あしたの人事の話をしよう

セレクションアンドバリエーション株式会社 代表取締役 兼 グロービス経営大学院HRM担当准教授の平康慶浩(ひらやすよしひろ)のブログです。これからの人事の仕組みについて提言したり、人事の仕組みを作る立場から見た、仕組みの乗りこなし方を書いています。

まじめな話と、雑感(よしなしごと)とがまじっているので、 カテゴリー別に読んでいただいた方が良いかもしれません。 検索エンジンから来られた方で、目当ての記事が見当たらない場合 左下の検索窓をご活用ください。

2013-01-01から1年間の記事一覧

キャリアの棚卸しをする2つの視点 スペシャリストとプロフェッショナル

転職を考えるとき、キャリアの棚卸しをする人が多いと思います。 履歴書と職務経歴書を書きながら、過去のさまざまな出来事に思いをはせることになります。 そういえば新卒の年にこんなことがあったな。 係長昇任のときには、こんな仕事が決め手になったんだ…

「倍返し」なんていらない

半沢直樹、面白いですね。 私も毎回楽しみにしています。 さて、今年の流行語対象にもノミネートされそうな勢いの「倍返し」。 物語の中では、悪辣な上司に対して、弱い立場の部下がさまざまな手を駆使して立ち向かいます。そのことで「倍返し」に成功するわ…

サラリーマンを労働者と考えないほうがよくなってきている

あいかわらずいろいろな会社で人事制度をつくっています。 そんな中、サラリーマンという存在が変わってきていることを実感しています。 私は人事コンサルタントとしては、経済学をベースに仕組みを考えるタイプです。 他のタイプとしては、労働法をベースに…

あしたの人事は実は「成果主義」じゃなかったりする

成果主義、というとまあ、ほとんどのサラリーマンがなにがしかの見解を持っている言葉になりました。とはいえ、その見解の大半はいくつかのパターンにわけられます。 大きくは3パターンでしょう。 肯定派、否定派、改善派、といったところではないでしょう…

あしたの人事の話をしよう

ブログのタイトルを変えてみました。 そこで新タイトルにあわせて、いくつか「あしたの人事」、つまり「新しい人事の仕組み」について、軽く語ってみたいと思います。 とりあえず今日は2つだけ。 ■ 専門性に専門性を積む あしたの人事では、複数の専門性を…

アフリカ民話を読んでいろいろと考えさせられました

先週、大阪の阪急百貨店で、ティンガティンガアートの実演を見ました。 ティンガティンガについての、ウィキペディアの説明はこちら。 そこで売っていた、アフリカ民話の本を買いました。 アフリカの民話~ティンガティンガ・アートの故郷、タンザニアを中心…

目標をたてるということ

先日、顧問先のとある会社で、毎月恒例の役員会に出席しました。 私の立場は経営顧問です。 その場で、とある役員が提出した、担当する事業の2年後までの目標数値について、私からつっこみました。 「去年の売上はいくらでしたっけ」 「12億です」 「今年…

正社員は安定していない/派遣社員がいいわけではないけれど

今派遣社員の方に向けて、派遣社員の問題を、人事の仕組みの観点から解きほぐしてみます。 こんな記事が最近出ました。 派遣最長3年 制限は個人ごと 厚生労働省の「今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会」が、3年ごとの派遣制限を、個人別にしては…

日本で若者が起業しない理由を人事の観点から答えてみる

今日の日経朝刊に、「増えぬ、若者の起業」って記事が。夜になってやっと読んだんですが。「失敗の代償大きく」とかが企業が増えない原因として、大きく書かれていますね。ちょっとトンチンカンだなぁ。と思います。若者が起業しない理由ってひとつだけだと…

「2つのポイント」でブラック企業はホワイトに変わりはじめる

以下の記事の続きです。 ブラック企業経営者には「確信犯」型と「天然」型がある - あしたの人事の話をしよう (2013年8月2日) ■ ブラック企業を作り出す経営者の欲望ブラック企業経営者には2つのタイプがあると書きました。法律をあえて破っている「確信…

みんな知っておいた方がいいんじゃないかな、って思うキャリアの現在

平康慶浩です。今日の話は、(自薦他薦問わず)優秀な人材が、起業とかせずにサラリーマンの状態で、たくさんのお金を稼ぐためのキャリアの考え方です。実は今、サラリーマンにとって収入の考え方が変わっています。でもきっと、ほとんどの人は知らないと思…

ブラック企業経営者には「確信犯」型と「天然」型がある

ブラック企業という言葉が流行していますね。ブラック企業の実名を公開してみたり、その厳しい労働環境に対して法的な改善を訴えたりする方々も多い。一つ疑問に思うのは、法的に訴えてブラック企業が改善するのかな、ということです。ブラック企業の経営者…

人事の仕組みと「半沢直樹」

平康慶浩(ひらやすよしひろ)です。「旧い人事の仕組み」を壊して、「新しい人事の仕組み」を作る仕事をしています。最近「半沢直樹」というテレビドラマに夢中です。バブル世代のバンカーの物語ですね。一回見た後、もう一度見たりしています。小木曽次長…

人事の仕組みと「食事」

平康慶浩(ひらやすよしひろ)です。「旧い人事の仕組み」を壊して、「新しい人事の仕組み」を作る仕事をしています。人事の仕組みが変わっていく中で、私たちの生活にどんな影響がでているのでしょう。生活の大きな要素に「食事」があります。食事に人事の…

あなたが朝起きる時間を決めているルールがあるって知っていますか?

