人材育成は組織の弱みを引き下げ、強みを高めるために行う
セミナー講師をしている関係で、雑誌の取材を受けた。
SMBCマネジメント+(プラス)。
三井住友銀行系列の人材教育会社、SMBCコンサルティングが発行している月刊誌だ。
雑誌のHPはこちら。
僕の取材記事が掲載されているPDFはこちら。
人材育成の新しい潮流
次世代経営幹部の育て方(上)―環境変化に対応できる人材を育てよ
セレクションアンドバリエーション株式会社 代表取締役
この記事では、早期選抜と早期育成の重要性を説いている。
ふりかえって、そもそもなぜ選抜とか育成をするのか、ということを整理してみたい。
それはつまり、ふたつの目的のためだ。
第一の目的は、ボトルネックの解消だ。
新人教育や管理職教育など、多くの教育がこちらの目的で実施される。
たとえば新人のレベルがばらばらだと、業務に支障をきたすことになる。
管理職の中に、管理職として不十分な人がいれば、その組織は間違った方向に向かってしまう。部下は育たないし、退職者が増えることすらある。
それらはつまり、組織が円滑に機能するためのボトルネックだ。だからそれを解消するために、育成に手間暇をかける。
セミナーや研修を受講させる方法もあれば、現場でたたき上げる方法もある。
ボトルネックの解消はとても大事な目的だ。
しかしそれは「弱み」を解消しようとすることであって、ボトルネックを解消するだけで強くなれるわけではない、ということに注意しなくてはいけない。
だから、育成においては実は、第二の目的がもっと重要になる。
第二の目的は、リーダーを育てることだ。
リーダーとは組織の方向性を定め、その方向に向けて他者を動かす存在だ。
つまり、リーダーこそが組織の「強み」を高められる存在だ。
リーダーを育てるには、さまざまな複合的かつ高度な経験を積み上げなくてはならない。また、教育だけではなく、自らの能動的な改善が重要になることも多い。
このあたり、OJTとOFF-JTの関係として整理するとわかりやすい。また、プロフェッショナリティとマネジメントという、両輪となるスキルを意識することも必要だ。
これらのリーダー育成のための手法については2015年6月号の月刊人事マネジメントに特集記事として掲載するので、ぜひ読んでみてほしい。
平康慶浩(ひらやすよしひろ)