かれることを経験します。 そうして人事コンサルタントとして長くお付き合いさせていただいているお客様について考えてみると、求められてきた機能のひとつに「翻訳」があったよ…

ジョブ型人事セミナー実施しました

HRカンファレンス2020秋でのセミナー、無事完了しました。 メンバーシップ型に対するアンチテーゼとしてではなく、歴史的な経緯を含めた理解を促進するジョブ型の説明が好評でした。 セミナー資料については、日本の人事部サイトからダウンロードできます。 …

メンバーシップ型ドラゴンボールにジョブ型ワンピース

ジョブ型人事制度構築へのご相談が増えています。 ただ、メンバーシップ型とジョブ型の違いが今一つ理解されていないので、簡単な説明としてドラゴンボールとワンピースを例に挙げて説明するようにしています。 その一部を今回ご紹介してみます。 ポイントは…

日本企業がジョブ型に移行するための2つの課題

登壇している経営大学院で「ジョブ型の人事制度は自社にも適用されると思うか」という質問をなげかけてみました。 結果は半々。 大企業に勤めている方が多いということもあるかもしれません。 中でも興味深い意見がありました。 「うちの経営陣はメンバーシ…

ジョブ型になるには心理的安全性が必要

生活スタイル変化のきっかけのひとつは、依存先が多様になったことだと思っています。 つまり家族や親族に頼らなければ生きていけなかった状態から、社会インフラの整備とともに個人で生きてゆけるようになったことです。 かつては炊事、洗濯、掃除などは一…

HRカンファレンス2020春で上位3社に選ばれました

2020年春のHRカンファレンス(大阪)で、視聴者が選んだ満足度上位講演の3社に選ばれました。 大変光栄です。 jinjibu.jp 今回の後援は、すべてがzoomを通じたウェビナーでした。 グロービスでの講義がすべてリモートになっており慣れているとは思っていたの…

「働く」ということが大きく変化している気がしています

Josh Bersinをフォローしています。 知っている人はそりゃ当然でしょ、でしょうし、知らない人は誰それ?って感じだと思います。 興味を持たれた方はこちらのサイトとかご覧ください。 joshbersin.com 英文ですが、Google先生が一瞬で翻訳してくれるので気に…

ノーレイティングの制度設計の実際を寄稿しました

月刊人事マネジメントという人事の専門誌がありますが、こちらに新しい特集記事を寄稿しました。 タイトルはそのものずばり。 HRガイド:ノーレイティングの導入 ~うまくいく制度設計と組織運用のコツ~ www.busi-pub.com 案外、ノーレイティングの制度構…

ジョブ型になるとワンチームであることの重要度が高まる

会社の人事の仕組みのお話です。 コロナによるリモートワークで、人事制度・運用の界隈ではあらためて「ジョブ型の仕組みが必要だ!」的な論調が強くなりつつあります。 つい先日もグロービスのHRMの講義でそんな話をしました。 もちろん「メンバーシップ型…

20才と70才が同じような成果を出せるマネジメントを実現したい

曜日感覚はもとからそれほどなかったのですが、従業員を全員在宅にしたことでオフィスに私しかいない状態になり、毎日が水曜日状態に感じられる日々です。活力いっぱいの月曜でもないし、週末が楽しみな金曜でもなく、水曜日。ほぼ平常運転が続く日々です。 …

日本ではなぜ玉虫色の仕組みが好まれるのか

本業の順調さ&多忙さを理由にして1年以上逃げていた新刊執筆から、とうとう逃げられなくなりました。 日経スタイルの連載記事もたまっていて、それらを加工して本を書くのでもよい、とは言われたのですが芸がない。 で、コロナショックの最中ということもあ…

企業の成長戦略とはお金の使い方を決めること

人事制度とは人事戦略を実現するための仕掛けであり、人事戦略とは経営戦略を実現するための要素です。 だから長くお付き合いさせていただいているクライアントからは、経営戦略策定のファシリテーションとかワークショップを依頼されるようになることもあり…

社長の私が、採用面接するのをやめました

小さい会社はどこでもそうだと思うんですが、弊社でも採用時の面接は私が行っていました。 もちろん、最初は私一人しかいませんからそりゃ当然。 二人目の採用も、三人目の採用も、四人目も、五人目も、そのつぎも。 みんな私が採用面接をしてきました。 こ…

人事改革のシズル

シズル、という言葉をご存知でしょうか。 営業コンサルタントのエルマー・ホイラーさんが1930年代に提唱した概念だと言われていますが、私自身が知ったのは20年ほど前、はじめて飲食チェーンの人事制度設計を手掛けたタイミングでした。 原著は何度か邦訳も…

人生100年時代は退職金も超大事

人事制度全般をつくるセレクションアンドバリエーションですが、なかでも特に専門性の高い領域については、別の専門家にお任せする場合があります。 そのひとつが「退職金」に関する諸制度。 一般的な評価報酬制度が在職中のものであるとしたら、退職金は、…

なぜ大企業ほど新卒給与に差をつけられないのか

メルカリが新卒の給与に差をつける、ということが報道された。 ちなみにそのための人事制度は「メルグラッズ」という名前らしい。 about.mercari.com 多くのニュースでは初任給格差だけがとりあげられているけれど、アスキーの上記の報道を見るともう少し詳…

成長のためには、協調より選別(セレクション)を優先する

SMBC経営懇話会の会員向けに、ほぼ毎月、人事に関する無料相談を実施している。 まあ無料といっても経営懇話会の会費(年額5万円~10万円)は必要だし、そもそも経営懇話会にどうやって入れるのかが若干よくわかっていない。 入りたい企業はとりあえ…