今回の記事はクイズから。■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□あなたの一生の大半をしばっているルールをご存じでしょうか。■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□私は会社のルールとしての人事制度、やわらかく言えば「人事の仕組み」が変わっている…

ワタミの分析からわかる、年収ランキングに意味がなくなってきているということ

■年収に興味がある人たち雑誌の特集で、必ず売れるものがあるそうです。もちろん、毎号その特集をするわけにもいかないのですが、どのビジネス誌にも年に1回は出てきます。年収ランキングがその一つです。どんな思いでこの特集を読むのかなぁ、と考えます。…

「国」について想う(よしなしごと)

クーリエ・ジャポンの9月号(vol.106)を読みました。表紙をめくった二枚目からの、クーリエ・ワールドスコープ「レンズが切り取った『世界』」に見入ってしましました。ぜひ読んでみてください。 COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2013年 09月号 [雑誌] …

すべての資格は「入場券」ですよね

お客様企業の偉い人とお話ししていて、資格のことが話題になりました。その方は研究部門の方なのでもちろん博士号をお持ちです。それに加えて、さまざまな学会での理事なども歴任されています。私自身もファイナンスMBAを取得していて、とある経済学系の…

「俯瞰」できる人が上がる

昇進のルール、として2つの記事を書きました。 昇進のルール - あしたの人事の話をしよう 昇進のルール(2) - あしたの人事の話をしよう 淡々と書くために、あえてフォントもいじらなかったのですが、上記の記事の続きである今回は、少しいじってみます。…

昇進のルール(2)

前回の記事はこちらです。 昇進のルール - あしたの人事の話をしよう (2013年7月12日)今回はその続き、新しい昇進のルールの中での生き方を書きます。■グローバル展開企業では昇進ルールが変わりつつある ここまで説明したような会社に対して、新しい基準…

昇進のルール

キャリアパス、とは長い間、「出世の階段」と同じ意味でした。過去形で書いているのはもちろん今はそれ以外の選択肢があるためなんですが、今回はまず「出世の階段」としてのキャリアパスにおいてどのように行動することがトクなのかを、人事制度の面から書…

新人研修の進め方

とある企業の新人研修の進め方を聞いてびっくりしたことを覚えています。新人に課題を与えて、時には徹夜してでもその課題を解決させるという手法です。これは、日本企業としての伝統的な方法なのかなぁ、とびっくりしつつもあきれました。なぜなら、この方…

「サラリーマンは負け組」という意見に反論してみる

ノマド礼賛とか、経営者じゃない時点で負け組だとか。そんな意見がネットでたくさん見られるようになりました。私自身一応起業しているし、わりと自由に生きているので、その意見をおっしゃる方の気持ちがわからなくもないです。ただ、ちょっとだけ反論して…

40歳定年、よりは30歳定年、のほうがしっくりくる

2012年の国家戦略フロンティア会議で提言され、その後議論されている「40歳定年制」ですが、ちょっと難しいかも、と思っています。理由は単純です。40歳で定年になっても、転職が難しいから。起業ならあり得るかもしれませんが、失敗するかもしれないことに…

トップが「我々日本人」という会社に未来はない

ちょっと前の話ですが、大きな企業グループの年頭のあいさつを聞きました。こんなことをえらい社長さんが言いました。「我々日本人は、現在の厳しい経済環境を踏まえながら~」グローバル時代と言いながら、そんな言葉をいう会社がまだあるんですよね。しか…

人事部長が更迭される時代

先日、知人と話していて、びっくりするようなことを聞きました。彼はとある巨大グループ企業系の子会社に勤務しています。子会社とはいえ上場企業でもあるのですが、親会社はさらに大きな会社です。そこで、人事部長が更迭されたということでした。不祥事と…

すべての仕組みは当初の意志を希薄化する

いろいろな会社で人事制度をつくりながら、その本質を考えたりします。以下はその本質を考えたときの雑記です。*************************************人事制度とは、一般的に昇給のためのルールだと理解されることが…

就活前の学生たちの前でお話ししてきました

大阪市立大学時代の先輩が大学講師をしておられる関係で、3年生向けに1時間ほどお話をしてきました。最近の学部生がどんなふうに話を聞いてくれるのか、大学院でしか話したことがないので少し不安だったことは事実です。でも、みんなとてもまじめに聞いて…

人事マネジメント6月号特集を執筆しました

人事マネジメント、という人事の専門月刊誌があります。ビジネスパブリッシングという会社から発行されていて、労政時報と同様に、多くの企業に人事で読まれている雑誌です。こちらの2013年6月号に特集を執筆させていただきました。よろしければご覧く…

自分の給与を二倍にする方法を考えてみよう

5月に入って、とある会社のビジネスモデルとか人事制度とかの調査分析をしています。この会社、たちあげて2年ほどで、売上も従業員も増えています。そして、売上に先行するとある指標があるのですが、その目標も毎月必ず達成しています。(この指標を書く…