2017年の新卒意識調査
公益財団法人 日本生産性本部が毎年、新入社員教育プログラムに参加した人たちを対象にアンケートをとっている。
「いまどきの若者」の行動が大きく変わるわけではないだろうけれど、それでも傾向は読み取れるかも、と思いながら毎年確認している。
と言いつつ、5月に発表されたその結果を見るのを忘れていたので、さっき見てみた。
時代を感じるなぁ、と思うのは例えば以下の様な点。
・外国人が上司になっても別に気にしない(日本語が通じるなら) 88.8%
・条件の良い会社があれば転職する 36.2%
・残業するより自分の時間を持ちたい 74.0%
・在宅勤務とか転勤しなくてよい会社とか興味ある 53.9%(両社の合算)
この調査、わりと具体的な質問もしていて、その答えを見るのもなかなか楽しい。
たとえば
「上司も加わったミーティングの席で、すばらしいアイデアを思いつきましたが、すぐ上の先輩と意見が対立しそうです。このときあなたは……」
1.先輩の顔をたてて黙ってる
2.自分の意見をはっきり言う
のどちらを選びますか?という質問とかがある。
これに対して、2.意見言います! が63.1%で多数派。
けれども2000年あたりでの回答では、71.3%の人が2を選んでいるので、今年の新卒は少しばかり、先輩の顔を立てようとしてるのかも?
また
「職場の人たちから職場の飲み会に誘われました。同時に友人からも同日の飲み会の誘いがありました。どちらを選びますか?」
という質問には、職場の飲み会を選ぶ、というのが83.2%。
ちなみに2000年時点ではなんと57.5%の人しか選んでいない。
25ポイントの変化は時代の変化と言ってもよさそう。
あれ、でも飲み会、来るの?会社の飲み会って嫌なことなんじゃなかったっけ。
またこんな質問も。
「上司から会社のためにはなるが、自分の良心に反する手段で仕事を進めるように指示されました。このときあなたは……」
1.指示通りにする
2.指示に従わない
3.わからない
では、1を選んだ社畜候補が39.1%。3を選んだ優柔不断な人が47.8%。
指示に従わない人は13.1%しかいない。
まあこの回答傾向は時代が変わっても同じようなので、人はそういうものかもしれない。
他にもいろいろと面白い質問があるので、興味のある人は自分で下記のリンクからpdfを見てみてほしい。
公益財団法人日本生産性本部 - 2017年度 新入社員 春の意識調査(訂正版)
平康慶浩(ひらやすよしひろ)
組織におけるアセスメント活用
労政時報に特集記事が掲載された。
2017年4月14日発行の、3928号だ。
本誌の特集記事なので、WEBでは、労政時報定期購読者しか読むことができない。
ので、とりあえずタイトルだけ貼ってみる。
多分、現時点で、企業の中でのアセスメントを行うための方法論としては一番わかりやすく書けていると思う。
たとえば、こんなことを書いていたりする。
「ではアセスメントを実際に行うとするのなら、何から始めればよいのだろう。答えは明確だ。『求める人材像の策定』が本質になる。それもきれいごとではないものが。」
「具体的にアセスメントを実施するには、短期的な適材適所を目的とするか、中長期の育成までを視野にいれるかで、実施方法が異なってくる。 たとえば某●●●でのアセスメントの目的は、公募による優秀人材の採用だ。それも企業で言うところの役員クラスの採用が主になる。そのためには短期の視点での行動確認が求められるので、外部者による面接手法を採用している。一方で某■■■におけるアセスメントの目的は、5年から10年程度をかけた次世代経営層の育成だ。そのための手法として研修型でのアセスメントを実施している。」
人事責任者だけでなく、経営層にもぜひ読んでいただきたい。
平康慶浩(ひらやすよしひろ)