会社法に書いてない「取締役」役職名の慣例的な意味
2005年に会社法が成立して以来、取締役のいろいろな肩書に法的根拠がなくなってしまった。
現在の取締役は、3種類しかない。
まあ厳密には349条で「代表取締役その他株式会社を代表する者」という記述があるので、勝手にそれっぽい役職名を作っても良いのだろう。
典型的なものとしては、354条の表見代表取締役のところに書いてある「副社長」とかそうかもしれないし、「会長」とか「副会長」だってありだろう。
そもそも、以前は、専務とか常務とかの役職もあった。
そして今も多くの会社でそれらの役職が使われている。
ではそれらはどんな意味を持っていたのだろう?
あくまでも昔の時代の一般的用法として、備忘的に記しておく。
なお、これらはいろいろな会社で言われていたことをまとめたものである。
よって、私の個人的見解ではないし、セレクションアンドバリエーションの見解でもないということを記しておく。
⇒⇒⇒⇒昔よく使われていた(と思われる)取締役の役職の意味。
会長 ⇒ 前の社長。裏のドンだったりする。ただの飾りのこともある。
副会長 ⇒ 前の副社長。社長よりも偉いようで偉くなかったりもする。
社長 ⇒ 会社の代表。一番偉い人。
副社長 ⇒ 社長競争に敗れた人。この後副会長になることもある。
専務 ⇒ 次の社長候補。複数設定して競争させたりする。
常務 ⇒ 部門・機能の最終責任者。いわゆる番頭。普通の出世の天井はここ。
平取 ⇒ 取締役の入り口。役員同士ではかなり下っ端扱いされる。
兼務役員の事も多い。
社外取 ⇒ ご意見番。業界の大物や他社経営者、士業やコンサルタントがなるが
昔は置物みたいな感じだった。(今は割と物言う人が増えている)
⇒⇒⇒⇒おまけ 監査役バージョン
常勤監査役 ⇒ 常務になれなかった取締役がなったりする。
ちょっとさびしいご褒美ポスト。任期は長い。
非常勤監査役 ⇒ 社外取と同じような位置づけ、ただし財務・会計系が多い
繰り返すが、大企業の中で、上記のように言っている人がいた、というくらいの理解にとどめてほしい。
平康慶浩(ひらやすよしひろ)
2017年の新卒意識調査
公益財団法人 日本生産性本部が毎年、新入社員教育プログラムに参加した人たちを対象にアンケートをとっている。
「いまどきの若者」の行動が大きく変わるわけではないだろうけれど、それでも傾向は読み取れるかも、と思いながら毎年確認している。
と言いつつ、5月に発表されたその結果を見るのを忘れていたので、さっき見てみた。
時代を感じるなぁ、と思うのは例えば以下の様な点。
・外国人が上司になっても別に気にしない(日本語が通じるなら) 88.8%
・条件の良い会社があれば転職する 36.2%
・残業するより自分の時間を持ちたい 74.0%
・在宅勤務とか転勤しなくてよい会社とか興味ある 53.9%(両社の合算)
この調査、わりと具体的な質問もしていて、その答えを見るのもなかなか楽しい。
たとえば
「上司も加わったミーティングの席で、すばらしいアイデアを思いつきましたが、すぐ上の先輩と意見が対立しそうです。このときあなたは……」
1.先輩の顔をたてて黙ってる
2.自分の意見をはっきり言う
のどちらを選びますか?という質問とかがある。
これに対して、2.意見言います! が63.1%で多数派。
けれども2000年あたりでの回答では、71.3%の人が2を選んでいるので、今年の新卒は少しばかり、先輩の顔を立てようとしてるのかも?
また
「職場の人たちから職場の飲み会に誘われました。同時に友人からも同日の飲み会の誘いがありました。どちらを選びますか?」
という質問には、職場の飲み会を選ぶ、というのが83.2%。
ちなみに2000年時点ではなんと57.5%の人しか選んでいない。
25ポイントの変化は時代の変化と言ってもよさそう。
あれ、でも飲み会、来るの?会社の飲み会って嫌なことなんじゃなかったっけ。
またこんな質問も。
「上司から会社のためにはなるが、自分の良心に反する手段で仕事を進めるように指示されました。このときあなたは……」
1.指示通りにする
2.指示に従わない
3.わからない
では、1を選んだ社畜候補が39.1%。3を選んだ優柔不断な人が47.8%。
指示に従わない人は13.1%しかいない。
まあこの回答傾向は時代が変わっても同じようなので、人はそういうものかもしれない。
他にもいろいろと面白い質問があるので、興味のある人は自分で下記のリンクからpdfを見てみてほしい。
公益財団法人日本生産性本部 - 2017年度 新入社員 春の意識調査(訂正版)
平康慶浩(ひらやすよしひろ)