あしたの人事の話をしよう

セレクションアンドバリエーション株式会社 代表取締役 兼 グロービス経営大学院HRM担当准教授の平康慶浩(ひらやすよしひろ)のブログです。これからの人事の仕組みについて提言したり、人事の仕組みを作る立場から見た、仕組みの乗りこなし方を書いています。

まじめな話と、雑感(よしなしごと)とがまじっているので、 カテゴリー別に読んでいただいた方が良いかもしれません。 検索エンジンから来られた方で、目当ての記事が見当たらない場合 左下の検索窓をご活用ください。

セレクションアンドバリエーションの人事コンサルティングについて

私が経営している、人事コンサルティングファームのセレクションアンドバリエーションについて質問を受けることが多いんですが、ホームページに記載している内容がわかりづらいっぽいので、そちらを修正する間、こちらに記載しておこうと思いました。

人事コンサルタントってどんなことをしてくれるの、と思う人もぜひ読んでみてください。

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人事制度設計と人材育成のセレクションアンドバリエーション

www.sele-vari.co.jp

 

 

 

■ セレクションアンドバリエーションとはどういう会社なのか

● 人事コンサルタントってどんなことをしてくれるの?

 

一般的な人事コンサルタントは、企業の人事制度を設計します。

 

人事制度とは多くの場合4つのパーツに分かれます。

 

等級制度

1つ目は、会社が従業員に期待する成果や業務を具体化して示す等級制度です。

日本企業の多くでは、職能等級制度が活用されてきました。最近ではジョブ型人事として、職務等級制度が採用されることが増えています。

またそれらを併用する形での、ハイブリッド型等級制度が用いられた事例も多数あります。

 

評価制度

2つ目は、等級制度に基づき、期間ごとにより具体的に従業員への期待を示す評価制度です。

期待に対する達成度や貢献度などを確認して、報酬制度や教育制度に連携してゆきます。

目標管理制度(Management by objectives)やOKR(Objectives and Key Results)、コンピテンシー評価基準などが用いられることが一般的です。

最近では制度だけでなく、コミュニケーションを促進するための運用ツールとして活用されることが増えています。

その一例がフィードバック面談としての1on1の促進などです。

 

報酬制度

3つ目は、評価制度の運用結果として、従業員の給与をどのように変動させるかを定めた報酬制度です。

報酬としては月例給や毎年の賞与、インセンティブなどの形式に加えて、中長期でのインセンティブや退職金、福利厚生などを含みます。

変動する要素として、個人としての評価に加えて、組織としての業績を反映する場合もあります。

 

教育制度

4つめは、教育制度です。

実際の業務の中で人材育成を考えるOJT(On the job training)を体系化したり、業務を離れて実施するOff-JTなどを設計し、実践的に運用してゆきます。

最近では自発的学習を支援するための諸手当設計を行うことも増えています。

 

結論

このような制度を半年から2年くらいかけて設計し、運用を支援することが人事コンサルタントの仕事です。そして人事コンサルタントたちが集まっているのが、人事コンサルティングファームです。

 

 

● セレクションアンドバリエーションの人事コンサルティングの特徴は?

 

「従業員の自発的成長」を実現することがセレクションアンドバリエーションの人事コンサルティングのゴールです。

その結果として会社の収益性が向上し、対前年での売り上げが伸びてゆく状況に貢献します。

そのための私たちのコンサルティングの特徴は3点あります。

 

第一の特徴:早期実現

第一に、早期実現です。アジャイルコンサルティングとも言えます。

一般的な人事マネジメント改革には2年以上を費やすことが多いのです。

たとえば最初の半年で社内の関係各所の意見を確認し、次の半年で改革の方向性を具体化します。

そして次の半年で制度を設計し、残る半年で再度関係各所の調整を行ったりします。

 

この場合、新しい仕組みの納得性を高めるために時間をかけることで、導入はスムーズにできます。

しかし一方で、仕組みが本当に機能するかどうかがわかりづらくなります。

またその間に大きな環境変化が生じた場合には、また一からやり直す必要性すらでてきます。

 

しかし私たちの実績では、小企業(従業員100名以下)で最短3か月、中堅企業(従業員数百名程度)で最短6か月、大企業(従業員数千人規模)で1年での制度導入と報酬改定を実現してきました。

そのためのポイントは、まず経営サイドでの意思を明確に固めるための初動をしっかり行うことです。

またプロジェクトメンバーに利害関係者を含めることで検討と調整とを一体化させます。

そして明確に優先順位付けした対応策を推進することです。

それらのポイントをしっかり押さえることで、人事改革を早期に実現してきました。

 

第二の特徴:具体的根拠

第二に、変革の具体的根拠を示していることが私たちのコンサルティングの特徴です。

そのためにアンケートや過去の評価履歴、給与支払い実績などを統計的に処理し、何が本質的なイシューなのかを特定します。

従業員の期待と満足度をマトリクスで確認するエンゲージメント調査、経営幹部や管理職の行動実態を把握する多面的マネジメントサーベイ、各種人事情報の動態調査などにより、エビデンス(具体的根拠)に基づいた変革を推進します。

 

第三の特徴:変革の徹底

第三に、変革のための徹底です。

私たちは人事制度を変える際に、教育の変革についても言及します。

そして実際に教育が運用された結果としての、抜擢や昇進昇格、異動判断なども総合的にご支援します。

結果を出し、成長した人が社内のヒーローとなり、次の世代に勇気を与えていくためには、実際に彼らが報いられることが重要なのです。

 

結論

私たちはこれら3つの特徴=早期実現、具体的根拠、徹底を踏まえたコンサルティングを行っています。

 


● どんな会社を支援しているの?

