汎用スキルを持つと汎用品ではなくなるということ
人生100年時代だからこそ、若いころから自分が手に入れるスキルを客観視できるようになった方が良い。
今週火曜日に日経スタイル にアップした記事はそういった内容だ。
ごく簡単に言えば、10年後にも求められる人材になるために、自分のスキルを汎用化しておこうというものだ。
もちろん、スキルの汎用化という概念は別に新しいものではない。
ポータブルスキルという言い方で、ずいぶんと昔から言われているものだ。
たとえば厚生労働省では、自分のスキルをポータブル化したい個人向けに動画を配信していたりもする。
研修として実施したい会社向けに、テキストまで作成してくれている力の入れようだ。
また、ポータブルスキルチェックのサイトもある。
一般社団法人人材サービス産業協議会の以下のサイトにリンクがあるので見てみてほしい。まあ傾向が見えるレベルではあるのだけれど、設問がなかなか面白い(結果に至る分析が雑なのがもったいない)。
大事なことは、スキルを汎用化した人は、自分自身が汎用品ではなくなる、ということだ。
ただし、実はその先がある。
会社に特化したスキルを汎用化すると、どんなことができる人なのかがわかりやすく見えるようになる。
だから転職などに役立つし、出世競争にも勝ちやすくなる。
その先にあるものは、汎用化したスキルを、再度特化させることだ。
たとえば転職した後、汎用スキルをその会社に向けて順応させていかなくてはならない。いつまでも汎用スキルを汎用のままにしてはいけない。
汎用化と順応。
それらを繰り返して、私たちはさらに成長するのだ。
平康慶浩(ひらやすよしひろ)
「高度人材」というキーワードのむずかしさ
今日も日経スタイルの連載記事がアップされた。
こうして多くの人の目に触れる記事を書いていて思うのは、キーワードの難しさだ。
今回の記事は、「高度人材」と「企業戦士」とを対比させている。
そのどちらがより優れている、ということではない論調としている。
けれども、なんとなく「高度人材」という語感の方が偉そうだ。
推敲の過程では、以下のような言い換えも考えた。
「高度人材」⇒「市場人材」
「企業戦士」⇒「企業人材」
でもこれだとよくわからないかなぁ、とも思ったのだ。
ともあれ、今回の記事は次回に続く。
そこではさらに深堀をしてみたい。
平康慶浩(ひらやすよしひろ)