ファンにする経営が必要な時代(セミナーの紹介)
今年(2016年)の夏にかけて、経営層向けの限定セミナーの開催を計画している。
最初は本にしようと思っていたのだけれど、内容的にターゲットがそれほど多くはないだろう、と考えたためだ。
詳細は後日告知するけれど、概要は以下のようなもの。
興味のある人は、弊社(info@sele-vari.co.jp)まで連絡しておいていただければ、開催日時が決定次第ご連絡させていただく。
それはこんな内容だ。
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トップクラス人材の働き方が変わっている。
彼らにとってはもはや働くことは稼ぐことではなくなりつつあるからだ。
彼らは自分自身の価値を人的資本、社会関係資本として高めている。その資本を、職務の場でビジネスの価値として変換し、その結果としての利益を享受するようになっている。
そのようなトップクラスの人材をひきつけ、活躍してもらうために、会社はどのような人材マネジメントを行うべきだろう。
伝統的な手法は、将来にわたって雇用を保証し、キャリアアップの機会を与え、インセンティブを付与しながら、教育を実施してゆく、というものだった。
しかしそれらの手法は、広く存在する中間層人材に対して有効だが、トップクラス人材には不十分だ。そこには明確な特異性を踏まえた人材マネジメントがなくてはならない。
従業員という漠然としたくくりではなく、ダイバーシティやキャリアアンカーを踏まえた一人一人の従業員との関係性を構築する。友好的であり長期的であり厳選された対話と共有によって、彼らを企業とビジネスのファンにすることがその答えだ。
一方でむやみな個別対応はコストの増大を招くので現実的ではない。
必要なことは、個別最適でありながらも高すぎるコストを支払わない方法だ。その答えが対話と共有による関係性構築であり、「ファン・マネジメント」だと言える。
【ファン・マネジメントセミナーの構成】
トップクラスの人材マネジメントはどう変化するのか
- 働き方と稼ぎ方はこれからどう変わるのか
自分自身を経営するトップクラス人材
企業よりも大きな付加価値を持つ個人たち
トップクラス人材にとっては働く=稼ぐではない
人材の希少性はスキル+ネットワーク - 職務と雇用とはこれからどう変わるのか
AIとクラウドが普遍性と限定性を二極化する
知的職務と共感職務に集約される仕事
長期保証が逆選択になる雇用
マス契約から個別契約へ - インセンティブはどう変わるのか
報酬の本質はリスクテイク主体の違い
被雇用をリスクと感じる自立した人材への対応
増減よりも絶対水準が求められる
後払い・積立型は長期雇用にしか向かない
関係構築へ移行する人材マネジメント
- 全体像
そこにポリシーはあるか
自由・活躍の場・進化・快適さという基本
組織ありきで要素を考える - 職務設定=配置・昇進・異動
離退職の自由
活躍と成長の場の提供
マッチングのための対話
共有によるコミュニティ創出 - 融資/出資/投資家との対話と共有
情報開示の基本方針
開示情報の範囲とレベル
融資/出資/投資別の対話
経営構造の変革
- ファン・マネジメントのためのガバナンス
責任権限のあり方
監視構造
資本部という試案 - ファン・マネジメントのための組織構造
- ファン・マネジメントのための人事制度
MBOからIOM(Interactive Objectives Management)へ
平康慶浩(ひらやすよしひろ)
早期選抜の上手な進め方
僕が早期選抜の重要性を強く感じはじめたのは、一昨年からだ。
その頃、とある大手メーカーの人事制度改革を担当していた僕は、海外から招へいされたマーケティング担当役員と話す中で、あることに気付かされた。
第一に、海外のエグゼクティブは若い、ということだった。
そのマーケティング担当役員は僕よりも5歳は年下だった。そんな彼は、大学院を出た後、複数のメーカーを転職しながらキャリアを積み、そうしてグローバル企業の役員にまで若くして上り詰めていた。
さらにいえば、彼はきっと10年後にはその会社にはいないだろう、ということもわかった。きっとその会社をステップに、さらに次のキャリアを積むはずだ。
なぜ彼が次のキャリアを積む、と断言できるのか。
それは第二の気づきが理由になる。
第二に気付いたのは、グローバルに活躍するエグゼクティブの給与水準は、日本とは比べ物にならない、ということだった。
上記の彼は、転職のたびに年収を倍々に増やしていった。そして上記のタイミングですでに彼の年収は1億に達していた。ちなみに社長の年収は、このマーケティング担当役員より安かった。
そんな彼と何回も何時間も話し合った。
彼は、人事改革の外部責任者である私にこう依頼した。
「残念なことに、私の部下で、プロフェッショナルは一人もいない。だからプロフェッショナルが育つような人事制度にしてほしい」
「あなたの部下には経験のあるマーケッターが多いはずだけれど、彼ら・彼女らもプロフェッショナルではない?」
「そうだね。たしかに20年以上の職業歴を持つ人は多い。でも、マーケティング部門だけで育った人はいない。一番長いマーケティングキャリアの人材でもせいぜい10年だ。それはマーケッターとしては新人から10年目程度の経験しかない、ということにもなる」
「10年の経験があれば、プロフェッショナルと言える人もいるんじゃないのか?」
「そこがまさに今回の人事制度改革に期待したいところだ。断言するが、彼らはプロフェッショナルとして育てられていない。彼らの10年はスタッフの10年であり、プロフェッショナルの10年じゃない。僕はプロフェッショナル達のチームを作り上げなければいけない。そうしなければ僕のターゲットが達成できないからだ」
僕たちはそれから、プロフェッショナルとしてのキャリア、プロフェッショナルとしての育て方、そのために人事制度に整備すべき具体的な内容を議論し、整理した。
そうして内容を整理してみると、すべてのエグゼクティブはプロフェッショナルでなくてはならないということもわかってきた。
そのような気付きをもとに、評価制度を改定し、報酬制度を整備し、教育の仕組みを体系化した。
結果としてその会社の人事制度改革は成功した。
今、その会社はそれまで以上に成長を続けている。幸い、僕と議論したマーケティング担当役員もまだその会社に在籍しているようだ。
そんな経験を踏まえて、月刊人事マネジメントという人事の専門誌に、特集記事を執筆した。
6月5日発売(定期購読のみ)なので、読者の手もとにはもう届いているだろう。
概要は雑誌のホームページに記載されているので、興味のある方は是非見てみてほしい。
HRガイド:早期選抜の上手な進め方(サンプルページ)
実は今回の特集記事内容をもとに、セミナーも開催する。
プロフェッショナルやリーダーをいち早く育てたい経営者にぜひ参加してほしい。
平康慶浩(ひらやすよしひろ)
人事評価制度改革 個別無料相談会 |人事評価制度,目標管理,セレクションアンドバリエーション