とんでもない上司がスタンダードだ
日経スタイルの連載記事。今回はとんでも上司への対応方法だ。
とんでもない上司というのは実はとても多い。
でも認識を変えてみれば、その理由が見えてくる。
たとえばできる人が出世して上司になる。
すると、できる自分を基準に物事を考えるようになる。
部下から見れば、とてもついていけない要求ばかりしてくるモンスター上司になる可能性が高い。
あるいはとんでもない上司の下で苦労して出世し、上司になった人がいる。
すると、とんでもない上司があたりまえだ、と考えてその真似をしてしまう。
とんでも上司の再生産だ。
要は、上司としてのふるまいを知らない人たちが上司になるのだから、そりゃとんでも上司になるだろう、ということだ。
逆に、したっぱの間に「できる上司」みたいな行動を取っている人は?
たとえば、伸び悩んでいる後輩に助言をして自主的な改善を促しているとか、結果を出した同僚を惜しみなく称賛してさらにやる気を高めているとか。
多分そういう人は、直属上司からは評価されない。2階層上の上司の目に留まったりすると抜擢されるのだけれど。
「あの人いい人なんだけれどね」と言われ続けてしまう。
だから上司とはみんなとんでもないものだ、と考えておいた方がよい。
そして、自分自身もきっとそうなる、という自戒も込めて。
自分もそうなるかも、と思える人は、一度はとんでも上司になったとしても、そこから必ず成長できる。
平康慶浩(ひらやすよしひろ)
リスク選好の反対語はリスク回避であって「ゆでがえる」ではない
日経スタイルの連載は「出世」というしばりがあって、だからわりと書きやすい。
自由に書いていい、なんて言われたら多分何も書けなくなるから。
で、今回は転職判断時期をどうするか、ということを書いた。
人事制度設計者とのしてのポジショントークもちりばめながら。
ただ、この記事はあくまでも、リスクを選んででももっと良くなりたい、と思う人向けだ。
もしあなたが、今いる場所でこつこつとがんばりたい、とか、この会社には良くないところもあるけれど、私が改善してゆきたい、と思うのなら刺さるところはないだろう。
結局僕が書いている内容は、リスク選好型の人向けなんだなぁ、とあらためて思った。
ちなみにリスク選好の反対語はリスク回避だ。
リスクを許容してでもより大きなリターンを目指すか、リターンは小さくてもリスクを避けるか、という行動の選択肢だ。
つまり、どちらもリスクは理解しているということが前提となる。
リスクそのものを理解していないと、結果として何も選択できない。
それを「ゆでがえる」という。
リスク選好でもリスク回避でもどちらでもいいけれど、ゆでがえるにはならないように、いろいろ知った方がいいと思う。
平康慶浩(ひらやすよしひろ)