あしたの人事の話をしよう

人事コンサルタント 平康慶浩(ひらやすよしひろ)のブログです。これからの人事の仕組みについて提言したり、人事の仕組みを作る立場から見た、仕組みの乗りこなし方を書いています。

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『「捜査本部」というすごい仕組み』は企業マネジメント改革にも役立つ

このブログにも何度も書いていますが、書店をうろうろとするのが好きです。
いつもは大阪梅田のジュンク堂にいるのですが、たまたま難波の方に行くことがありました。
仕事が終わって、そういえば難波にもジュンク堂があったな、と考えてぶらぶらとしていたところ、なんばウォークと言う地下街でブックファーストと言う書店を見つけました。
この書店、たしか阪急系列で、梅田とか阪急駅構内だけだと思っていたのですが、こんなところにも。
で、とりあえず入ったのです。

となるとあとはいつものごとく、売れ筋書架で何冊か抱えて、ビジネス書で何冊か抱えて、それからうろうろと。
新書のところで、名前に覚えのある本を見つけました。
Facebookで紹介されていた『「捜査本部」というすごい仕組み』と言う本です。
本の表紙画像だけを見るより、直接手にした方がいい感じですね。
どんな本なのかな、と思いぱらぱらとめくり、これは面白そうだと感じました。
10冊ほど抱えていた本に加えて、それから事務所で熟読です。

まず、見た目はビジネス書ではありません(笑)
でも、著者の澤井さんのご経験と見識に基づく、マネジメントのあり方を変える方向性が示されています。
例えばこんな二つのタイプの組織について書かれています。

① 急造で、かつ決してエースクラスが送り込まれてこない組織で成果を出す方法
⇒それぞれの組織がプロジェクトに人材を出せ、と言われて、エースを出したくないと思うくだりに納得します。
 そんな集団をどうコントロールするか?

② コテコテの権力型組織の硬直性や方向の誤りを現場でただすための方法
⇒警察の捜査本部、というと、若くて現場を知らないキャリア官僚が方針を決めて、現場がそれに不満を感じながらもしぶしぶ動く、と言うイメージがありました。でも実際にはそうではない、ということを書いています。なるほどー、と思いますが、さらに、それでも縦の権限構造が明確な組織に置いて、現場力を高めるための具体策が提言されています。

考えてみれば、ブラック企業と警察ってマネジメント体質が似ているようにも思います。
ブラック企業の多くは軍隊的なマネジメントを取っています。
そしてこの本で示されている警察学校の中身は、まるで軍隊です。
布団の畳み方まで指導される生活規律や、厳しい時間管理、上下関係の徹底などです。

でも、本質的に組織が持つ目的やミッション、個人個人がその職業を選んだ意識で、組織のありようは変わる。
だからマネジメント体質が似ていても、組織としては根本的に違います。

著者が提言されている、個人個人がリーダーシップを発揮するオルフェウス・プロセスは、厳しい規律を求めるマネジメント環境において特に有効です。
考えてみれば、なかなか業績が上がらない企業では、個人の集合体としての組織はあってもチームになっていない。
チームを機能させるためには、チームの目的を共有し、個人の役割を明確にし、個々のリーダーシップを尊重しながら活動する。

基本ではありますが、あらためて多くの組織に徹底させたい方向性を整理してくれた本です。

ちなみにそういう役にたつ話だけではなく、面白い読み物部分もたくさんあります。
第一章、第二章、第五章のあたりは、警察ってこうなってるんだ、と知ることが出来て面白かったです。

ぜひ皆様もご一読を。


 

平康慶浩(ひらやすよしひろ)