「金塊ロジック」で「景気が良くなる方法」を考えてみた(1)
景気がよくなる、ってよくわからなくないですか?
そもそも景気ってなんでしょう?
実は景気を正確に説明できる人はいません。
そもそも景気動向、って海外にはない単語です。
例えばアメリカでは個人消費、雇用統計、住宅市場、といった個別の具体的な指標で景気を総合的に判断します。
そういや先週の金曜日、あるはずの米国雇用統計が発表されませんでしたね。
アメリカすごい。(いろんな意味で)
でも、日本では内閣府が「景気ウォッチャー調査」という統計を毎月発表しています。
ではこのDIってなんでしょう?
(2013年8月内閣府データ)
ちょっとびっくりするかもしれませんが、これ、実は2,050人の感覚、なんですね。
2,050人の感覚を「景気」として政府が発表しているわけです。
DI(ディフュージョンインデックス)というのは、おおざっぱに言えば、「景気はいい」と答えた人の数から、「景気は悪い」と答えた人の数を引いた差の割合のことです。
だから、50のところに線がひかれているのは、そこを超えると「景気はいい」と答えている人の割合が多くなるということです。
この2,050人ですが、どんな人たちでしょう。
これも内閣府調査ですから、ちゃんとわかります(名前まではわかりませんが)。
人数が多い順に書いてみましょう。
1位 百貨店売場主任・担当者 125人(6.1%)
2位 スーパー店長・店員 119人(5.8%)
3位 小売店経営者・店員 110人(5.4%)
4位 乗用車・自動車備品販売店経営者・店員 96人(4.7%)
5位 コンビニエリア担当・店長 92人(4.5%)
6位 通信会社社員 83人(4.0%)
7位 衣料品専門店経営者・店員 69人(3.4%)
8位 商店街代表者 64人(3.1%)
9位 人材派遣会社社員・アウトソーシング企業社員 62人(3.0%)
10位 職業安定所職員 54人(2.6%)
なんとなくそれっぽいですね。
ただ、4位に自動車販売、が入っているあたりが、なんとも古臭い。
8位の商店街代表者、とかもね。
もう違うでしょ、とか思ったりもします。
意外な職業だと、こんな方々もいらっしゃいます。
● スナック経営者 16人(0.8%)
● 競輪・競馬・競艇場職員 11人(0.5%)
● パチンコ店経営者・従業員 5人(0.2%)
平均年収がだだ下がっている現在、こっちの比率を増やした方がいいんじゃないか。
さらに地域別にも公表されているんですが、
スナック経営者16人のうち、
5人が関東
3人が北海道
2人が東海
東北、北陸、近畿。中国、四国、九州が1人
沖縄はゼロ。
競輪などについては
3人が関東
2人が近畿
2人が九州
あとはいろんなところが1人ずつ。
パチンコはなぜか
北海道、関東、東海、北陸、近畿
がそれぞれ1名ずつです。
ちなみに三菱UFJ&リサーチコンサルティングがこのとりまとめをしているそうです。
で、何がいいたいのかといえば、「景気」と言う言葉はいい加減なわけです。
でも、中身は区分できます。
学者によって言うことは違いますが、今回は実質GDP=景気、だと仮定してみましょう。
(就業率とかもからんでくるんですが、その辺は割愛します)
実質GDPの中身は
民間消費
民間投資
政府支出
対外収支(輸出-輸入)
で決まります。
やっぱりまだ分かりにくいですね。
これを「金塊ロジック」で読み解いてゆきましょう。
大まかな方向性は簡単です。
消費が増えるか
投資が増えるか
政府(通貨を発行している主体)からの支出が増えるか
貿易で黒字になるか
すればGDPは増えるわけです。
でも、「金塊ロジック」だとどうなるのでしょう。
大きなポイントはふたつです。
①発行している通貨の量が決まっている状況で、消費が増えるってどういうこと?
②政府支出が増えるってどういうこと?
また次回書きます。
平康慶浩(ひらやすよしひろ)