あしたの人事の話をしよう

人事コンサルタント 平康慶浩(ひらやすよしひろ)のブログです。これからの人事の仕組みについて提言したり、人事の仕組みを作る立場から見た、仕組みの乗りこなし方を書いています。

まじめな話と、雑感(よしなしごと)とがまじっているので、 カテゴリー別に読んでいただいた方が良いかもしれません。 検索エンジンから来られた方で、目当ての記事が見当たらない場合 左下の検索窓をご活用ください。

経営労働政策員会報告2013年版でショックだったグラフ

経営労働政策員会報告2013年版を読んでいます。
この手の報告書は、事実を踏まえた分析がきっちりしつつ、かつ一番わかりやすい形で提示してくれているので、とても便利です。
つくる方はとても大変なんですけどね……

で、いまのところ一番ショックだったのが10ページ目。
あえて少しゆがめて、かつ小さくした写真を転載してみます。
詳細を知りたい方は、ぜひ購入してください。800円+送料250円で買えますので。
こちらのサイトです
http://www.keidanren-jigyoservice.or.jp/public/book/index.php?mode=preview&seq=264

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上記の写真の怖いところは、積み上げではない点です。
単純に、右肩上がりで倒産件数が増えていることを示しています。
最盛期で「たった」50件?いえいえ。その予備軍はさらに多い。

ちょうど今週の日経ビジネスで、今後の予測がでています。
「倒産予備軍10万社の行方」という記事です。
2013年2月11日版ですので、こちらも併せて読むと危機感がさらに高まります。

私も「コンサルタント」という仕事をしているので、たまに(なぜか)資金繰り相談をされることがあります。
昨年後半にたびたび相談されたのが、銀行側の態度変化に対して、どうすればよいか、というものでした。
おそらく税理士や公認会計士の方々はもっと深い相談をされていることでしょう。

人事面、特に労働力市場に関していうなら、多くの人々がさらに労働力市場にあらわれることになります。
モラトリアムの対象となるような企業の多くは、平均年齢が高い。全社員の平均年齢が40代後半から50代と言う会社も少なくはないでしょう。中小零細の1社1社の人数は少なくとも、やがて毎月100社、200社と倒産してゆけば、どうなるか。

これらの方々の多くは一時的には失業手当に頼ることができます。
しかしそれが切れる時期から、さらに労働力市場は悪化する。
それは2013年の後半から2014年にかけて、より悪化の度合いを増すことになると予想されます。

経団連のこの報告では、具体的な解決策までを提示しているわけではありません。
現時点では、国の労働政策が労働者保護に偏りすぎていて大変だ。だからもっと規制緩和すべきだ、というレベルにとどまっています。
最低賃金を引き上げるな、そもそも事業が存続しなければ雇用もできない。だから事業活動を活性化させる法制度にすべきだ、などなど。
雇用の受け皿としては「農業・水産業」「観光業」の提示にとどまっているので、どの産業が受け皿になるのか、まだ見えないということでもあります。
一方で、「生産性を高めるワーク・ライフバランス推進」というテーマに基づき、女性や高齢者活用の方向性も示しています。

あくまでも経団連の報告なので、総論的になるのは仕方ない。
これからさらに具体化していくのは、それぞれの企業、そして私たちコンサルタントの役割でもあるのでしょう。

個人を守るために企業を守る。
それは、一時的に、個人や企業につらい思いをさせることにもなる。

難題が具体化する時代になってきました。

 

 

平康慶浩(ひらやすよしひろ)