セレクションアンドバリエーションのクライアントは、従業員数千人規模の大企業から、中堅企業、小企業まで様々です。

そこで共通するのは、ビジネスのイノベーションやチャレンジの実現を、人事マネジメント改革の目的とされている点です。

 

成長が一段落して安定した業績が実現できているけれど再度成長を目指されたい大企業や、事業承継に伴うビジネスモデルの変革を目指されたい企業、急成長中のベンチャー企業など「成長」が私たちのコンサルティングの重要なキーワードとなっています。

 

実際のコンサルティングでは、企業規模や事業ステージにあわせた柔軟なコンサルティングを行っていますので、ぜひお気軽にご相談ください。

 

 

■ コンサルティングの依頼はこちらから 

 

sele-vari.co.jp

 

平康慶浩(ひらやすよしひろ)

 

高額給与の支払い方コンサルティング

人事コンサルティングの依頼として、「高額給与の支払い方」についての相談が増えてきました。

対象となる職種は主に2種類。

エンジニア系採用と経営幹部採用です。

 

エンジニアを採用したいという理由は、大ぐくりでいえばDX(デジタルトランスフォーメーション)対応ということなんですが、細かい話でいうと、以下の職種になります。

・UI/UXデザイナー
・WEBエンジニア
・VPoE(こちらは経営幹部ともかぶりますね)

金額水準としては、UI/UXデザイナーとWEBエンジニアがだいたい同じくらいで600万円~800万円。VPoE(Vice President of Engineer)で1000万円~1500万円といったあたりです。

ガチガチのIT系企業だったらもっと安く雇えるとは思うのですが、そうではない会社がエンジニア系の職種を採用しようとすると、どうしても相場より少し高めに支払う必要がでてきます。

 

社長のイラスト(若い男性)

経営幹部採用についても事情は同じような感じで、取締役候補を執行役員として迎える場合などです。報酬水準は企業規模にもよりますが、1200万円~2000万円くらいの例を見ています。

こちらも実は、社内に今いる執行役員よりも少し高めに設定することが多いのです。

 

つまり「高額給与の支払い方」についての相談とは、「今いる社員より少し高く支払ってでもよい人材が欲しい」というニーズが高まっていることが背景にあります。

 

で、なぜその支払い方がコンサルティングのテーマになるかというと、ご相談いただく各社が、それぞれ失敗した経験を持つためです。

 

典型的な失敗の第一は「期待した成果をあげてくれない」というものです。

また「入る前に聞いていたことと状況が違う」ということもよく起きます。これが第二の失敗ですね。その際にはせっかく採用した人材が早期に離職してしまいます。

 

第一の失敗に基づき、各社の経営層や人事部は「給与の下げ方」を求めてきます。

具体的には賞与の引き下げ→月例給与の減給→等級の引き下げという順序での要求となります。

 

「経験とスキルがあるというから弊社の同じポストよりも200万円高い給与にしたのに、経験は不十分だし、スキルもあいまいだった」という場合に、なんとかして年収を引き下げたい、と相談されるわけです。

しかし採用時の労働条件通知書があいまいな書き方だったりするので、どうしてももめることになりがちです。

このような場合には、後だしじゃんけんをするよりも、まず最初に労働条件通知書を明確にするだけでなく、年収に占める賞与の割合や満額支払い条件などを具体化することが重要です。

さらに社内の評価制度について丁寧に説明し、コミットメントをしっかりしていただくことも必要となってきます。

そのため、実際のコンサルティングの内容は、ピンポイントでの人事制度の見直しと運用支援=制度説明などのサポートになることが大半です。

 

第二の失敗は入社前との条件の違い、という理由での中途採用者の早期離職ですが、本当の理由は職務権限の不足です。

特に経営幹部として転職してくる人の大半は、肩書にふさわしい権限を求めてきます。

しかし経営幹部を求める会社の多くは、幹部に権限を与えていない場合が多いのです。

そのため、コンサルティングでは、職務権限規程の見直しと、経営会議などの会議体設定の見直しが主になります。

 

中途採用の失敗は、単純に「良い人に巡り合わなかった」ということではなく、社内の仕組みが不十分なことによることが大半です。

 

ぜひ自社の人事制度が、優秀な中途採用者の活躍に足るものかどうか、確認してみてください。

 

 

平康慶浩(ひらやすよしひろ)

 

 

 

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給与クライシス (日経プレミアシリーズ)

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